もっとがんばれ!おとん!
2009年のアメリカ映画
主演者はヴェラ・ファーミガ、ピーター・サースガード、イザベル・ファーマン
養子を引き取った家族がその仲を引き裂かれるホラー
こんな人にオススメ!
・可愛い幼女が見たい
・どす黒おばちゃん怖い
・亡霊もクリーチャーも出ないホラーが見たい
プライムビデオ「エスター」が5分でわかる!
あらすじ
・養子エスター
娘ジェシカの死産を経験したケイトは、かつてのアルコール依存症から抜け出し、養子を引き取る資格を得る。
ケイトと夫ジョンには実子の長男ダニエルと長女マックスがおり、マックスは生まれつき難聴だった。
ジョンとケイトは孤児院でロシア出身の前向きな少女エスターと出会うが、エスターはいつも首と手首にリボンを巻いており決して外そうとはしなかった。
エスターはアメリカに移住した直後に養親を火事で失っており、ケイトとジョンは賢く礼儀正しいエスターを養子に迎える。
エスターはジョンにはよく懐いていたが、ケイトには口答えするなど反抗するような仕草を見せるようになる。
さらに凍った池での遊ぶのを禁じられていたにもかかわらず遊んだり、瀕死の鳥にこともなげにとどめを刺したりと奇怪な行動が目立つようになる。
ケイトはエスターの部屋のタンスの中に黒い聖書があり、その中にジョンの写真が挟まっているのを見つける。
エスターは学校で黒い聖書を持っているのを同級生のブレンダにからかわれ、首のリボンに触られそうになったことで絶叫し取り乱す。
ケイトはエスターにかつて死産したジェシカのことを聞き、その灰を巻いた花壇に白い薔薇を育てていることを話す。
・悪意の萌芽
公園で遊んでいたエスターは、ブレンダをすべり台から突き落として怪我をさせるが事故だったと嘘をつく。
ダニエルとエスターは折り合いが悪く、家庭は次第に険悪な空気が流れ始める。
かつての孤児院のシスターから電話をもらったケイトは、エスターの異常な行動を相談する。
エスターのケイトへの態度はさらに反抗的になり、ジョンの浮気をほのめかして夫婦喧嘩を誘発する。
そんな時、孤児院のシスターがケイトとジョンの家を訪れる。
エスターがトラブルを引き寄せるとシスターは話し、養親が火事で亡くなった事件も調べると原因は放火だった。
エスターはマックスをそそのかし、シスターが車で帰る道上にマックスを突き飛ばす。
ハンドル操作を誤まったシスターが車から出てきたところを、エスターがハンマーで殴り殺す。
エスターは凶器のハンマーをツリーハウスに隠し、マックスを脅迫して口止めする。
さらにツリーハウスから出てくるところをダニエルに目撃されたので、深夜カッターを喉元に突きつけ口止めする。
・孤立するケイト
ジョンとケイトはエスターのことでカウンセラーに相談するが、カウンセラーはエスターを褒め、環境の整備の方が必要と話す。
ケイトはネットで人格障害の事例を調べ、ジョンに人を操りカウンセラーを欺いた事例もあることを話すが、ジョンは信じない。
ケイトはダニエルとマックスにエスターのことを尋ねるが、脅迫されている二人は何も答えない。
エスターの悪意は加速し、ケイトにジェシカの薔薇を切ってプレゼント、ケイトはジェシカの墓標の前で悲しみに暮れる。
この時ケイトに腕を掴まれたエスターは、密かに自分の腕を万力で折り、あたかもケイトのせいで骨折したかのようにジョンに話す。
辛いことが相次いだケイトは、やめていた酒を買ってしまう。
しかし、飲む直前で思いとどまりワインを流しに捨てる。
それでもエスターの悪意は止まることなく、ケイトが運転席から出た隙に車を操作し、マックスが車内に残った車を暴走させる。
車は幸運にも雪にぶつかって止まったが、一歩間違えればマックスが死亡するところだった。
ジョンはケイトが買ってきたワインを見つけ、ケイトを施設に入れようとする。
ケイトはかつてマックスが池で溺れそうになって以来、酒は飲んでいないと力説するが、ジョンはケイトを信じず施設に入れることを決めてしまう。
実は、エスターはケイトの日記を盗み見しており、秘密の全てを知っていたのだ。
・エスターの正体
ケイトは、エスターの前の養子縁組に記録がないことを聞き、手がかりを求めてエスターの大事にしていた聖書を探す。
