【戦争に勝る母の強さ】映画「オーガストウォーズ」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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南オセチア紛争を、一般市民の目線で描いたロシアの傑作!

2012年製作のロシア映画。
出演者はスヴェトラーナ・イワノーワ、マクシム・マトヴェーエフ、ユゴール・ベロエフ。
2008年に起こった南オセチア戦争を描いた戦争映画。ロシア軍全面協力で製作された。

こんな人にオススメ!
・リアルな戦争描写が見たい
・深い親子愛を感じたい
・兵器マニアの方

映画「オーガストウォーズ」が5分でわかる!

あらすじ

戦争の始まり

少年のチョーマは母クセーニアと2人、ロシアで暮らしていた。
チョーマはクセーニアの再婚話に良い感情を持っておらず、その話になると悪のロボットの話で誤魔化していた。

元夫ザウールはロシア軍人で、ジョージアの両親にチョーマの顔を見せるため、しばらくの間チョーマを預かる。
ロシアとジョージアの国境付近は緊張が高まっており、クセーニアはチョーマを迎えにザウールのもとへ向かう。

しかしその途中、ジョージアでクセーニアが乗っていたバスはミサイルで爆破され、同乗者の大半が死亡する。
クセーニアは奇跡的に一命を取り留め、軍用車でジョージアの都市ツヒンヴァリまで乗せてもらう。

取り残されたチョーマ

ツヒンヴァリまでたどりついたクセーニアだったが、そこに大量のミサイルが降り注ぐ。
戦争が始まり、ザウールが所属するロシア平和維持軍の基地も攻撃を受ける。
ザウールは上官の許可を取り、クセーニアを助けに行くことにする。

クセーニアは避難民とツヒンヴァリの避難所に向かい、ザウールもそこに向かう。
しかしザウールがチョーマを連れて逃げようとしたところに戦車が来てザウールは死亡、チョーマはそこに悪の帝王の姿を見る。

息子を助けに戦地へ

チョーマはザウールの実家に隠れることになり、クセーニアが助けに向かう。
クセーニアは報道パスを盗んで戦地に侵入するが、戦闘に巻き込まれ気を失ってしまう。

クセーニアは現地の村に助けられ、チョーマの元へ再び歩み出す。
戦地を1人歩いていたクセーニアは、狙撃を受けつつも生き残りロシア軍に助けられる。

ロシア軍の協力で、チョーマの元への世界で一番危険な5キロを移動するクセーニア。
チョーマの好きなロボットになりすまして電話をかけ、1人恐怖に怯えるチョーマを励まし続ける。

そしてとうとうチョーマの元にたどり着いたクセーニアだったが、チョーマは頭部を怪我しており、意識を失いつつあった。

脱出

敵軍の車を奪って逃げるクセーニアたちの前に、戦車と軍用車が向かってくる。
完全に意識を失いつつあったチョーマを、クセーニアはロボットの話で励まし続ける。

ロシア軍の爆撃で敵軍の追撃を交わしたクセーニアたちだったが、とうとうチョーマは意識を失ってしまう。
クセーニアも敵軍に捕まり殺されそうになるが、事情を知った敵軍の兵士は、ロシア軍との境までクセーニアたちを送り届け、2人は無事ロシア軍に保護されるのだった…

レビュー・考察

南オセチア紛争の話。といっても大半の人がピンとこないだろう。

南オセチア紛争とは
黒海沿岸の国ジョージア(グルジア)とロシアの間で起きた戦争で、21世紀最初のヨーロッパで起きた戦争とされている。
2008年8月に始まったことから8月戦争【August  War】とも呼ばれる。

南オセチアは、ジョージアの最もロシア寄りの場所にある自治州で、ジョージアからの離脱とロシアの連邦への加入を目指していた。
南オセチア紛争の結果、ロシア・南オセチア軍は勝利、ロシアは南オセチアのジョージアからの独立を承認した。

この戦争で2000人以上の民間人が死亡し、少なくとの158,000人の難民が出た。

劇中に出てくるツヒンヴァリという街は、南オセチアの中心的な都市。
チョーマの父ザウールはツヒンヴァリ近くの村の生まれで、ロシアの平和維持軍に所属。
チョーマの母クセーニアはロシア国内にチョーマと住んでいる。

話は、チョーマがザウールに会いにジョージアに行くところから始まる。
しかし南オセチア紛争が勃発。

チョーマを逃がそうとしてザウールは死亡、戦地に1人取り残されたチョーマを母クセーニアが助けに行くという話。

我が子への愛は、母を強くする

主人公は軍人のザウールではなく、母親のクセーニア。
この辺、【U・S・A】なハリウッドと違うなと思うところで、最近リアルにあった戦争を一般市民の目線から描いている。

最初はチョーマより恋人との旅行を優先するなど、ちょっと感じの悪い母親として描かれているクセーニア。
結局自分でチョーマを迎えに行くんだけど、その途中でもかわいそアピールでわがまま通したり、戦地で乗っている車で運転かわれと言われて「できないわ!」とかなかなかイライラさせてくれる

しかしその評価は中盤以降一変する。
チョーマに近づくに連れて激化する攻撃。それでもクセーニアはミサイルのシャワーをかいぐぐり、狙撃兵に狙われながらもチョーマの元へ向かうのだ。
その姿には深い愛情を感じざるをえず、引きこまれずにはいられない。

チョーマのロボット

また、映画はところどころチョーマの妄想がシームレスに挿入される。
チョーマはロボットが大好きで、自分を守るカッコいい白いロボット(アンチウイルスのパッケージみたいなロボットw)と、闇の帝王の巨大ロボットの妄想を抱いている。

映画最初の数分で、その妄想が爆裂してるので戸惑うが、そこで諦めないでほしい。
その後はザウールとクセーニアが白いロボット、戦車が闇の皇帝という描き方がされるようになり、
重いテーマの映画にアミューズメントのテイストを加えてくれる。ロシアも変わったな!

兵士ではなく、人として…

ラストでは、ジョージア軍のジープを奪って逃げるんだけど、最初の頃クセーニアは戦地で運転を任され「できないわ!」とかいっていたんだよね。
チョーマの危機に強くなる母親、あんなに感じの悪い母親だったのが遠い過去のようだ…

そして、クセーニアを捕まえたジョージア兵。
ロシア人のクセーニアは敵なんだけど、この人もチョーマの危機を知ると、戦争にこだわらずふたりをロシア軍の目の前まで送り届けてくれるんだよね。

そのジョージア兵が去った先に向かうロシア軍。
ジョージア兵とは対照的にロシア兵はクセーニアを進軍の邪魔扱いするあたり、兵士も1人の人間なんだなというメッセージ性を感じる。

そんなロシア映画独特の魅力が詰まった一本
みなさんにも是非見てほしい。文句なしにおススメします!

★こんなところも注目!

👉クセーニア役の女優スヴェトラーナ・イワノーワさんがとにかく美人。
 色白金髪で、スラっとキリッとお手本のようなロシア美女。
👉ジョージアの山並みは息を飲むほど美しく、そんな中を歌いながら牧歌的にバスが行く。
 その光景はまさに楽園。そこにミサイルが飛んできて…
👉ロシア軍全面協力の戦闘シーンは迫力十分!
 ミリオタ的にもロシアン装備がたくさん見れて大満足…らしい。

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