2020年製作のオーストラリア映画
主演者はコディ・スミット=マクフィー, ライアン・クワンテン, アーロン・グレナ
植物が絶滅し、酸素がなくなった地球を救うため未来へ旅立つSF映画
こんな人にオススメ!
・タイムパラドックスな謎解きが好き
・リアリティある未来像
・荒廃した近未来が見たい
プライムビデオ「2067」が5分でわかる!【ネタバレあり】
あらすじ
未来からのメッセージ
2067年、地球の環境は破壊され、人々は人工酸素なしで生活できなくなっていた。
しかし、人々の体は人工酸素に拒絶反応を示すようになっており、多くの人が命を落としていた。
人工酸素のメーカークロニコープ社に勤めるイーサンは社長に呼び出され、イーサンの父が研究していてたタイムマシン、ポータルで未来に行くよう依頼される。
ポータルには「イーサンを送れ」と未来からメッセージが来ており、未来の誰かがイーサンを呼んでいるようだった。
イーサンは、拒絶反応の治療薬を未来に調べに行くのだが、帰り方は分からず、その旅は片道切符だった。
自分の白骨死体の死因は?
妻ザンティの説得で未来に行くことを決めたイーサンがポータルを潜るとそこは森だった。
ガイド端末アーチーの案内で付近の建物に向かったイーサンは、そこで頭を撃たれて死んだ白骨死体を見つけ、スーツの名前から自身の死体であることが明らかになる。
イーサンの腕輪は子供のころ父親につけられたもので、この死体も同じ腕輪をしていた。
自身が2474年に着いたことを知ったイーサンは、同じ時代から追いかけてきた同僚のジュードと出会う。
緊急ビーコンが出ていることに気がついた二人は、この時代の治療薬を求め何かの建物にたどり着く。
この建物ははじめからイーサンが来るのを見越しており、彼の腕輪からDNAサンプルを採取すると、イーサンがこの時代に来るのに使ったのと同じポータルが現れた。
このポータルで元の時代に戻れることはわかったが、イーサンの腕輪のランプは赤から緑に変わっており、イーサンの死体が身につけていた腕輪と同じ状態になっていた。
イーサンは未来のイーサンも同じ事をして失敗したと考え、ポータルのログを調べる。
そのログにはイーサンの父リチャードの姿が映っており、かつてリチャードはこのポータルで2467年と対話し、「イーサンを送れ」というメッセージを受け取っていた事を知る。
ポータルは電力不足で、時間内に直さなければ核爆発が起こるという。
電源ユニットに向かう途中、二人は滅んだ街にたどり着く。
そこでは植物が高層ビルを巻き込んで育っており、大量の白骨死体から結局人類が助からず滅んだことを悟る。
さらにイーサンは学校跡地で教師だった妻の死体を見つけ、その手にはイーサンが未来に行く前に手渡したメッセージが握られていた。
さらに未来のイーサンが持っていたアーチーの録音からイーサンはジュードに殺されたことがわかる。
ジュードの疑惑
核爆発の時間が迫る中、電源ユニットの様子を見にいくと、電源はすでに壊れていた。
イーサンが緊急用のブレーカーを落とすことで修理するが、部屋は減圧されており、その場に倒れたところをジュードが救う。
ポータルに戻るとタイムワープまでの時間は十分に残っていたが、そこで自分の死体が変わらず存在しているのに気が付き、イーサンは元の時代に戻った途端ジュードに殺されると考える。
ジュードを閉じ込め、ポータルの記録を探ると父リチャードの記録が見つかる。
リチャードは社長が未来の治療薬になど興味がなく、実は自分一人逃げることを目論んでいることを看破していた。
リチャードは社長と対立したために殺され、リチャードが未来側でのポータル起動にイーサンのDNAが必要なよう細工したため、そのキーとなるイーサンは子供の頃からジュードに保護されていたことを知る。
ジュードはイーサンに襲いかかるが、それでもジュードを信じるイーサンを目の当たりにして拳銃で自殺する。
変わる未来
その頃2067年では、社長が友人数名を連れてポータルを開き、イーサンが戻ったら撃ち殺すよう指示していた。
