【昭和ブラジルゾンビ!】映画「シー・オブ・ザ・デッド」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2013年ブラジルのゾンビ映画
主演者はマークス・コンカ, ティアゴ・フェリ, キカ・オリヴェイラ

こんな人にオススメ
・グロ系ホラーが好き
・南米の生活を垣間見たい
・トラディショナルなゾンビ映画が好き

映画「シー・オブ・ザ・デッド」が5分でわかる!

あらすじ

謎の魚

ブラジルの漁師ペロアが網を巻き上げると得体の知れない半魚人のような生物がかかっていた。
それは死んでいるようにも見えたが、突然息を吹き替えしペロアが襲われ負傷する。

オットーのバーに住み込みで働く若者アウビノは、死体のそばに置かれた不気味な本を拾う夢を見る。
寝過ごしたアウビノは慌てて出勤するが、その枕元には不気味な本が置いてあった。

ペロアは漁船のオーナーに魚を渡し、妻インジアラに半魚人に噛まれた傷を縫ってもらう。
その頃ペロアと漁に出ていた若い漁師は、オットーのバーに魚を売りに行っていた。
オットーはアウビノにその魚を捌かせるが、オットーのバーに肉を買いに来ていったインジアラが転んだため目を離してしまう。
アウビノが気がつくとインジアラが買ったはずの肉と、アウビノが捌いていた魚はいつの間にかどちらもなくなっていた。

ゾンビ化する人々

自宅に戻ったインジアラだったが、ペロアの様子が少しおかしいことに気がつく。
しかしインジアラは、パーティ会場で調理のバイトをするため、子供二人をペロアに預けて出かけてしまう。
インジアラのバイトはクラブの開店パーティで、そのキッチンにペロアの漁船のオーナーが魚を納めにくる。

その頃自宅で寝ていたペロアだったが、インジアラに縫ってもらった傷口が開いてしまい、娘クララが再び縫合する。
ペロアの息子はペロアに言われるまま傷口に指を突っ込むが、傷口が一瞬で閉じ指先を失ってしまう。
ペロアは人が変わったようになっており、クララに薬草を取ってくるよう乱暴に命令する。

その頃、パーティ会場には歌手のイシドラが到着しており、クラブのママでパーティのホストでもあるマダムが歓迎していた。

オットーの店には見慣れぬ男が現れ、アルビノが持っている不気味な本に興味を示す。
男はその本を見ようとアウビノの部屋に勝手に入ろうとし、それを止めたオットーを殺してしまう。

アウビノはオットーの勧めに従い、クラブのパーティに参加していた。
しかしパーティ会場のキッチンにインジアラがいるのを見て、女性恐怖症を発症しパーティ会場から逃げ出す。

クララは、ペロアの命令に従い夜の森に薬草を取りに行っていたが、その道中でローブの怪しげな3人組を見かける。
クララは3人組をやり過ごし家に戻るが、ペロアはすでにゾンビ化しており死肉を貪っていた。
クララは家の外に逃げ出すが、森の中では先ほどのローブの3人組が人を食べているのに出くわしてしまう。

パーティピーポー(ゾンビ)

パーティ会場では有力な議員が現れており、マダムは議員に魚のフライをサーブする。
パーティは大いに盛り上がっていたが、そこにゾンビペロアが現れる。
ソンビペロアは会場の護衛に撃ち殺されるが、それを見たインジアラはパニックに陥る。

パーティ会場では、議員に出した魚のフライを食べた女性がゾンビ化し、そのフライをつまみ食いしていたキッチンの女性もゾンビ化する。
ゾンビペロアも再び動き出したため、護衛たちがペロアの首を落とすが、その首の断面から血のような液体をばら撒きパーティのゲストたちに浴びせる。
その血を浴びた者は次々とゾンビ化し、まだゾンビになっていない人々に襲い掛かる。
生き残った人々は議員のゲストルームに逃げ込む。

