【150年の歴史に幕】老舗旅館ぎょうけい館とのお別れ会【千葉銚子】

楽しいおやどコレクション!

ぎょうけい館は1874年創業の超老舗旅館
明治7年からこの地で旅館を営んでおり、皇太子時代の大正天皇や昭和天皇、初代総理大臣の伊藤博文、さらには高浜虚子など数々の文人が宿泊した由緒正しい名旅館です。

それにも関わらず決して敷居の高い感じはせず、むしろ価格はリーズナブルです。
太平洋を望む好立地にあり、美しい海の景観とスタッフのあたたかなおもてなしで、日頃の疲れを癒してくれます。
客室やサービスが子供づれに優しくできており、子供だけでなく親も楽できる、家族でのお出かけに最高の旅館となっています。

ちなみにぎょうけい館は漢字では「暁雞館」と書きます。
旅館には酉明浦という磯場が隣接しており、そこで野生の鳥がよく鳴くのでこの名がついたそうです。

そんなぎょうけい館も、残念なことに2023年1月16日を最後に閉館することが決定しました。
今回は、そんなぎょうけい館のお別れ宿泊をしてきました。
みなさんにもぎょうけい館の素晴らしさが伝わり、復活できたらいいなと思っています。

老舗旅館ぎょうけい館とのお別れ会【千葉銚子】

伊藤博文直筆の書

アクセス

公共交通機関

・電車

東京駅➡︎銚子駅:総武線特急しおさい約2時間
銚子駅➡︎銚子電鉄・犬吠駅下車、徒歩7分。
犬吠駅からはホテルの無料送迎(14:00−18:05予約優先随時運行)もあります。

・高速バス

東京➡︎銚子・犬吠埼太陽の里:片道2,700円

・自動車

東関東自動車道、佐原香取IC下車後、一般道を約1時間。
もしくは千葉東金道路から銚子連絡道路、横芝光IC下車後、一般道を約1時間。
銚子ドーバーラインや屏風ヶ浦、飯岡展望館などの立ち寄りが楽しいので、自動車でドライブしながら向かうのがおすすめです。
ちなみに旅館の駐車場は無料です。

エントランス・ロビー

エントランスは細い路地を通り、坂を下ったところにあります。
坂上から旅館を見下ろす形になるので背後の海がしっかり見え、あぁいいところに来たなと一見して感じさせてくれます。

ちなみにこの風景、建物は変わっても明治時代から大きく変わっていないようです。
館内にある明治時代の絵画と比べてみましょう。

ロビーからは太平洋が一望でき、朝方は朝日が眩しく差し込みます。
リゾート感のある光景となっており、ここから海に直接出ることもできます。

館内各所には独特の味のある版画が展示されています。
これは千葉を代表する版画家土屋金司先生のもので、廊下の至るところで目を楽しませてくれます。

客室

客室は全室オーシャンビュー!どこまでも広がる太平洋を独り占めできます。
1階の部屋なら太平洋を望むお庭に部屋から直接出ることが出来ます。
そのまま磯場に出ることもでき、子供と遊ぶには最高です。

お部屋タイプはワンルームから和室2室、和洋室2室など様々なプランが選べます。
人気は和洋室で、和室のリビングとベッドルームと2部屋あります。
靴を脱いでくつろげるのは和風旅館の特権ですね。
そのまま和室でゴロゴロし、寝るときは柔らかいベッドでぐっすり。
完全に和室と洋室のいいとこ取りですね。

何気に玄関が広く取られており、荷物が多くてもストレスになりません。
こういう細かいところも子連れにはありがたいんですよね!
ちなみに客室には冷蔵庫・冷凍庫・グラスの用意があります。

客室からは日本で最初に上がる朝日を見ることができます。
海から上がる朝日が、空を赤く染め上げるのをベッドルームから眺める目覚めなんて素敵だと思いませんか!

