残酷な世界で生きる、その意味を問うダークファンタジー「パンズラビリンス」

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時は二次大戦中のスペイン、独裁政権が幅を利かせレジスタンスがそれに対抗していた。
父を亡くした少女オフェリアは、再婚相手の子を身ごもった母と、義父の元に引き取られて行った。
義父は独裁政権下のビダル大尉で、産まれてくる子供のことしか頭になく、オフェリアには冷たい。
ある時、オフェリアは妖精の導きにより森の奥へ誘われる。
そこにはヤギのような頭をしたパンが待っており、オフェリアは実は地下の世界の王女で三つの試練を越えたら王国へ帰れると言い、パンはオフェリアに一冊の本を手渡す。
そうしている間にもビダル大尉は冷酷なレジスタンス狩りを行うのだった…

優しい両親と暮らしていたオフェリア、内戦で父を亡くした彼女は冷酷な義父に引き取られ生活はどんどん息苦しくなる。
母親も大尉も明らかに愛し合ってはいない、彼らも大人の事情でいるだけだ。
世界は残酷で、無慈悲なレジスタンス狩りが今日も行われている。
そんなオフェリアが手にした一冊の本、ここからオフェリアは新たな世界を得ることになる。
うーんこう見ると夢のある話だなぁ〜、ここからオフェリアは幸せになるのね⁉️という希望を感じさせる。

でもよく考えてほしい、これって冷酷な経営者に潰される労働者がネットゲームで自分の世界に引きこもるのと同じじゃねwww
いやでもいいか、ネットゲーム世界で英雄になるのも一つの幸せだわな。
現実世界でエライと言われるのが、必ずしも本人の幸せとは限らないしね!
とりあえず日本人は死ぬまで我慢するのを美徳とするのやめようか。

パンがオフェリアに課した三つの試練がとても興味深い。
明確にこそされないが、それぞれ意味があるような気がする。
例えば一つ目の試練では母親にもらったかわいい服と靴を汚す覚悟が試されており、これはオフェリアがこの世に残す唯一の希望である母親と決別できるかを暗示しているように思える。
別の世界を望むなら、まず現在を全て捨て去ることを決めなければならないことが示されていそうね。

試練で登場するクリーチャーもなかなかグロい。
質感が見事で、生き物のグロい部分を的確に抽出している。
でももっとグロいものがこの映画にはある。
それは、ビラル大尉によるレジスタンス狩りだ、それほどまでにこの世は残酷だ。

残酷で冷酷な世界に打ち勝つためには、何をすればよかったのか?
答えはみんなの目で確かめて、それぞれで出してほしい。
そんなことを考えたくなる一本だ。

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