イーサンは過去のリチャードに「イーサンを送れ」とメッセージを送り、2067年に大量の植物を送ってから自身は未来に残り、ポータルを破壊した。
その後、2067年では大量の植物を隠し持っていた罪で社長は逮捕され、イーサンの妻ザンティのもとには一輪の花が届く。
未来の世界ではイーサンの死体が消え、人類と植物が共生する街ができているのだった。
レビュー・考察
タイムワープもの。
登場人物の思惑と時系列が複雑なので少し整理すると
1.イーサンの幼少時時代
1.1父リチャードがポータルを完成させ、未来に酸素があることを証明、同時に「イーサンを送れ」というメッセージを受け取る。
1.2リチャード未来のポータル起動キーに、イーサンのDNAを登録。子供のイーサンにDNA採取用の腕輪を付けさせる。
1.3「イーサンを送れ」というメッセージの解読を目指すリチャードと、人類に未来などなく自身だけポータルで逃げようとする社長が対立、リチャードが撃ち殺される。
1.4リチャードの妻も殺され、ポータルの鍵となったイーサンをジュードが保護する。
2.2067年
2.1大人になったイーサンは、社長に呼び出され、ポータルで未来の治療薬を取りに行く依頼を受ける。(映画のスタート)
2.2社長は、未来でポータルを起動し用済みとなったイーサンが未来から戻ってきたら殺すよう指示し、友人らとポータルを使おうとする。
2.3ポータルに大量の植物が未来から届き、ポータルは使用不能に、社長が逮捕される。
3.2467年:人類が全滅した世界線
3.1イーサンはDNAで未来のポータルを起動するが、そのそばで射殺された自分の白骨死体を見つける。
3.2アーチーの録音からジュードに殺されたと誤解する。
3.3ジュード自分がイーサンを殺さないよう自殺してイーサンを守る。
3.4イーサン過去に「イーサンを送れ」のメーセージを送る。さらに大量の植物と妻に花を送って、ポータルを破壊。過去には戻らずこの時代に留まる➡︎未来が変化。
4.2467年:人類が生き延びた世界線
4.1イーサンが植物を送ったため未来が変わり、イーサンの白骨死体が消滅。イーサンは人類が植物と共生した社会を目にする。
イーサンは母の死の原因は家に戻ってこなかった父のせいだと考えていたが、家に帰ってこなかったのは、人類の未来を賭けた研究をしていたためとわかる。
さらにイーサン自身をポータルの起動キーにすることで、その身を守っていたという話。
子供のイーサンが父に相手にされず、痛々しい腕輪まで付けれるシーンは哀れを誘うが、全てはイーサンのためだったとわかって鳥肌。
イーサンの保護者をすることになったジュードも最後までイーサンを守り抜き、人類が滅んだ世界線でイーサンを殺した黒幕は社長であることがわかる。
簡単に他人を判断してはいけないよという好例である。
というか社長が基本酷すぎる…この社長どういうわけか、見た目社長というかほぼその辺の主婦である。
やはり見た目で他人を判断してはいけないという戒めがこもっているのだろうか??
2067年のスマホに搭載されたAIアーチーの進化っぷりが妙にリアル。
未来で自分の白骨死体を見つけたイーサンがどうなっての?と尋ねると「タイムトラベルは私でも苦手です」とかはぐらかした答えを返してくる。
この噛み合わない感は、野営することになったイーサンが、アーチーに火の起こし方を教わるシーンでも発揮される。
ホログラムで教えてくれるとこまで進化したのはいいが、悪戦苦闘するイーサンにひたすら「easy easy」と無機質な応援を繰り返す。
もしかしたら経験おありかもしれないが、まさに私たちがアレクサとやっているやりとりそのもの、微妙にイラッとするやつである。
あと50年余りで、自然は滅ぶほど衰えたのに、AIはこの程度しか進歩しないあたりに妙なリアリティを感じる。
コメント
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