2018年アメリカのスリラー
主演者はデヴィッド・テナント, ロバート・シーアン, ケリー・コンドン
こんな人にオススメ
・人助けとはどういうことか知りたい
・力なき正義が生み出す結果を見たい
・サイコパスの怖さを知りたい
映画「バッド・ディシジョン」が5分でわかる!
あらすじ
バッドディシジョン
カメラマン志望のショーンの元に恋人ライリーが訪ねてくる。
ショーンはライリーのヌードを撮影するが、ライリーはそれを誰にも見せないことを条件に許す。
ショーンは、普段レストランで駐車係の仕事をしていたが、実は同じレストランで働くデレクと空き巣泥棒をしていた。
その日感じの悪い金持ちのケイルがレストランに来る。
ショーンはケイルの高級車を盗んでその自宅に空き巣に行くが、固く閉じられた一室には一人の女性が監禁されていた。
ショーンは女性を助けようとするが、その鍵はケイルの首にかかっているという。
その時、ケイルがレストランから出てきため、ショーンは車をケイルに返す。
ショーンはこのことを警察に通報し、自身の目でその後を見届けるべくケイルの家に戻る。
警察はケイルの自宅を訪ねるが、家の中を調べることなく帰ってしまう。
ショーンは盗みに入り彼女を見捨てて家を出たことを後悔しており、最悪の決断と後悔する。
ショーンの勇気
ショーンは現場にデレクを呼び寄せケイルが外出した隙に家内を捜索する。
しかし女性がいた部屋の鍵はすでに撤去されており、女性の姿もどこにもなかった。
その頃女性はケイルに車で連れ去れており、ケイルは自宅に警察を呼びショーンらを追い詰める。
ケイルは女性をどこかのログハウスに連れて行き、新たな首輪をはめ監獄に入れる。
ショーンは直接警察と話すため警察署に行くが、前科者のショーンの話はなかなか信用されなかった。
警察の担当者はケイルの自宅を訪ねケイルと話をするが、自宅内では何も見つからなかった。
警察はショーンが恨みを持ち、ケイルを貶めようとウソの通報をしたとしていた。
ケイルは自宅前に停まっているショーンの車に不信感を持っており、密かに発信機を仕掛ける。
ショーンはFBIを訪ね捜査を依頼するが相手にされず、その跡をつけていたケイルに自宅を突き止められてしまう。
ケイルはショーンの部屋に侵入し、パソコン上のデータとカメラの画像を全て盗む。
FBI担当者フラーは失踪者のデータを確認し、かつて起きたヴァルケンバーグ事件の資料を取り寄せ事件との関係を追う。
ケイルの逆襲
ケイルはショーンとデレクが務めるレストランに、従業員が空き巣を働いていると通報し、ショーンとデレクは解雇される。
ケイルはショーンのパソコンから入手したIDとパスワードで彼になりすまし、かつてショーンが撮ったライリーのヌード写真を一斉に送信、ショーンはライリーに絶縁される。
ショーンの車は何者かにめちゃくちゃに破壊された上、車で轢き殺されそうになる。
さらにショーンの両親も何者かに濡れ衣を着せられ仕事を失う。
ライリーも路地裏で暴行に遭い大怪我を負う。
ショーンはデレクにも逃げるように伝えるが、時すでに遅くデレクが盗んだ銃でケイルに撃ち殺される。
ショーンはケイルの家で撮影した小切手帳の画像から、ケイルのログハウスの手がかりを得る。
さらなる手がかりを求めショーンは再びケイルの家に侵入するが、家には時限爆弾が仕掛けられていた。
ショーンは危機一髪ケイルの車で脱出する。
ケイルの最後
カーナビの履歴からケイルの居場所を突き止めたショーンは、森の中にあるケイルの私有地に入る。
過去のヴァルケンバーグ事件との関係を調べていFBIのフラーは、かつての事件はケイルが若馬の調教に失敗し調教師を殺したが、今は人間の調教を行っていることを突き止めていた。
ケイルの私有地に入ったショーンはログハウスを見つけ、そこで女性が監禁されているのを発見するが、背後からケイルに殴られ気を失う。
ケイルは女性を銃で撃ち大穴に放り込むが、その中で意識を取り戻した女性は、そこでいくつもの死体が埋められているのを見つける。
全てはショーンの罪になるとケイルが話している間に、女性はケイルの背後に近づきスコップで殴る。
ショーンはケイルにとどめを刺そうとするが、銃で撃たれ森の中を女性と逃げる。
森の中でケイルと取っ組み合いになったショーンは金属の棒でケイルを殴るが、女性はまだまだ不十分だとショーンに囁く。
その後私有地捜索の令状を取ったFBIが踏み込んできて二人は救助される。
ログハウスに踏み込んだFBIが見たのは、椅子に緊縛されたケイルの姿だった。
レビュー・考察
貧困層と富裕層、それぞれの犯罪
主人公のショーンは貧乏な移民。
相棒のデレクも兄弟が犯罪者で服役している。
二人の共通点は貧困層であることで、チンケな空き巣泥棒をしていた。
たまたま空き巣に入って家で、ブラックカードを見つけて大喜びしたのも束の間。
富裕層たるこの家の主ケイルが、女性を監禁しているのを見つけてしまう。
デレクはこの事件と関わりを持ちたくなかったが、ショーンは正義感を発揮し女性をなんとかして助けようとする。
しかしケイルはハイテク機器を使いこなし、ショーンの身元を突き止め執拗に復讐を図る。
本人を直接殴るとかではなく、周囲の人間から孤立させ、精神的にじわじわと追い詰めていく様は実に執拗で変質的。
でも忘れてはいけない、元はと言えば盗みに入ったショーンが悪い。
力なき正義
結果としてショーンの勇気は一人の女性を救うことに成功した。
しかし、その結果友人のデレクは死に、恋人のライリーはヌードをばら撒かれ心に傷を負った。
両親は仕事を失い、本人もクビになった。
女性が無事に助けられたからよかったね、とは決して手放しに喜べない内容となっている。
さらに言えば、助けられた女性とケイルの関係は最後まで明確にされない。
実はこの女性がクソ野郎でした!
なんてオチがあったらもっと考えさせられる作品となったかもしれない。
後味は最悪だが…
人助けのやり方
この女性で印象的なのはラストでのショーンとのやりとり。
躊躇なくケイルをスコップで殴り、「人助けってのはこうやるのよ!」である。
ショーンの力なき正義が無力であることを教えてくれている。
最後は気絶したケイルを、彼女自身と同じように緊縛し、FBIに逮捕させる。
恨みがあるのはわかるがなかなかの人間性だといえそうだ。