そこにはサールンという名が入っており、ネットで調べると精神病院の名前だった。
ダニエルはエスターがツリーハウスに隠したシスター殺しの証拠を見つける。
しかしエスターは証拠隠滅のためツリーハウスに放火、ダニエルはツリーハウスから落下して気を失う。
ダニエルに止めを刺そうとしたエスターをマックスが突き飛ばし、ダニエルは一命を取り留めるが大怪我をして入院することになる。
昏睡するダニエルの病室に忍び込んだエスターは、ダニエルの人工呼吸器を外し窒息死させようとする。
ケイトはエスターが殺そうとしたと察知しエスターを叩くが、病院のスタッフに鎮静剤を打たれて入院する。
疲れ切ったジョンが家でひとり酒に酔っていると、化粧をしドレスを着たエスターが誘惑してくるがジョンは突き放す。
ケイトの元にはサールンの病院から電話が入り、エスターが実はホルモン異常で成長しない大人の女であることが明らかになる。
エスターはその容姿を利用して子供として過ごし、各地で養子となっては家族を殺して回っていた。
エスターの首と手首の下には、その凶暴さを抑えるためかつて付けられた拘束具の跡が残っていた。
このことを知ったケイトは自宅に連絡を取ろうとするが、ジョンは電話に出れずエスターに刺し殺される。
自宅に戻ったケイトはジョンの亡骸と対面し、家にいるはずのマックスを探すがどこにもいない。
一方エスターは拳銃を取り出しケイトとマックスを亡き者にしようと探す。
温室でマックスを見つけたエスターはその姿を追うが、天井のガラスを割ってケイトがエスターに掴みかかったのでエスターは気を失って倒れる。
ケイトは泣きじゃくるマックスを抱いて雪の中外に出るが、目を覚ましたエスターが背後からケイトに斬りかかり、凍った池で格闘になる。
池の氷は割れ、ケイトとエスターは真冬の池で格闘になるが、最後はケイトがエスターを池に蹴落とし、ケトとマックスは警察に救助される。
レビュー・考察
みなさん幼女は好きですか?
この映画は、幼女と思って引き取ったら、実はゴスロリおばちゃんだってござる…というホラーです。
体はこども、頭脳は大人!
ゴスロリおばちゃんの目的はケイトとジョンの仲を引き裂き、ジョンを誘惑すること。
幼女の強みを生かしてジョンには可愛く弱いものを振る舞いつつも、ケイトへは容赦ない精神攻撃を加えていく。
ピアノを弾けないふりをして、お前のために教わってやったのよとか、死産した娘の薔薇を全て切ったりと、常に誰かのせいにできる状況を作るながら無知を装って悪意を撒き散らす。
その極め付けはケイトの日記の朗読、これはキツい…
それでも諦めずにエスターの正体を探るケイト。
エスターの聖書から精神病院を突き止め、事態の解決につなげることができた。
その間夫のジョンは、ケイトのいうことを全く信じず、あろうことかケイトを施設に隔離しようとすらする。
自分で隔離しようとしていて、家族がバラバラになってしまったと嘆くあたり、まずは自分の無能に気づいて欲しい。
最後にはエスターを拒絶して刺し殺される。
人を見る目がなかったのが敗因。
自分の同意見の者、媚びてくる者が味方とは限らない好例である。
ジョンに拒絶され、泣き腫らした後のエスターがただの人間なのに完全にホラー。
子供の仮面を捨て、どす黒いオーラを溜め込んだ悪意の塊と化してしまう。
亡霊でもクリーチャーでもないただのおばちゃんが、それらよりよっぽど怖いのがすごい。
いやむしろただのおばちゃんだからこそ、家族の内部から破壊しつくし、亡霊の悪意とクリーチャーの殺傷力を兼ね備えた化け物になれたとすら言える。
つまり人間が一番怖い。
ケイト殺すの執念も凄まじく、凍った池に溺れてもなおケイトを水底に沈めようと足掻いてくる。
とはいえ体が子供だったのが敗因となり、ケイトの顔面キックであえなく撃沈。
凍った湖に沈むことになる。
こういう人って死後も怨念となって、人に迷惑かけそうだからきちんと弔ってほしい。
そういう続編も王道ホラーで面白そうだけどね!
リアル幼女でありながら、どす黒おばちゃんの演技をやってのけたイザベル・ファーマンの演技力がすごい。
表情の変化で表現するのが巧みなのよね。そんなとこにも注目して見て欲しい!
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