【閉じた過去】映画「ダーク・プレイス」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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明かされた暗い真相

2015年のアメリカ映画
出演者はシャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、クリスティーナ・ヘンドリックス
28年前の惨殺事件の謎を明かすサスペンス

こんな人にオススメ!
・謎を解き明かす話が好き
・暗い話でも大丈夫
・メタルとか聞いちゃう

プライムビデオ「ダーク・プレイス」が5分でわかる!

あらすじ

カンザス一家惨殺事件

28年前、母と2人の姉を兄ベンに殺され孤独に生きる女リビー。
一家惨殺事件の遺児として寄付で生きてきた彼女は、あるときライルという男に出会い、探偵たちのクラブに出て欲しいと依頼される。

クラブはリビーの証言だけでベンが有罪となったという見方が強く、犯人は父親ラナーであると考えていた。
クラブはベン釈放のための証拠を求めており、リビーはライルの依頼を引き受け金と引き換えに事件を調べることにする。

リビーは事件後逮捕され、刑務所に服役している兄ベンと面会する。
ベンは昔の恋人の話など他愛のない話をし、自身の無実を主張する。

ダークプレイス

ベンには事件の当時、ベンの子を妊娠した恋人がいたが、複数の少女に性的なイタズラしたとして警察の調べを受けていた。
当時ベンにイタズラされたと告発した少女クリシーの現在の居場所をリビーは突き止め、ライルと会いに行く。
しかしクリシーからは大した情報は得られず、リビーは自身の住所を渡して別れる。

事件を調べるうち、リビーは事件の日に母が愛してると話していたことを思い出す。
滅多に言わない言葉なので危険な思い出『ダークプレイス』として記憶に止める。

さらにリビーは事件で亡くなった姉ミッシェルの日記にベンの恋人を貶す内容が書かれており、かつてのベンの恋人ディオンドラの存在を知る。
次にリビーは、穀潰しだった父ラナーの居場所を突き止め会いに行く。
ラナーは有害廃棄物場の住んでおり、恋人ディオンドラを探すよう言われる。

明かされる真相

そんな時、クリシーがリビーに会いにくる。
クリシーはかつてベンに憧れており、ベンが性的なイタズラをしたとありもしないことをでっち上げたことを告白する。

リビーはディオンドラの現在の居場所を突き止め会いに行く。
ディオンドラは事件の日現場にいたにも関わらず、ベンが警察に黙秘を貫いたので難を逃れていた。
そこにライルから連絡が入り、リビーの母親はベンの弁護費用を稼ぐため、ディールという男に自身を殺すよう依頼し保険金を捻出しようとしていたことがわかる。

そして事件の日、ディールは依頼通り母親を殺すが、リビーの姉デビーに見つかったのでデビーも殺す。
そこにはベンとディオンドラも家から金を奪うために来ていたが、ミッシェルに見つかったためディオンドラは絞め殺してしていた。
現在のディオンドラには娘がおり、リビーはこの母娘に殺されそうになるがライルの助けでことなきを得る。

暗い28年間の終わり

事件の全容が明らかとなり、ディオンドラとディールは逮捕。
ベンは、ディオンドラと娘のために28年間事件の真相を隠し続けていたが、釈放されることになる。

リビーはベンと会い、事件に振り回される一生に別れを告げ、お互い他人として新たな人生を歩むことにするのだった。

レビュー・考察

暗い暗い悲劇の話。舞台は1985アメリカ農村部。この時代、アメリカは深刻な農業不況に見舞われており、農地を営むリビーの一家にもその影響は深刻に現れていた。
また、当時は悪魔崇拝が若者の間でブームであり、悪魔崇拝者と見なされればまともな審理もなく重い刑が科せられた次第でもあった。

そんな時、クリシーがベンから性的なイタズラをされたと嘘の証言をする。
証言しか証拠はなかったが、ベンが悪魔崇拝に傾倒していたため状況はきわめて不利だった。
さらに不幸なのは、ベンの母がベンの部屋で女物の衣服を見つけたこと。
それはベンからディオンドラへのプレゼントだったが、母親はイタズラの証拠と勘違いしてしまったのだ。

農地のローンも支払いが厳しく差し押さえが現実味を帯びる。
さらにベンに多額の弁護費用が必要になったことが引き金となり、母親は自身を殺してもらい保険金を捻出することをディールに依頼する。

一家惨殺事件の真相はこの通りだったが、ベンは妊娠した恋人ディオンドラがミッシェル殺しに関与していたので、全ての罪を被って服役する。
やはり悪魔崇拝者だったことが決め手となり、リビーの嘘の証言だけで逮捕されたのだ。

結果ベンは28年間服役し、リビーは自叙伝や寄付で生活することになる。
ディオンドラはベンとの娘クリスタルを生み、隠れて暮らす。

なんとも胸糞悪い話ではあるが、最後はきっちり真相が明らかになる。
ベンはディオンドラのために真相を闇に葬っていたが、最後はディオンドラが逮捕されベンは釈放される。
この結末にベンは何を思うのだろうか?

視聴者目線では、どう見ても素直にディオンドラが逮捕され、ベンが子育てしたほうがうまくいった気しかしないだけに後味が悪い。

リビーは自身の嘘でベンが逮捕された重荷から解放され、新たな日々を始めるところで映画は終わる。
ベンにはもう寄るべきところがないのに、リビーが他人と突っぱねるあたり冷たい。

なんともスッキリしない話だが、なぜか引き込まれるサスペンス。
その秘訣は、キャストにある。

主演のシャーリーズ・セロンの父はアルコール依存症だった。
15歳の時、酔った父親に暴力を振るわれ、銃で発砲されたところを母親が撃ち殺すという事件が起こる。
この映画の父親ラナーもクズの穀潰しで、ギャンブルで借金を作っていた。
一家が困窮した一番の原因であり、ある意味真の犯人とも言える。

このキャストをした監督と引き受けたシャーリーズ・セロンにあっぱれと言わざるを得ない。

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