【ざわめく森の恐怖】映画「ハプニング」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2008年のアメリカ映画
主演者はマーク・ウォールバーグ、ズーイー・デシャネル、ジョン・レグイザモ
人々が突然自傷行為を始める異変に巻き込まれるパニックスリラー

こんな人にオススメ!
・不気味さを味わいたい
・若干のグロ要素は大丈夫
・シックスセンスのナイト・シャマラン監督のファン

映画「ハプニング」が5分でわかる!

あらすじ

奇妙な異変

ニューヨークで人々が突然自傷行為を始める怪事件が起こる。

フィラデルフィアの高校で教員を務めるエリオットは授業中突然呼び出され、ニューヨークで毒ガスによるテロが起きたと知らさせる。
授業は中止になり、エリオットは同僚で親友のジュリアンに、ジュリアンの実家に避難しないかと誘われる。
エリオットはその申し出を受け、ジュリアンの娘ジェスと共に電車に乗り込もうとする。
そこにエリオットと喧嘩中の妻アルマが現れ、アルマはエリオットと共に座ることを拒否し、ジュリアンが用意していた切符を取って一人で電車に乗り込んでしまう。

電車に乗り込んだエリオット達だったが、その中でフィラデルフィアやボストンも攻撃を受けたとニュースが入り、次々と人々が自殺をしているという。
電車はプリンストンに向かっていたが、その途中で突然止まってしまう。
ニュースでは事態の悪化が報道されており、エリオットらはまだ異変が起きていない方向に逃げることにする。

原因は木?

群衆がパニックを起こす中、ジュリアンは連絡が途絶えた妻を探すため、娘ジェスをエリオットとアルマに預けて一人プリンストンに向かうことにする。
ジェスを預かったジュリアンとアルマは、農園を営んでいる男の車に乗せてもらい、男の農園に身を寄せることにする。

プリンストンに向かう人々の車に同乗していたジュリアンだったが、プリンストンでは人々が至る所で自殺していた。
ジュリアンらは外の空気を吸わないように車内を目張りするが、オープンカーの幌の一部に穴が空いており、運転手は突然猛スピードで車を木に衝突させ始める。

一方、農園の男と車で移動していたエリオットらは、農園の付近でも異変が起こり始めていることを知る。
その場から逃げようとするが、行き先方向から来た軍人から、基地でも異変が起きており連絡が取れないと言う。
周囲には次第にあちこちから車が集まってきており、異変はあらゆる都市で起きているようだった。
異変は大都市から起きていることから、集まった人々はいくつかのグループに分かれ、小さな街へ避難することにする。しかしその道中であるグループに異変が起き、グループが全滅する。

エリオットはこの異変が植物によるものと考えており、人間の数が多いほど植物を刺激し、威嚇されると考える。
エリオットがグループをさらに小さくしたところ、木々のざわめきから逃れることができ、アルマとジェスも無事に生き延びることができた。

逃走

モデルハウスを見つけたエリオットらは若者二人と避難するが、そこにも避難する大勢の人々がやってきたため、人が集まることを危険に感じたエリオットらはモデルハウスを離れることにする。

歩いた先に家を見つけたエリオットはジェスを休ませるため、中の様子を探る。
中には何者かがいるようだったが、話しかけても毒ガスが入ってくると決して家の扉を開けようとしない。
この対応に苛立った若者二人が家主を挑発すると、家主は銃を取り出し若者二人を射殺してしまう。

その家から逃げた先で、エリオットらは世間から離れて暮らす老婆に出会い、食事をもらい、部屋の一つを借してもらえることになる。
老婆は異変が起きていることを知らず、気に入らないとジェスを叩くなど偏屈な性格だった。

突然の収束

朝目覚めるとアルマとジェスの姿がなく、エリオットは家中を探して回る。
ドアが半開きになっていた一室を調べていると老婆が現れ、エリオットが何か盗もうとしているといい、家を追い出そうとする。
エリオットは庭にいた老婆に釈明するが、老婆の様子は次第におかしくなり、ここにも異変が起き始めたことがわかる。

