【壮大な勘違い】映画「ザ・ハント」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2020年のアメリカ映画
出演者はベティ・ギルピン、エマ・ロバーツ、アイク・バリンホルツ
デスゲームに集められた人々が反撃するアクションスリラー

こんな人にオススメ!
・美女無双がみたい
・予想外の展開が好き
・富裕層は悪だと思う

映画「ザ・ハント」が5分でわかる!

あらすじ

・ゲームの幕開け

森の中に猿轡を嵌められた男女11人が集められていた。
草原には巨大な木箱が置かれており、それを見た人々はその中に入っていた武器をおもいおもいに手にする。
しかしその直後突然の銃撃を受け、集まっていた人々は次々と命を落とす。

この銃撃から逃れることに成功した一団は、ここがフェンスに囲まれた敷地内で、その先に道路が走っていることを発見する。
フェンスを越え、発見したガソリンスタンドを営む老夫婦に現在地を訪ねると、アメリカアーカンソー州であることがわかる。
一団は警察に電話し、ネットで噂になっていた”領地”での人狩りゲームが行われていると通報するが、警察はまともに取り合わない。

その時、突然老夫婦が店内に毒ガスを充満させ、ショットガンで一団を皆殺しにする。
老夫婦が一団を始末したことを無線でどこかに伝えると、次に女性が店に来ると連絡を受ける。

連絡の通り、直後に一人の女性がガソリンスタンドの老夫婦を訪ねてくる。
女性はアーカンソー州のタバコの値段で老夫婦の正体を見破り、老夫婦を撃ち殺す。

・反撃の狼煙

女性は老夫婦の無線を使い相手の様子を探る。
無線の声は女性をスノーボールと呼んでおり、ドローンで様子を見ながら自身の命を狙っていることがわかる。
スノーボールはガソリンスタンドの様子を探りにきたドローンに見つからないよう姿を隠していたが、そこにきたゲリーという男がドローンを撃墜してしまう。

この場所に居られなくなったスノーボールはゲリーと線路沿いに歩き、走ってきた列車の貨物室に飛び乗る。
貨物室には不法移民の家族が隠れており、突然停車した電車を軍人たちが調べ始める。
ゲリーは人狩りゲームに参加させられていると軍に事情を話すが相手にされない。
しかし不法移民の中にこのゲームの主催者の一人が紛れ込んでおり、それを知ったゲリーは奪った手榴弾で主催者を殺す。

・最後に勝つのは?

不法移民と難民キャンプに連行されたスノーボールは取り調べを受け、その際得られたわずかな情報でここがクロアチアであることを突き止める。
スノーボールは彼女と同じようにハントされたドンという男を紹介され、アメリカ人である彼女らを助けるためアメリカ大使館の車が難民キャンプに来る。

ドンは移動中の車内で大使館の使者にハントされたことを話すが、使者はハントされるのには何か理由があるはずという。
その話を聞いたスノーボールは使者を倒して道路に捨てる。
車のトランクを探るとゲリーの死体があり、どこかの場所を示す地図が残されていた。

わざとらしい地図に罠かどうか判断しかねるスノーボールとドンだったが、スノーボールはかつて母親がしてくれたウサギとカメの話をする。
その話では、競争に勝ったカメはその後ウサギに殺されており、ウサギはどんな手を使ってでも最後に必ず勝つと話す。

・敵の正体

このゲームの主催者たちは大富豪で、元州兵の男が軍事顧問についていた。
地図を元に主催者たちのアジトに辿り着いたスノーボールとドンは、子豚を使ってアジトに潜入、主催者たちと軍事顧問を倒す。

その時、主催者たちのリーダーから無線が入る。
無線の女性はドンを主催者の一味であるとしており、それを聞いたスノーボールはドンを躊躇なく撃ち殺す。
スノーボールは瀕死の軍事顧問に無線の女性の居場所を聞き出す。

無線の女性はある企業のCEOアシーナで、1年前彼女らがしていたチャットの内容がハッキングされていた。
その内容はアシーナが“領地”で人狩りゲームが行っているというもので、ネットで噂になったため、チャットをしていたアシーナの仲間が失職するなどしていた。

・壮大な勘違い

スノーボールが軍事顧問から聞き出した場所を尋ねると、そこには豪華な屋敷があった。
中にはアシーナがいたが、スノーボールは彼女のことを全く知らなかった。
アシーナはクリスタルというスノーボールの本名だけでなく、経歴や家族関係も調べ上げていた。

クリスタルは13ヶ月前”皆の正義”というハンドルネームで、アシーナが罪のない人々を虐殺していると告発しており、アシーナはそのことを恨んでクリスタルをゲームに参加させていた。
しかし”皆の正義”は、クリスタルと同姓同名の別人で、アシーナが調べたプロフィールも別人のものだった。

