2024年のロシア映画
出演者はヴェロニカ・ウスティモア, アナトリー・ビェリー, イェフゲニ・イェゴロフ
流星群に襲われた少女を宇宙から助けるSFパニック
こんな人にオススメ!
・宇宙が好き
・絆を感じたい
・優秀なAIと働きたい
映画「ファイナルインパクト」が5分でわかる!
あらすじ
流星群
ロシアウラジオストクの少女レーラは、母の再婚相手ボリスとその連れ後で義理の弟エゴールと暮らしていた。
陸上大会に向かう車中のラジオでは、24時間後に流星群が美しく見られると報道していた。
陸上大会でレーラは、ゴールを迎える直前にコースに乱入してきた友人ミシャが持っていた発煙筒に恐怖を感じ、ゴールできずに倒れ込んでしまう。
その後もエゴールの誕生日パーティで蝋燭の火に恐怖しその場から立ち去っていた。
レーラは実父アラボフと疎遠だったが、宇宙飛行士のアラボフは勤務する宇宙ステーションからAIのミラを通してレーラが倒れ込む様子を見ていた。
その宇宙ステーションにも流星群が迫っていたが、その軌道は地球から逸れると予想されていた。
しかしクルーの一人は流星群の観測にエラーがある可能性を訴えており、ウラジオストク周辺から住民を避難させるよう警告していたが、地上の司令部は受け入れなかった。
流星群を楽しみにしているエゴールに、レーラはミシャに教わった建設途中の高層ビルの屋上のポイントを教える。
翌日、流星群が地球を通り過ぎるが、一部が宇宙ステーションに直撃することがわかる。
宇宙ステーションは回避行動を始めるが、同時にウラジオストクを含む広範な地域に大きな被害が出ることがわかる。
崩壊する日常
アラボフはレーラに連絡を取るが、レーラはそれらを無視する。
そして流星群は宇宙ステーションを破壊し、地球に降り注ぎ、レーラの家を破壊する。
レーラは自宅マンションを脱出し外に逃げようとするが、パニックとなった住人たちに巻き込まれる。
レーラは2階から外に出るが、流星群はなおも降り注いでおり、ビルや車を破壊し続けていた。
偶然居合わせたミシャと合流し走って避難するが、車に轢かれて気を失ってしまう。
運転手の老夫婦は気絶したレーラを車に乗せ避難するが、トレーラーが突っ込んできたことで車が故障する。
車内で意識を取り戻したレーラは車を降りて逃げるが、避難したビルにも爆風が襲い掛かり、レーラは倒壊したビルの瓦礫の下敷きになる。
アラボフの宇宙ステーションも壊滅的な被害を受け、アラボフ以外に生存者はいなかった。
地上の司令室は宇宙ステーションのAIミラの指示に従って脱出するよう指示しており、宇宙ステーション自体も大気圏に落下しつつあるという。
アラボフはAIミラにレーラを探すように指示すると、ミラはレーラの近くに落ちていたくまのベビーモニターと宇宙ステーションを接続し、アラボフはくまのベビーモニターを通してレーラに話しかけることができるようになる。
レーラは瓦礫の下にいたが怪我はなく、現れた救急隊に助けられ避難キャンプに向かう。
瓦礫の山と化した町は地獄のような様相を呈しており、昨日レーラがエゴールに教えた工事中の高層ビルも崩壊寸前だった。
レーラはエゴールがそのビルにいることをアラボフに伝えると、エゴールを助けるため高層ビルに向かう。
宇宙ステーションのバッテリーも切れてしまい、アラボフはラボのバッテリーを使おうとするが、ラボとの間は流星群により破壊されていた。
アラボフは宇宙服を着て直接ラボに向かい、破片にぶつかりながらもなんとかケーブルを直接接続することに成功する。
高層ビルに忍び込んだレーラはエゴールの姿を見つけ、破損したビルの破片を避けながら、壁をよじ登って助けに行く。
エゴールはほぼ無傷でレーラに救助され、電源が復活したことで通信を回復したミラとアラボフの指示に従って倒壊するビルから脱出する。
レーラの過去
商店に避難したレーラは8歳の頃エレベーターに閉じ込められ、その際に発生した火災により恐怖した思い出をエゴールに語る。
その後アラボフとは疎遠になり、アラボフは宇宙に上がり、地上に帰っていなかった。
レーラとエゴールは誰もいなくなった街にいたが、ミラが宇宙から信号機を操作し、ふたりを安全な場所に誘導していた。
しかし湾内のタンカーのタンクが引火し爆発が起こり、その衝撃で救助隊は全滅、エゴールも頭部に怪我を負う。
レーラは難民キャンプに自力でたどり着くが、医者は忙しくエゴールを見てくれない。
脱出するヘリコプターにはミシャが乗っており、自身がヘリコプターを降り、代わりにエゴールを乗せて避難キャンプに逃す。
アラボフはミラを使ってミシャのスマホに接続し、レーラにタンカーに爆発の危機が迫っており、メインタンクに引火すれば街の半分が吹き飛ぶという。
消防と救助隊も全滅したためどうすることもできず、レーラだけでもその場を離れるようにと伝える。
しかしレーラは自身でタンカーを消火すると言い、アラボフの制止を聞かずにミシャとタンカーに向かう。
タンカーに向かって船を漕ぐミシャの右手は義手だったが、レーラは8歳の時のエレベーターの事故で全身に火傷の跡が残っていることを明かす。
アラボフはエレベーターに閉じ込められ火に襲われたレーラを助けることができず、結果アラボフは離婚し今に至っていた。
