【私の完璧な人生】映画「ゴーンガール」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2014年のアメリカ映画
主演者はベン・アフレック、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリス
消えた妻の謎を追うサスペンス

こんな人にオススメ!
・人が怖いホラーが見たい
・夫婦の仲について考えたい
・ワイドショーは信用できない

映画「ゴーンガール」が5分でわかる!

あらすじ

・宝探し

ニックとエイミーは結婚5年目の日を迎えていた。
その日、ニックが双子の妹マーゴと経営するバーから自宅に戻ると玄関のドアが開いており、リビングには荒らされた跡があった。
エイミーの姿はどこにもなくニックは警察を呼ぶ。
自宅を警察が捜査することになったニックは、マーゴの家に泊まることになる。

翌日ニックはエイミーの両親と記者会見を開いて情報を呼びかける。
ボニー刑事はニックの家でヒント1と書かれた封筒を見つけており、それはエイミーが毎年結婚記念日に仕掛けている宝探しだった。
ニックはヒント1を難なくとき、自らの書斎でヒント2の封筒を見つける。
ニックにはヒント2の答えがすぐにはわからなかったので、その日はボニー刑事を帰し、一人密かに祖父の家を訪ねる。
ニックはそこでヒント3の封筒を見つけていたが、そのことをボニー刑事に話さなかった。

かつてエイミーの両親は彼女をモデルにした本で富得たがその後失敗、ニックとエイミーに大金を借りていた。
同じ頃ニックは会社をクビになり、この頃から夫婦の関係はうまくいかなくなり始めていた。
さらにニックの母親が乳がんを患い、ニックとエイミーはニューヨークから田舎のミズーリ州に引っ越すことになる。
しかし母親は助からず、エイミーはニューヨークの家を売り、ミズーリ州にエイミー名義でニックが経営するバーを購入していた。
そんな時、苛立つことが多くなっていたニックがエイミーを突き飛ばす事件が起こる。
そのことをきっかけにエイミーはニックに殺されると思うようになり、安眠するために銃を購入しようとしていた。

・ニックの疑惑

エイミーが失踪して2日目、ニックはボランティアの捜査本部で見知らぬ女性に一方的にペアの写真を撮られる。
さらにニックは以前からアンディという若い女性と浮気しており、アンディはニックが泊まっているマーゴの家に突然押しかけてくる。
マーゴはニックの浮気を知り、その不謹慎さに激怒する。
そんなニックに世論は批判的で、ニックが一方的に取られた女性とのペア写真も報道され、そのことに拍車をかけていた。

その夜、エイミーの別れの夜で演説したニックは、エイミーへの愛を話し自身の潔白を訴えるが、参加者は一様に鼻白んだ様子だった。
そんな空気の中、近所に住むノエルという女性が、エイミーが妊娠していたと言い始める。

ニックの自宅を捜査したボニー刑事は、自宅がわざとらしく事件現場を偽装していることを突き止めていた。
さらにエイミー失踪の直前に、ニックが大量の贅沢品を購入し、エイミーに生命保険も増額していたことがわかる。
しかしニックには心当たりがなく、生命保険もエイミーの希望であったと話す。

さらにエイミーの検査結果から彼女が妊娠していたことが確定、ニックは彼を疑うボニー刑事に弁護士なしでは何も話さないと言い追い返す。

・失踪の真相

ボニー刑事はニックの祖父の家を捜索し、そこでエイミーの日記を見つける。
日記にはエイミーはニックを愛していたが、ニックに殺されるかもしれないということが書かれていた。

実はエイミーの妊娠は偽装で、贅沢品の購入も日記も全ては彼女がニックを殺人犯に仕立て上げるために仕組んだことであった。
エイミーは警察の目につくようわざと自宅を事件現場に偽装し、ニックに疑いが向くようにしていた。
エイミーはニックの浮気を知っており、ニックとの結婚で自身の財産やキャリアを全て失ったことへの復讐を目論んでいたのだ。

ニックがヒント3の封筒を解くと、マーゴの家の薪小屋を指しており、そこにはエイミーが失踪直前に購入した贅沢品の数々が保管されていた。
その中のギフトボックスには手紙が入っており、結婚記念日のプレゼントは刑務所行きだというメッセージが残されていた。

失踪したエイミーは一人で小屋を借り、数ヶ月後に自殺をすることでニックの殺人を決定づける計画を立てていた。

・デキる男トニー

ニックは敏腕弁護士のトニーと会い、かつてエイミーと関わったトミーという男と会うように言われる。
トミーはかつてエイミーと付き合っていたが、束縛するエイミーに異常を感じ、別れようとしたところ強姦罪をでっち上げられ、悲惨なその後を送っていた。
さらにニックはかつて彼女につきまとっていた富豪のデジーに会いに行くが、話を聞くことはできなかった。