朝陽ばかりに注目されがちですが、実は海に浮かぶ月も大変美しいです。
月が夜の海を照らし、その明るさに驚かされます。

お風呂

お風呂は温泉大浴場があります。
屋内大浴槽と露天風呂、サウナに水風呂と揃ってます。
もちろんオーシャンビューで、波音を聴きながら入る露天風呂は最高です。
日の出前から開けてくれるので、朝陽を浴びながら朝風呂を楽しむこともできます。

ぎょうけい館のすごいところは、大浴場を備えながら部屋風呂もしっかりあることです。
子連れで大浴場が使えないお母さんには部屋風呂が必須です。
部屋風呂は温泉ではありませんが、お風呂場がトイレや手洗いと完全に独立しています。
自宅のお風呂と同じ感覚で使えるので、お子さんにも負担が少なく、親子でリラックスすることが出来ます。
洗面台が2台あるもの助かります。

ディナー

魚介類を生かしたお料理もステキです。
夕食はレストラン食と部屋食があります。

我が家は子供づれなので部屋食を選択。
小さな子供に夜のレストランは無理ですからね。
部屋食してくれるホテルが減る中、まだやってくれるのはありがたいですね。

ちょっとある日の晩御飯を見てみましょう。

この写真の他にも鍋料理とお吸い物とデザートがありました。
鍋料理は鶏つくねと鰯つみれが最高だったのですが、写真を撮り忘れてしまいました…

地味な食材をキッチリ高級味に育てるあたりに料理人の矜持を感じます。
オプションメニューも可能ですので、鮑や伊勢海老など高級食材にトライしたい方はどうぞ!

子供にもお子様メニューを出してくれます。
メニューはハンバーグ、エビフライ、マグロと甘エビの刺身、カニグラタンです。
特にエビフライが立派で、うちの子は二本ともぺろっと食べてしまいました。

朝食

朝食は食堂での定食のみになります。
アジの干物を初めとし、とろろや温泉卵などご飯泥棒が勢揃いしており、何杯おかわりしても足りないくらいでした。
アジの干物は干物なのにしっとりジューシーで絶品です。

朝食にもお子様向けメニューがあり、オムレツやソーセージ、パンなどのセットになっています。

酉明浦

ちなみにぎょうけい館のすぐ裏手は、その名の由来となった磯場です。
犬吠埼灯台を見渡す絶景で、波音がちょっと怖いくらいです。

子供でも遊べるようブロックが整備されています。
夏場は小魚にカニ、やどかりがたくさんおり、うちの子供も大はしゃぎでした!
君ヶ浜まで行かなくても、海遊びが楽しめるのでお得感たっぷりです。
濡れちゃっても、すぐに宿のお風呂にGOできるので安心ですね。

ありがとう、ぎょうけい館!

ぎょうけい館は2023年1月16日の営業を最後に閉館します。
旅館の方にお話を聞くと決して赤字での閉館ではないそうでとても残念そうでした。

ちょっと調べるとぎょうけい館はビューホテルグループに入っており、この提携契約が切れたことが原因のようです。
ビューホテルグループは2022年に沖縄や那須など複数のホテルの営業を終了するなどしていました。
以前このブログでご紹介したアートホテル成田も、ちょっと前までビューホテル成田で営業していましたがその提携契約が終了、現在のアートホテル成田になっています。

確かな閉館の経緯はわかりませんが、ぎょうけい館は靴を脱いでくつろげる和洋室、広めの間取り、部屋風呂、大浴場、部屋食、窓辺の絶景そして温かなおもてなしと大人も子供もゆったりできる最高の旅館です。

銚子には目立った観光地はありませんが、それでもぎょうけい館に泊まるのを目的に銚子に行きたくなる。
そんなお宿でした。
こういう素敵な旅館が無くなってしまうのはとても残念でなりませんが、何らかの形での復活を期待せずにはいられません。

これまでの感謝をこめて「これまでありがとう、ぎょうけい館」と伝えて宿を後にしました。

その後、地元の人の話では

2023年の12月銚子に立ち寄った際、タクシードライバーの方に伺ったお話では、現在ぎょうけい館の建物は取り壊しが始まっているそうです。
何らかの形での再開を願っていただけに残念でなりません。

ちなみに2023年8月の時点で、ぎょうけい館近くのあるホテルでは、温泉の利用を止めているとのことでした。
もしかしたらぎょうけい館廃業の背景にはこういった事情もあるのではと思わずにはいられませんでした。

ぎょうけい館資料展 ※12月17日終了

ぎょうけい館が所蔵していた伊藤博文の書など貴重な資料を期間限定で展示します。
期間:2023年11月14日(火)~12月17日(日)9:00~17:00
場所:銚子市ジオパーク・芸術センター 企画ギャラリー(銚子市八木町1777-1)

近くの立ち寄り

銚子周辺は、大きなアトラクションはありませんが、ちょっと立ち寄りスポットがたくさんあります。
ドライブしながら休憩がてら観光がオススメです。

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