マダムは店がめちゃくちゃになり激昂、隠し持っていた機関銃を取り出しゾンビ化したゲストたちを蜂の巣にする。
マダムはロビーに充満するゾンビたちを機関銃で皆殺しにするが、イシドラの付き人がその巻き添えになり、マダムはイシドラに刺し殺される。
イシドラとインジアラはパーティ会場から逃げ、途中木の上に逃げていたクララと合流する。

シプリアンの書

女性恐怖症を起こしたアウビノは自室に戻っていたが、オットーを殺した男が来てアウビノが持っている不気味な本を奪う。
男は不気味な本をシプリアンの書と呼びその入手を喜んでいたが、その直後ゾンビに襲われ死亡する。
アウビノの部屋には、パーティ会場から逃げてきたインジアラたちが逃げ込んでくるが、その部屋にも次々とゾンビが入ってくる。

アウビノらは武器を手に応戦するも、インジアラが戦いの巻き添えになる。
アウビノはインジアラの亡骸とクララを奥の部屋に連れていくが、その際イシドラが置き去りになり死亡する。

インジアラを亡くしたアウビノはクララを殴り気絶させ、シプリアンの書にある魔法陣の中に置く。
アウビノはインジアラを生き返らせようとしており、儀式のためクララの首にナイフを突きつけ殺そうとしていた。
しかしそこに悪魔とゾンビが現れ、アウビノはゾンビに襲われる。
クララはその隙に外に逃げだすが、たどり着いた海岸はゾンビ同士が相食む地獄となっていた。

アウビノはインジアラの遺体を樽に詰めシプリアンの書の呪文を書くと、その復活を誓い一人どこかに旅立っていった。

海岸で弟がゾンビ化しているのを見つけたクララは崖に逃げるが、崖だと思っていたのはクジラのゾンビの頭だった。
クララはクジラから逃げ崖を上り、朝焼けの海を眺めるのだった。

レビュー・考察

ブラジル発本格ゾンビホラー!
ゾンビ映画としてはよくある感じだが、南米独特の世界観が実にユニーク。
ハリウッドではちょっとお目にかかれない作風に仕上がっている。

まずは登場人物整理!

群像劇あるあるでちょっと話が分かりにくいので話を整理!

ペロア :雇われ漁師。半魚人に襲われ感染。
インジアラ:ペロアの妻、ゾンビ戦の巻き添えになって死亡。
クララ :ペロアの娘、最後の生存者。
アウビノ :陰キャ。オットーのバーに住み込みで働く。最後の生存者。
マダム :パーティの主催者、機関銃の使い手。実は男?
イシドラ :歌手、場末に流れてきた。娘が魚を食べて感染。

次に群像劇の整理!

1.(海上)      ペロア・若い漁師➡︎漁の最中、半魚人に襲われる。
(オットーのバー)  アウビノ➡︎夢でシプリアンの書を手に入れる。

2.(港)                       ペロア・若い漁師➡︎漁船のオーナーに魚を売る。

3.(ペロア家)    ペロア・インジアラ➡︎ペロアの腕の治療 

4. (オットーのバー)若い漁師➡︎オットーに魚を売る。
          インジアラ➡︎肉を買いにくる。
          アウビノ➡︎オットーの指示で魚を捌く          

5.(オットーのバー)インジアラ➡︎転げた好きに肉をなくす。
          アウビノ➡︎魚を捌くが、見失う。          

6.(パーティ会場) インジアラ➡︎キッチンでバイト。
          漁船のオーナー➡︎魚を納品。
 (ペロア家)   ペロア・クララ➡︎ペロア容体悪化、腕の治療。
 (オットーのバー)アウビノ➡︎オットーに遊びに行くよう言われる。