世論はエイミーに同情的で、エイミーはそのことにすっかり気を良くしていた。
そして悪くないはずの自分が死ぬのは間違っていると思い始め、自殺する計画を取りやめる。

タナー弁護士はニックにアンディとの浮気をテレビで話し、過ちを認める姿を示すことで世論を味方につけるようアドバスをする。

その頃、エイミーが借りている小屋には隣の小屋に住む男女が尋ねてきていた。
男女はエイミーが持っている札束を狙っており、彼女が警察には通報できないと身であると読んで犯行に及んでいた。
全財産を失ったエイミーは富豪のデジーに会い、巧みに嘘をつき匿ってもらう。

その時、アンディが突然会見を開き、ニックとの関係を暴露する。
予想外の事態にタナー弁護士はニックのニュース番組出演を中止しようとするが、ニックは自分を信じて欲しいと話し予定通り出演する。

ニュース番組でニックは一貫してエイミーは生きていると主張し、彼女への償いと愛を伝える。
突然マーゴの家にボニー刑事が現れ、薪小屋を家宅捜索を始める。
薪小屋で怪しい動きがあると通報したのは実はエイミーで、ニックとタナーも取り調べを受けることになる。
そこでエイミーが偽装した凶器を突きつけられニックは逮捕されるが、タナーの活躍で釈放される。

・完璧なエイミー

エイミーはデジーに乱暴されたと偽装、正当防衛と見せかけデジーを殺し、そのままニックの元に戻る。
記者会見を開いたエイミーは、デジーに監禁されていたと話し、ニックとの間には何もなかったかのように振る舞う。

ニックはエイミーがデジーを殺したのは正当防衛ではないことを見破っていたが、タナーはエイミーに逆らうなと言い残して去り、ボニー刑事も捜査する権限がないとお手上げだった。

エイミーが戻って7週間後、ニュース番組が取材に来る。
ニックはエイミーと別れたがっていたが、エイミーが妊娠していることがわかる。
しかしニックは彼女に触れておらず、実父鑑定を依頼する。
エイミーはニックが捨てるつもりでいた精子バンクを使って妊娠しており、子供が成人するまで離婚できないことになる。
ニックはエイミーに怒るが、エイミーはお互いに苦しめ合うのが夫婦だと言い取り合わない。

ニックがマーゴにそのことを伝えると、マーゴは偽りの夫婦を続けないといけないことに悲哀を感じ、二人は協力していくことを誓い合う。

その後ニックとエイミーが出演したニュース番組で放送され、その中では二人は完璧に幸せな夫婦だった。

レビュー・考察

付き合った相手を犯罪者に仕立て上げるヤバい女の話、一番怖いのはお化けではなく人。

エミリーは自身の人生が失敗と思われることが許せない。
常に自分は被害者で、相手が悪いという世論を作り上げる能力に優れ、周囲を巻き込んで追い込んでいく手管はもはや妖怪。
そのための下準備に手ぬかりはなく、完璧主義で変質的なほど手間がかかっている。

ニックの浮気を知っても感情的に刺すようなことはしない。
ニックを殺人犯にすべく状況を作り上げてしまう。

例えばこんな…
・近隣住民の妊婦ノエルを自宅に招いて尿を採取、エミリー自身のサンプルと偽って検査
・自身で採取した自身の血を自宅内に撒き、それを自身で拭くことで事件現場を偽装
・何年分もの日記を失踪前に作成し、それをいい感じで燃やしてニックが証拠隠滅を図った感じにする

ポイントは事件現場をニックが隠そうとしたよう現場を作ったあたり。
完璧に隠すと警察も気づかないし、隠さないとあからさますぎる。
さらに妊娠を偽装して世論を味方につけてニックを追い詰めるなど、その真綿で首を絞めるような追い詰め方が実に変態的でインテリっぽいプライドを感じさせてくれる。
アテクシはその辺の短絡的な復讐者とは違うのヨ!」ってやつですな。

ニックの他にも犯罪者にされた犠牲者がおり、完全に不幸を呼ぶ女なのだが、客観的にそうさせないのがエイミーの怖さ。
なぜエイミーがこんな性格になったのか?
その答えは劇中で明示されないが、おそらく両親が関係している。

両親がエイミーをモデルにした絵本「完璧なエイミー」は大ヒットしていた。
絵本のエイミーは本物のエイミーより完璧になんでもこなす少女として描かれていた。
両親のそんなプレッシャーを感じて生きてきたエイミーは、いつしか自分の人生の失敗を認められなくなっていたのではないだろうか?

完璧なエイミーには、恋愛が失敗だったなんてありえない。
悪いのは相手、自身は哀れな犠牲者。
そう周囲に印象づけることで自身の完璧な人生を見せつけていないと自身を保てなかったのではないだろうか。
親の呪いで、他人に幸せを見せつけるため、自身が幸せになれないとなるとエイミーもちょっと哀れではある。

現実でもこういう人いるけど、こういう人に相手を貶めるより、自身が幸せになる方法を考えた方がいいですよと言っても聞かないんだろうね。
でも得てして相手を貶める人が有利になるが日本社会。
エイミーみたいな人が出世して社会の中枢を担って行くのだから、日本もダメになるわけですな。

客観的にはキラキラしているように見える。
そういう演出が上手い人ってもはやホラーですなという好例を見せてくれる。
そんな映画。
ワイドショーの演出するキラキライメージに騙されてはいけない。

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