父との別れ
タンカーに潜入したレーラとミシャだったが、火災を目の当たりにしたレーラは動けなくなってしまう。
しかしミシャがくまのベビーモニターを修理し、アラボフとの通信を回復する。
レーラとミシャはアラボフの指示に従いエンジンルームを抜けるが、扉を開けた瞬間発生したバックドラフトによりミシャが意識を失う。
宇宙ステーションでも電源ケーブルが切れてしまい電力が低下、ミラは自身のデータを削除することで電源を確保することをアラボフに提案する。
アラボフとミラは互いに別れを告げ電源を落とすと、レーラのベビーモニターとの通信が回復する。
泣きじゃくるレーラを宥めるため、アラボフは気絶しているミシャの義手と接続し、レーラと手を繋ぐ。
アラボフは宇宙ステーションがすでに大気圏に落下していることを伝え、過去のエレベーターでの事故のことを謝罪する。
アラボフはレーラに愛を伝え、立って行動するように促す。
レーラはアラボフの指示に従い、防火服を見に纏い、火の中を突っ切ってスプリンクラーを作動させようとする。
しかし火がトラウマになっているレーラは火を前に何もできず、アラボフは宇宙から励まし続ける。
アラボフはいつも持っていた縦長のレーラの写真を開くと、レーラの左側にはレーラの母が写っており、レーラの右にはアラボフが写った家族の写真だった。
アラボフの歌に勇気を取り戻したレーラは火の中を歩きスプリンクラーを作動させ、意識を取り戻したミシャとタンカーを脱出する。
タンカーには消火隊が着ており、二人は無事に救助される。その時、空で爆発が起こり、宇宙ステーションが爆発したことがわかる。
救助されたレーラは母のもとに無事に戻り、ミシャも無事に生還した。エゴールも無事にボリスのもとに辿り着いており、一家は再会を果たす。
その後、レーラは家族とミシャと共に火傷の跡も気にせず水着で海水浴を楽しむのだった。
レビュー・考察
大迫力の映像美
本作映像美が優れており、落下する流星群の恐怖が余すことなく描かれている。
巨大な一個の隕石が落ちてくる映画は数あれど、多数の小規模な隕石が雨のように降り注ぐ映画は多くはない。
その光景はまるで街がミサイル攻撃を受けているかのよう、序盤のマンションの脱出シーンでは、ビルがどんどん蜂の巣にされていき、だんだんと倒壊していく様がよく描かれている。
その後もパニックの群衆、崩れ落ちる橋、突然横から突っ込んでくるトレーラーなど災害モノの映画の魅力を余すことなく表現している。
ちなみに本作の舞台はロシアのウラジオストクだが、実はこの流星群は日本全域に落下しており、ひっそりと国家崩壊レベルの被害を受けている模様。
何か言いたいことでもあるのだろうか…
少女レーラの成長
本作の主人公レーラは陸上選手の少女である。
8歳の時に負った火傷を跡を隠すため、通常の陸上着ではなく、全身を覆える衣服を着用している。
ミシャから水着のことを聞かれて固まったのも火傷の跡が隠せなくなるから。
しかしラストでアラボフと和解し、火のトラウマを克服したことからもう火傷のことは気にならなくなったようである。
ラストではミシャたちと水着ではしゃぐ様子が描かれている。
火傷の跡自体が問題だったのではなく、火傷の原因となったエレベーター事故でアラボフが家から出ていってしまい、離婚に至ったことをずっと気に病んでいたのではないだろうか。
子供は両親の不仲をなぜか自分のせいだと思い込むというが、レーラも両親の不仲を自分のせいと思っていたのかもしれない。
アラボフとの和解でそのわだかまりがなくなり、火傷のことも過去のこととできるようになった人間的成長が本作の話の筋となっている。
性格的には基本的にはまっすぐな少女だが、それゆえに無謀なことを行なってしまう。
エゴールに工事現場のビルのことを教えたことを気に病んで、流星群で崩壊寸前のビルに潜入しエゴールを助けたり、タンカーの爆発を止めるため、火がトラウマなのに燃え盛るタンカーに忍び込んで消火しようとしてしまう。
自分の命を軽視しすぎている感すらあり、自己肯定感の低さが表れているとも取れる。
宇宙からの助け
本作アラボフが宇宙ステーションからAIミラの力を借りて、レーラを助ける点がユニーク。
普段からミラを使って違法に町中の監視カメラに接続していたが、災害後はレーラの近くに偶然落ちていたくまのベビーモニターに接続し、宇宙からレーラと会話をしている。
その後も町中の信号機を操作して行き先を指示したり、ミシャのスマホに一方的に通話したり、果ては気絶したミシャの義手を操作するなど、何にでも接続できる模様。
流石に万能すぎでは…
それを可能にしているのは宇宙ステーションのAIミラである。
ミシャの義手がロボットのようになっているように、近未来の世界観のAIなのでとても優秀。
宇宙から地上のビルの倒壊を予測したり、タンカー内部の火災の発生箇所を感知したりと神のような万能さを誇る。
しかしその応答にはどこか愛らしさがあり、アラボフとの名コンビっぷりは長年連れ添った相棒のようである。
ラストではアラボフがレーラに通信するための電源を確保するため、自身を消去することを提案。
AIの自己犠牲に感動する日が来るとは思わなかった。