7.(パーティ会場)  インジアラ➡︎魚のフライを調理。
          イシドラ➡︎会場到着。
          アウビノ➡︎インジアラの姿を見て逃走。
 (ペロア家)   ペロア➡︎ゾンビ化
          クララ➡︎森に逃走、木の上に隠れる。
 (オットーのバー)謎の男➡︎書を求めオットーを殺す。

8.(パーティ会場) ペロア➡︎ゾンビ化し襲撃するも撃退される。
          インジアラ➡︎ペロア死亡でパニック。
          イシドラ➡︎娘が魚のフライを食べ感染。
          クラブの女性➡︎魚のフライを食べ感染。
          料理長の女性➡︎魚のフライをつまみ食いして感染。
(オットーのバー)アウビノ➡︎部屋に戻り書を読む。

9.(パーティ会場) インジアラ➡︎ゾンビパニック発生、脱出。
         イシドラ➡︎ゾンビパニック発生、マダムを殺す。
(オットーのバー)アウビノ➡︎男に襲われ書を奪われそうになる。

10.(森)      インジアラ・イシドラ➡︎木の上のクララを見つける。
                   合流後オットーのバーへ。

11.(オットーのバー)アウビノ・クララ➡︎ゾンビとバトル
        インジアラ・イシドラ➡︎ゾンビバトルの巻き添えで死亡

12.(オットーのバー)アウビノ➡︎クララを儀式に捧げるが失敗。
         クララ ➡︎海岸に逃走。

13.(オットーのバー)アウビノ➡︎インジアラの遺体を保存し、どこかに消える。
   (海岸)    クララ ➡︎海岸に逃走、クジラゾンビに出会うが逃げ切る。

ブラジルの生活

まず驚くのがペロアが腕に負った傷を、妻インジアラが縫合するシーン。
日本では、家庭で縫合するなんてありえないけど、ブラジルでは当たり前のようだ。
ちゃんと外科用の針を使いこなしているのがスゴイ。

インジアラが医療従事者である可能性もあるが、パーティ会場でキッチンのバイトをしているくらいだからその可能性は低いと思われれる。
それにインジアラの娘もまだ上手くないながらも縫合を行うなど、縫合はブラジル女性の基礎スキルになっているようだ。

次に驚くのはパーティ会場の描写。
入り口に護衛が立っているのだが、スーツや警備員のようなイメージでは断じてない。
汚い普段着に自動小銃を小脇に抱えたスタイルで、完全にゲリラ兵の出立ちである。
こんなむき出しの暴力に守られていないといけないあたり、南米の治安の悪さがうかがえる。

パーティ会場のキッチン、レストランの厨房のイメージをすると思うがそれは大間違い。
キッチンの責任者らしきおばちゃんは帽子や白衣なんて着ない、小汚い普段着のままで調理をする。
衛生観念にも乏しいのか、生魚のすぐそばで生野菜を扱ったり、手袋なんかもしない。
キッチン内も雑然としており、調理用具も汚いので、日本人が食べたらおそらく一発で食中毒になる。

ちなみに腕の傷を治すため、ペロアがクララに取りに行かせたのは医薬品ではなく薬草。
ドラクエか!?

凶悪な感染力

結論から言えば、本作で人々がゾンビ化したのは汚染された魚が原因ということになる。
ペロアたちが獲った魚がパーティ会場で振る舞われ、集団食中毒(?)を引き起こした。

食べた人だけがゾンビ化するのではなく、その血を浴びた者もゾンビ化するのが脅威的。
アメリカのゾンビ映画では、ヘッドショットで一発がお約束。
だが本作のゾンビは頭を落としても血を噴き出してゾンビの感染を超拡大させる。(ぶっちゃけ絵面的に汚い!)
極めてタチが悪く、結局街はゾンビで埋まり絶望的なラストを迎える。

ラストに出てきたクジラのゾンビは魚だけでなく、海洋全体が汚染されたことを示唆している。
海の汚染は人類の滅亡、海を大事にしよう。

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