エリオットは家中のドアや窓を閉めて回るが、異常を起こした老婆は自らの頭でリビングのガラス戸を壊して回る。
アルマとジェスは家の離れの小屋で遊んでいたが、エリオットの指示で離れの扉を閉め切ったため、母屋のエリオットと分断されてしまう。

エリオットは異変から逃れることはできないと思い、一人母屋を出てアルマに会いに行き、それを見たアルマもジェスと離れの小屋から出てくる。
外は風が吹いており、植物はざわついていたが、エリオットらに異変は起こらず、事態は収束を迎えたようだった。

3ヶ月後、エリオットとアルマはジェスを引き取って一緒暮らしていた。
テレビではある植物が出す神経毒について語られていたが、異変が1日程度で突然始まり終わったのは何故かはわからなかった。
学者は自然から人類への警告であると語っていたが、異変が米国北東部に限定されていたことから受け入れられなかった。

しかしその時すでにフランスで、同じ異変が起こり始めていたのだった。

レビュー・考察

不気味なパニックホラー

突然人々が自傷行為を始める異変が起こる。
異変は屋外にいた人から始まり、屋内にいた人もやがては自傷行為を始めるようになる。
このことから当初は毒ガスによるテロ行為であると考えられていたが、被害がニューヨーク以外に広がるにつれ、その可能性は低いと考えられるようになる。
エリオットはこの異変の原因が植物が出す毒素にあると突き止めており、植物が人間が密集しているところから順に攻撃していると考える。

この植物の攻撃による不気味さの演出が見事で、木々がザワザワし出したら、周囲の人々が突然自傷行為を始めるのだ。
症状は短時間で段階的に進み、最初は意味不明な妄言、次は立ち止まるような行動、最後は自傷行為に進む。
段階を踏んでいくことで、ちょっと遠くにいる集団が、異変に巻き込まれているのかがわかるのが不気味さを際立たせている。
ちょっと前まで元気にしていた人々が、木々がザワッとしたと思ったら、突然動きを止めるのだ。この不気味さの表現は実に見事。

異変に巻き込まれた人々の自傷の仕方も凝っており、モデルハウスに避難してきた人はなんと自ら芝生に寝そべって芝刈り機に自らの体を巻き込ませていた。
ただ自傷行為をするようになるだけでなく、その時できる最もダメージの大きい自傷行為を選んでるあたりが恐怖である。

攻撃が目に見えず、対処も極めて困難なのが厄介で、エリオットが見えるものが全てではないと序盤で語っていたことが伏線になっている。
エリオットが異変は突然始まって、ピークを迎えたら収束すると読んでいたため、異変が収まるまでやり過ごすことを選ぶことができた。
ほとんど預言者である。一介の教師にしておくのが実に惜しい。

若妻アルマ

妻アルマはエリオットと喧嘩で別居しているのか、最初はとても感じが悪い。
しかし異変が進むにつれ、エリオットを再び信頼するようになる。
別居中にデートをしていた同僚の男性に付き纏われている描写があり、しつこい電話にうんざりとしていた。
なお、このデート相手の男性は声のみの出演だが、ナイト・シャマラン監督自身である。

アルマは全体的に自分勝手な女性でとても感じが悪いが、エリオットの親友ジュリアンの娘ジェスと関わるうち、次第には母親のような存在へと変化していく。
ラストはジュリアンが異変で死亡したためエリオットとアルマはジェスを預かり、家族のように暮らしているところでハッピーエンド。
異変の中で、次第に家族のようになっていく3者の関係にも注目だ。

どうでもいいが、見た目40−50代のエリオットに対し、アルマは20代前半に見える。
アルマとジェスは姉妹に見えるほどで、結婚の背景が気になってしょうがない。

蜂群崩壊症候群

蜂群崩壊症候群 (CCD)はミツバチか巣から突然いなくなる現象で、不思議なことにミツバチの死骸が見られないのが特徴。
殺虫剤や免疫不全など様々な原因が考えられているが、いまだ究明できていない怪現象。

劇中でエリオットが「なぜミツバチは突然いなくなった」と生徒に問いかけているが、この現象のことで、本作では重要な要素になっている。

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