2020年のアメリカ映画
主演者はゾーイ・コレッティ, マイケル・ガーザ, ガブリエル・ラッシュ
全米から集めた怪談を映像化したホラー映画
こんな人にオススメ!
・学校の怪談が好き
・ギレルモ・デル・トロのファン
・この世で一番怖いのは…だと思う
映画「スケアリーストーリーズ怖い本」が5分でわかる!
あらすじ
・幽霊屋敷
学生のステラは、チャックとオギーの旧友3人で送る最後のハロウィンを迎えていた。
思い思いの仮装をしたステラたちは、ならずもののトミーたちの車にいたずらを仕掛ける。
怒ったトミーはステラたちを追いかけ、追い詰められたステラたちは見知らぬ男の車に逃げ込む。
車にいた男はラモンと名乗り、ステラはラモンを森の中の幽霊屋敷に誘う。
その屋敷では、はかつてサラという少女が監禁されていた。
監禁されたサラは壁越しに怖い話を語り、彼女の周囲では失踪する児童が相次いだという。
児童たちはサラに毒殺されたと言われており、サラは警察に捕まる前に自身の髪の毛で首を吊って亡くなっていた。
オギーとふざけていたチャックがサラの部屋の押し入れに隠れると、部屋はいつの間にか往時の華麗な姿になっており、そこには一人の老婆が座っていた。
チャックが再び扉を開いた時には元の廃墟に戻っており、気味が悪くなった一行は屋敷から出ることにする。
屋敷から出る際、ステラはサラが書いた怖い話の本を見つけ、それを密かに持ち帰ってしまう。
・消えていく人たち
ステラが怖い話の本を読んでいると、その1ページにトミーとトミーの家の畑にあるカカシのハロルドのことが書いてあった。
その時トミーは、親に頼まれ農場に卵を取りに行っていた。
いつも通る道なのにトミーは畑から出られなくなり、突然動き出したカカシのハロルドに襲われ、トミーはカカシにされてしまう。
サラの本にはトミーに起こったことが全て書いてあり、不気味に感じたステラは本を屋敷に戻す。
しかしサラの本はいつの間にかステラの部屋に戻っており、その新たなページに血文字で物語が書かれ始める。
その話はオギーが足指のシチューを食べる話で、ステラが急いで連絡を取るも、オギーは目の前にあったシチューを食べてしまう。
するとオギーに足指を返せという声が聞こえてきて、オギーは突如現れた化け物にベッドの下に引き摺り込まれ行方不明になる。
・本当のサラ
ステラたちが図書館で往時のことを調べると、サラの家族は事件後1年で全員いなくなっていたことがわかる。
その時、本に新たなる1ページが書かれ始め、次はチャックの姉ルーシーが狙われていることがわかる。
ルーシーはトミーと付き合っており、ステラたちが屋敷に行った時、一緒に屋敷にいたのだ。
ルーシーが蜘蛛に噛まれた跡から次々と蜘蛛が這い出てくる。そこにステラたちが現れルーシーを助けたため、ルーシーは一命を取り留める。
ステラたちはサラが入院していた病院で資料の閲覧を希望するが、正式な手続きには6週間かかるため、病院に忍び込み資料を探すことにする。
赤い部屋でサラの記録を見つけたステラとラモンは、サラの主治医はサラの兄で、兄がサラを拷問していたことを知る。
サラの証言を録音したテープを再生すると、児童が死亡したのは兄たちが経営していた製紙工場から流れ出た水銀が原因で、サラは拷問で自白を強要されていたことがわかる。
その時サラの本に新たな物語が書かれ、チャックの前に真っ白な人型の怪物が現れる。
怪物はチャックを抱き締めると体内に取り込み、ステラとラモンがチャックの元に来たときにはすでに影も形もなかった。
・真実の物語
警察に捕まったステラとラモンは取り調べを受け、警察署内に収監される。
その夜、取り調べをおこなっていた警官の前にバラバラ死体のゾンビが現れ、命を落とす。
実はラモンは兄はベトナム戦争でバラバラになって死亡しており、それに恐怖したラモンは徴兵から逃れていた。
ゾンビはラモンの兄で、ラモンを卑怯者と罵りながら追いかけてきたので、ラモンはパトカーを奪って逃げる。
ステラは屋敷に戻り、サラに物語を書くのをやめるよう語りかける。
すると廃墟だった屋敷は一瞬で往時の華麗な姿に戻り、ステラは昔の屋敷にワープする。
ラモンも屋敷にくるがラモンが入れたのは現在の廃墟の屋敷で、そこにはステラが落としたサラの本だけが残されていた。
サラの本には新たな物語が書かれ始めており、ラモンは兄のゾンビに追いかけられながらステラを探して屋敷内を走り回る。
ステラはダイニングでサラの家族に捕まり、サラと同じように地下室に監禁される。
その地下室にサラが現れ、ステラはサラの真実の物語を描くことを約束し、怒りを鎮めるよう頼む。
サラはステラに自身の血で本に物語を書くよう要求し、ステラはサラが真実に気づいて家族に濡れ衣を着せられたことを書く。
サラが絶叫すると屋敷は廃墟に戻り、兄のゾンビも消えてなくなった。
その後ステラはサラの真相を書いて発表、ラモンはベトナム戦争に徴兵される。
ステラはサラから決して諦めないことを学び、行方不明になったチャックとオギーを探し続けるのだった。
レビュー・考察
恐怖の物語が勝手に書かれるスケアリーストーリーズ。
呪われたこの本に書かれた物語は必ず現実のものとなり、その度に人が消えていく。
・ハロルド
畑のカカシの話。トミーはこのカカシを嫌っており、蹴飛ばしていたら動き出し刺され行方不明になる。
・大きなつま先
シチューの話。オギーは両親が旅行で留守の間、家にあったシチューを食べる。
すると指を返せと聞こえるようになり、怪物に襲われて行方不明になる。
・赤い点
蜘蛛に噛まれた跡から、次々と蜘蛛が這い出てくる話。
唯一の生還者。
・赤い部屋
真っ赤な照明の灯った病院の話。そこには誰もおらず、どこに行っても真っ白な太った女性のような怪物がいる。
怪物に取り込まれチャックが行方不明になる。
10代の間で語られる物語なので、日本でいう学校の怪談みたいなものだろう。
基本何かに襲われて行方不明になるのが特徴で、この辺が日米の文化の違いだろうか?
割と攻撃がダイレクト。
赤い部屋の怪物だけが、なぜか異様にユーモラス。
ただの太ったおばちゃんにしか見えない。
確かに太ったおばちゃんに無言で圧迫されるのは恐怖かもしれないが、関西人ならギャグにしてしまいそうである。
これを恐怖と感じるかギャグと感じるかで、あなたのものの見方がわかるかもしれない。
ぜひ一度お試しあれ。
怪談集なのだが、そこからひねりが加えてありこの映画を魅力的にしている。
サラは児童を毒殺したとされ、恐怖の対象となっていたが、映画中盤で実は無実であることがわかる。
サラの家族が、垂れ流した水銀で児童を殺してしまったのを隠蔽するため、サラを拷問して罪を被せていたのだ。
あらゆる怪談より、この話が一番怖い。事実は小説より奇なりである。
サラはこの世に残した無念を晴らすため怖い話を書き続けており、ステラがその無念を晴らす。
ステラはサラから決して諦めないことを学んだらしいが、学ぶものが間違っているような気がしなくもない。
本作の原案はギレルモ・デル・トロ。
彼らしい独特の怖さは代表作パンズラビリンスでぜひ味わってほしい。