しかしアシーナはクリスタルの発言を信じず、クリスタルと格闘になる。
勝負は全くの互角だったが、高級シャンパンをアシーナが庇ったためクリスタルは一撃を加えることに成功する。
追い詰められたアシーナは銃を取り出すが、クリスタルがその銃を奪い、一進一退の攻防が続く。
しかしアシーナがミキサーの刃でクリスタルの腹部を刺し、アシーナが勝利したかに思えたが、クリスタルは自身に刺さった刃でアシーナを刺しお互いに倒れる。
アシーナは事切れる前に”皆の正義”はクリスタルなのか再度尋ねるが、クリスタルの答えはノーだった。

生き残ったクリスタルは、自身の傷をバーナーで塞ぎ、高級シャンパン片手にアシーナのプライベートジェットに乗り込むのだった。

レビュー・考察

富裕層の殺人ゲームに招かれた参加者が反旗を翻す話。

事はアシーナたち富裕層がしていた”領地”での殺人ゲームのチャットがハッキングされたことに始まる。
それはただの冗談だったが、ネットで噂となりまことしやかに囁かれるようになる。
富裕層の中には失職する者も出ており、富裕層たちはそれならばと本当に殺人ゲームを始めることにする。

参加者に選ばれたのは、当然陰謀論を広めた人たち。
クリスタルも“皆の正義”として陰謀論を広めたとして参加者に選ばれたが、本物の“皆の正義”は同姓同名の別人だった。

この映画、実はアメリカにおける富裕層と労働者層の対立を描いている。
富裕層はチャットで労働者層を哀れな連中(deplorable)と見下しており、労働者層は富裕層の陰謀論を不確かな証拠だけで拡散した。
労働者層の鬱屈とした思いが渦巻いているのが窺える描写となっており、事の真偽より富裕層を叩きたい気持ちが暴走気味に加熱している。

この現象、ちょうど日本における上級国民と同じ構図で、どこの国でも同じような問題を抱えていることがわかる。

格差を描いた作品ではあるものの、単純なアクションとしても十二分に楽しめる。
前半は主人公と思われた人々が次々と倒れていく先の読めない展開となっている。
“領地”に拉致される機内で目覚めた男性も、ちょっと頭の弱そうな女の子もあっさり倒れ、助けようとしたイケメン風の男性が主人公?
と思わせておいて結局地雷で爆散する。
ガソリンスタンドに入った一行なんて、お約束通り老夫婦に裏切られ全滅。

そしてやっと現れたクリスタルが主人公。
この人細身の美女ながらめちゃくちゃ強く、一方的に狩られるだけの存在から知恵と機転を効かせて自分達の人生を弄ぶ富裕層たちを次々と倒していく。

その強さの秘密はアフガン帰りの体術や銃火器技術はもちろん、疑わしきは躊躇なく撃つ迷いのなさにある。
ちょっとした違和感からガソリンスタンドの老夫婦をエネミー判定、大使館の使者を車から落とし、共に戦ってきたドンを撃ち殺す。
タバコの金額たまたま間違えただけかも…とかは考えない、黒どころかグレーになった瞬間一切のためらいなく殺す。

クリスタルが冷酷というのではなく、アフガン帰還兵だったことが背景にありそう。
クリスタル自身は不法移民の母子が爆発に巻き込まれないよう庇ったりしており、根は優しい人に思える。
アフガンでの苛烈な経験が彼女を冷酷にしてしまったとしたら、なんとも悲しい話である。

映画は終始クリスタルの圧倒的な強さをこれでもかと見せつける無双系アクションになっている。
ちょっと訓練を受けただけの富裕層なんて束になっても相手にならない、軍事顧問の元州兵にも実戦経験の差を見せつける結果となっている。

ラスボスは女社長のアシーナ、軍事顧問の訓練を8カ月受けた彼女は手強い。
アシーナはクリスタルとの戦闘中に高級シャンパンを庇ったり、ガラスはやめてと要求するなど余裕を見せながらも互角以上に戦う。
しかしクリスタルにとどめを刺す前に気を緩めてたために敗北する。
クリスタルが逆の立場だったら獲物を前に舌なめずりなんか絶対しない、さっさととどめを刺しただろう。
これがプロとアマの歴然たる差である。

そもそもアシーナの誤解を解けば戦わなくても良かったのに、クリスタルはその努力を半ば放棄して戦闘している。
アシーナの立場ならクリスタルがグレーなら殺すと考えたのか、それともアフガンで戦いの中でしか生きられなくなってしまったのか…。
戦いの中イキイキとしたアクションを見せるクリスタルからは、正解は後者であるようにも思える。

そんなアメリカの社会問題切り込むアクション、ところどころコメディな一本。
富裕層と労働者層、あなたはどちらの立場で楽しみますか?

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