【おじいちゃん…】映画「クロノス」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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1992年製作のメキシコ映画
主演者はフェデリコ・ルッピ、タマラ・サナス
不死身の吸血鬼になるクロノスを手に入れた老人のホラー

こんな人にオススメ!
・ギレルモ・デル・トロ監督の原点に触れたい
・世の中弱い吸血鬼もいていいはず
・ミステリアスな少女が見たい

プライムビデオ「クロノス」が5分でわかる!【ネタバレあり】

あらすじ

不幸な発見

ある時計師が建物の崩落に巻き込まれて死亡した。
男が持っていたはずのクロノスの存在は伏せられその行方は知れなかった。

それから400年後の1937年、古物商の老人ヘススは仕入れた天使像からクロノスを見つける。
その天使像を求めてアンヘルというチンピラがヘススの元に訪ねてくる。

ヘススがクロノスのネジを回すと、卵型の体に昆虫のような足が生え、ヘススは持っていた手を傷つけてしまう。
その夜、手の傷に不快感を覚えたヘススは、再びクロノスを取り出し、血を吸わせる。

アンヘルとおじ

翌朝少し若返ったヘススが自身の店に行くと、店はアンヘルにより破壊されており、ヘススはアンヘルに指定された場所に出向く。
そこにはアンヘルに天使像を捜索を命じた叔父がおり、叔父は400年前に時計師が書いたクロノスの使い方を記したノートをヘススに見せ、クロノスを奪い取る。
ヘススは叔父に偽物をつかませ、自宅に隠したクロノスを探すが見つからず、孫娘のアウロラがぬいぐるみの中に隠していた。

ヘススはパーティ会場で鼻血を出した男性の跡を尾けその血を舐めるが、突然気を失いアンヘルに連れ去られる。
クロノスの場所を吐かないヘススに苛立ったアンヘルは、ヘススを事故に見せかけ殺害しようとする。

ヘススの復活

ヘススは車ごと崖から落とされ、遺体収容所に送られる。
ヘススの遺体を確認しなかったアンヘルは叔父に叱責され、アンヘルはヘススの葬式に潜り込む。

ヘススの死体を見たアンヘルはその死を確信するが、火葬される直前で息を吹き返したヘススは密かに棺から抜け出し、自宅のアウロラの元に戻る。
ヘススは世間ではすでに死んだことになっていたが、アウロラはヘススをなんの不思議もなく受け入れる。

潜入、対峙

ヘススはアウロラと叔父の家に忍び込み、クロノスのノートを盗もうとするが、見つかり顔の皮を剥がれる。
ヘススの皮膚の下には新たな白い皮膚ができており、叔父はヘススに人間の血を飲めという。

クロノスを渡せという叔父の申し出を断ったヘススは刺されるが、アウロラが叔父を杖で殴って倒す。

叔父の血を飲んだヘススはアウロラと逃げるが、そこにアンヘルが訪れ、屋上でヘススと対峙する。
ヘススはアンヘルに一方的に殴られるが、アンヘルを巻き込んで屋上から飛び降りる。

倒れているヘススにアウロラがクロノスを使い、ヘススの血を吸ったクロノスの力でヘススは息を吹き返す。

しかしヘススの皮膚は剥がれ落ち、異形の姿になりつつあった。
ヘススはアウロラの血を飲もうとするが、アウロラが「おじいちゃん」と言ったことで正気に戻りクロノスを破壊する。

クロノスが壊れたことでヘススも息絶え、愛人とアウロラに看取られて亡くなるのだった。

レビュー・考察

クロノスは血を吸わせることで不死身の吸血鬼になることができるアイテム。
アンヘルの叔父は不治の病で死ぬ運命を覆すためクロノスを探している。

叔父はクロノスを作った時計師のノートを持っており、その使い方を知っている。
ヘススは偶然クロノスを手にいれ、意図せずに使ってしまう。

ヘススは若返り元気になるが、その代償にクロノスに血を吸わせずにはいられない体になってしまう。
さらにはヘスス自身が人間の血を求めて止まなくなり、トイレの床に落ちた他人の鼻血を舐めるという奇行に及ぶまでになる。ばっちいよ…。

やがてヘススの皮膚は腐り落ち、その下から白い新たな皮膚が出てくるようになる。
さらに吸血鬼らしく日光で傷つくようになる。
でもそれだけで見た目も中身の基本おじいちゃん。

ブレイドみたいに超人的な身体能力を手に入れるわけでもなく、ちょっと若返るだけ。
デメリットの方が多くね?この吸血鬼化。

ここまで人間離れしヘススにも孫娘アウロラは全く動じずついてくる。
ラストでアンヘルと屋根から落ちたヘススの心臓に、おもちゃでも置くようにクロノスを置いてヘススを生き返すあたりこの子もちょっと普通じゃない。
でもトコトコついてきて無言ニコニコヘススを慕うあたりめちゃくちゃかわいい。

終始一言もしゃべらないアウロラだが、ラストでヘススに血を吸われそうになり、「おじいちゃん」と声をあげたことでヘススが正気に戻り、全ての元凶であるクロノスを破壊する。
ヘススの若い愛人とアウロラの距離感ある微妙な関係から血の繋がりがないことがわかるが、ラストでヘススを看取る2人は実の親子のようだった。

結局ヘススは偶然手に入れたクロノスのために命を落とすことになり、アウロラとの楽しい生活も終わってしまった。
さらに身体能力が上がらないしょぼい吸血鬼になってしまった上、アンヘルと叔父に絡まれてクロノスに関わったが故に人生が狂ってしまった。

そんな異形に成り果てても変わらず関わってくれるアウロラとの愛情がテーマのホラー。
パンズラビリンスのギレルモ・デル・トロ監督のデビュー作だが、監督らしいダークな作風が魅力。
かわいい孫娘と見てほしい。

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