2018年制作のデンマーク映画。
出演者ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ。
コールセンターの男が電話口から事件を解決するスリラー。
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あらすじ
緊急ダイヤルのオペレーターアスガーの元に一本の電話が入る。
いたずら電話かとも思ったが、その不自然な様子を感じ取ったアスガーは、イーベンという女性が誘拐されていることを悟る。
アスガーは電話で得られた断片的な情報から、イーベンが乗せられている車を特定しようとするがうまくいかない。
イーベンの自宅に電話をすると、イーベンの息子マチルデが出て、父親のミケルが母親のイーベンに暴力をふるって連れて行ったと涙ながらに話す。
ミケルはマチルデに弟の部屋への立ち入りを禁止していたが、アスガーは弟の部屋で落ち着くようマチルデに伝え電話を切る。
ミケルの車のナンバーを特定したアスガーは車を探させる一方で、ミケルの自宅の捜索を依頼するが、アスガーにそんな権限はなく断られる。
タイミング悪く、翌日はコールセンターに左遷されたアスガーの現場復帰がかかっている裁判があり、そのために頑張っているのだと邪推されてしまう。
アスガーはミケルに電話をかけるが相手にされず、現場勤めの友人にプライベートで電話をする。
しかし友人は酔いつぶれて話にならない。
アスガーのもとにマチルデから電話が入り、マチルデ宅に警官が来ているという。
その警官はマチルデが血まみれで、さらに赤ん坊が死亡していると言うのだった…
レビュー・考察
コールセンター、しかも緊急ダイヤルって修羅場だねと言う話。
緊急ダイヤルにはいたずらも多いが、そのなかに本物が混じっているから本当に怖い。
それを瞬時に見極めて対応しないといけないからハードな仕事。
映画the callと同じような設定だが、本作の特徴はカメラがコールセンターから一歩も動かないこと!
情報はアスガーが電話越しに聞いた内容しかなく、その情報からどうやったら事態を解決できるかを瞬時に判断して行動しないといけない、失敗すれば人が死ぬかもしれない。
そんな対応中にもいたずら電話が容赦なく入る。
っていうかこの人の仕事って本来は現場の様子を聞いて、実働部署に伝えるだけなんじゃないだろうか?
なんでアスガーが越権行為と怒られながらも現場に依頼しないといけないんだ…
the callではコールセンターに指揮官みたいな人がいて実働指揮を執っていたけど、なぜかアスガーのコールセンターにはいない。
アスガーの隣の席のやつなんて、アスガーがテンパっているの横目に無茶苦茶ヒマそう!
デキる人に仕事が偏っているあたりにシンパシーを感じざるを得ない。
本作の面白いところは、アスガーの立場になりきって声と音だけで現場でなにが起こっているのか推測できるところ。
そこに神の視点は一切なく、ほんっとにカメラがコールセンターから一歩も出ない。
部屋から一歩も動かず集めた情報だけで事件を解決する探偵を安楽椅子探偵とも言うけど、さしずめアスガーはコールセンター探偵と言える。
アスガーが現場の緊迫感とヤバさを言葉だけでしっかり伝えてくるあたりは俳優の名演。
登場人物もセットもほとんど不要、スーパー低予算ながら創意工夫で魅せてくれる名作だ。
その意外な結末やいかに!