【はじめてのおとまり】映画「VISIT」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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その人誰ですか?

2015年のアメリカ映画
主演者はオリビア・デヨング, エド・オクセンボールド, キャスリーン・ハー
孫たちが、ちょっと変わった祖父母の家に宿泊するホラー

こんな人にオススメ!
・怪異のいないホラーが見たい
・アットホームなホラーが見たい
・本当に怖いのは人間だ

プライムビデオ「VISIT」が5分でわかる!

あらすじ

おかしな祖父母

ベッカとタイラーの姉弟は、かつて母が家出した祖父母の家に1週間泊まりに行くことになる。
田舎駅に着いた姉弟を優しそうな祖父母が迎え、二人は母が育った家を訪れる。

ベッカはこの訪問をドキュメンタリーにすべく、一連の行動をビデオで撮影することにする。
その夜、ベッカがクッキーを盗み食いしにキッチンに向かう途中、祖母がしきりに嘔吐しているのを見かける。

翌火曜日の朝、姉弟は建物の床下でかくれんぼをしていたが、そこに祖母が四足歩行で迫ってきたので腰をぬかさんばかりに驚く。
昼ごろ、タイラーは祖父の小屋に勝手に入り、排泄物のついた大量のおむつを見つける。
祖父は失禁症で、そのことを隠すために小屋に置いていると祖母はタイラーに教える。

姉弟は祖父に連れられ母の母校を尋ねるが、通行人に尾行されていると勘違いした祖父が掴みかかって騒ぎになる。
その夜、姉弟の部屋の前に誰かいるのを感じたタイラーがドアを開けると、祖母が全裸で壁を引っ掻いていた。

垣間見える狂気

水曜日、祖父に祖母のことを尋ねると、祖母は夜間に認知症になる病気を患っており、夜9時30分以降は部屋を出ないよう言われる。
タイラーは母に連絡し、祖父母がおかしいことを話すが、母は昔から変人夫婦だったと笑い飛ばす。

ベッカは祖母に母が家出した時のことをインタビューするが、途端に祖母の様子がおかしくなったのでやめる。
その夜、妙な音がするのでタイラーがドアを開けると、祖母が廊下を四つん這いで走り回っていた。

木曜日、祖父母の日常を撮ろうとベッカがリビングに行くと、祖母は一人で哄笑しており、暗闇さんを閉じ込めるには笑う必要があると訳のわからないことを言う。
深夜、徘徊を始めた祖母は、姉弟がリビングに仕掛けた隠しカメラを見つけ、包丁片手に姉弟の部屋に向かう。

正体

金曜日、結局祖母はカメラを元の位置に戻しており、姉弟は祖父母を避けて帰る支度を始める。
ベッカは祖母にインタビューをして、母のことを例え話にして尋ねる。
祖母から母を許すと話が出たので、母に連絡して車ですぐに迎えにきて欲しいと頼む。

スカイプで祖父母の姿を母に見せると、それは祖父母ではないと言う。
母は警察に電話をするも誰も出ず、慌てて車で姉弟を迎えに向かう。

夜になり、祖父母は最後の晩をゲームで過ごそうと言い始める。
ゲームの途中で中座したベッカは、立ち入りを禁じられた地下室を探る。

地下室のゴミ捨て場には本物の祖父母の写真と精神病院の着衣があり、さらに本物の祖父母の死体が入っていた。
祖父母は精神病院の患者で、本物の祖父母とすり替わっていたのだ。

赦し

祖父は姉弟を井戸に沈めてシモンフィテリア星に送るといい、ベッカを祖母の部屋に監禁する。
タイラーは祖父に攻撃され身動きが取れなくなり、祖父から汚物を顔を塗りつけられる。

祖母に襲われたベッカは割れた鏡で祖母を刺し殺し、鍵を壊して脱出する。
脱出したベッカは祖父を背後から襲い、倒れたところをタイラーがとどめを刺す。

外に出ると母が警察と迎えにきており、親子は再会を喜び合う。
後日ベッカは母に家出の日のことをインタビューをし、ベッカが祖母から赦しの言葉をもらったことに感動する。
そして母はベッカに怒りを忘れるよう諭すのだった。

レビュー・考察

15年も音信不通だった祖父母の元にこども二人を預ける話。
預けた母親はシングルマザーで、恋人と旅行に行くためお泊まりにはついてこない。

姉のベッカがこのお泊まりをドキュメンターにするため常にホームビデオで撮影している。
そのため度々ホームビデオ視点になるのが、いいホラー要素を出している。
神の視点で語られていないから安心感がいい意味でない。

印象的なのは、終盤タイラーが頭に怪我を負って倒れているのがアップで映り、その背後をベッカが祖父に連れ去られるシーン。
どうにかしたいのにどうにもできないもどかしさは、定点カメラならでは表現方法。
神の不在による絶望感がよく出ている。

また、カメラをハンディで撮っているシーンでは一人称視点でホラーできる。
ベッカが祖母と二人で真っ暗な部屋に閉じ込められたシーンなんてほとんどバイオハザードである。
ベッカが鏡に顔面叩きつけられても壊れないカメラが頑丈すぎる…

さて、結論から言うと祖父母は精神病院の患者だった別の人物にすり替わっており、本物の祖父母はすでに殺されている。
こども二人は祖父母の初対面で、唯一面識のある母親がついてこなかったから誰も気が付かなかったのだ。

すり変わった祖父は、失禁症で、パーティの予定があると思い込んでいる。
祖母は、夜認知症になる日没症候群で、夜間に全裸で壁を掻いたり、四つ足で走り回ったり狂気に満ちている。
祖父母はかつて自分の子供をシモンフィテリア星に送ると言って水底に沈めており、ベッカとタイラーも同じ運命を辿らせようとしている。

基本的には哀れな精神病の患者なのだが、単純なホラーの対象になってしまっている。
映画としては面白いが、障碍者への偏見に繋がらないかちょっと心配。

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