【疎まれる強大な力】映画「CODE8」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2019年のカナダ映画
出演者はロビー・アメル、スティーヴン・アメル、サン・カン
超能力を持つ青年が母を救うため犯罪に手を染めるSFスリラー

こんな人にオススメ!
・実は特殊能力を持っている
・力あるものは認められるべきだ
・ギャングものが好き

映画「CODE8」が5分でわかる!

あらすじ

・コナーの仕事

超能力がいる世界。
超能力者はかつては産業の発展に貢献したが、機械化で職を亡くし、今では差別と迫害を受けるようになっていた。
社会では依存性の高いドラッグ、サイクが流行。その原料は超能力者の髄液で、超能力者の中には自らの髄液を売り糊口を凌ぐものすらいた。

超能力者の青年コナーは母と二人で暮らしていたが、超能力者で仕事に就くには高額な登録が必要で、生活は安定しなかった。
そんなコナーの元に、麻薬の密売組織が近づいてくる。
ギャレットという男に誘われたコナーは電気系の能力を活かして、サイクの原料となる水素を盗み出す仕事を成功させ、ギャレットに評価される。

翌日、コナーはギャレットに銀行強盗の仕事を紹介される。
ギャレットはコナーを評価しつつも未熟であると考えており、鍛えなおす必要があると考えていた。
コナーはギャレットから世間に屈せず、自分を信じて突き進むことを教わり、ギャレットの右腕として成長する。

そして銀行強盗の日、コナーはギャレットと銀行の金庫に踏み込むもそこに大金はなかった。
現場から逃げようとしたところをパトロールドローンに発見されるが、コナーが電気でドローンを撃墜し逃走する。

・サイク襲撃作戦

ギャレットは麻薬組織のボスマーカスに奪った金を収めるが、マーカスが上位組織に必要な上納金には全く足りなかった。
さらに警察のパーク捜査員がマーカスの捜査を進めており、大量のサイクを押収されたことでマーカスは窮地に陥っていた。

そんな時、氷系の超能力者だったコナーの母に脳腫瘍があることがわかる。
このせいで母親は能力が制御できなくなってしまい、自身自身が凍り始めていた。

コナーは母を治すため、警察のサイク処理現場を襲撃する計画を提案する。
コナーは報酬としてマーカスが囲っているレアというヒーラー能力者を引き取るを要求、ギャレットはマーカスと対等のボスの地位を要求する。

マーカスとギャレットは計画通りサイクの輸送車を奪うことに成功するが、マーカスの一派が裏切り、ギャレットたちを銃撃する。
ギャレットとコナーは無事だったが、部下を多くを失い逃走、マーカスはサイクを独占する。

・逆襲のギャレット

警察のパーク捜査員は超能力者の娘がおり、かねてよりコナーに同情的だった。
コナーはパーク捜査員にマーカスの居場所を教え、パーク捜査員はコナーに自首を勧める。

パーク捜査員はマーカスのアジトを襲撃、マーカスは逃走中にギャレットに見つかり射殺される。
マーカスの側近の筋肉系能力者と戦闘になり、ギャレットとコナーは協力して倒す。

コナーはヒーラーのニアを母の病院に連れて行き治療させようとする。
しかしニアの能力は相手の傷を自分に移すものであることがわかる。
治療を続けさせればニアが死ぬことを悟ったコナーは治療を断念、母親は息を引き取る。

・別れと再会

この事件がきっかけで、超能力の使用を全面的に禁止する法案の審議がはじまる。
パーク捜査員は功労者として表彰されるが、複雑な表情を隠せない。
ギャレットはマーカスの代わりに上位組織に金を収め、ボスの座に就く。
コナーは母の墓参りをして、別れを告げる。
そしてニアは、マーカスに借金をしていた刑務所の父を訪ね、再会を果たすのだった。

レビュー・考察

超能力系SF映画。
主な登場人物と能力者をまとめると

電気系(コナー):電気を放出できる。コナーは第5級能力者。
氷系(コナーの母):なんでも凍る。制御できない様はほとんどアナ雪である。
熱系(ギャレットの部下):握るだけで鋼鉄も溶解できる。強くね?
念力系(ギャレット):サイコキネシスを使うことができる。戦闘向き。
筋肉系(マーカスの部下):強靭な肉体は銃弾すら通さない。要は肉壁。
心を読む能力(マーカス):超便利能力なのに、ほとんど使わなかった。
ヒーラー(ニア):実は傷や病気を自分に移しているだけであることがわかる。

これだけの能力者が、機械化だけで社会の片隅に追い込まれているのがユニーク。
超能力者がその力を生かして働くには高額な登録が必要。
一般人は日雇い労働に勤しむかサイクの原料になるしかなく、どちらも選べないなら犯罪者になるしかない。

しかも超能力は遺伝し、コナーも亡くなった父が電気系能力者だった。
親ガチャという言葉があるが、努力ではどうにもならない資質と社会の壁を感じさせる。

いわゆる発達障害の人たちも、一定の領域ではすごい能力を持っているのに、多くの人とちょっと違うだけで社会からシャットアウトされてしまう。
そんな差別へのメタファーを感じさせてくれる内容となっている。

この映画の一連の騒動で、結局何が変わったのだろうか?
コナーは母の治療のため犯罪に手を染めたが、結局母は救えず、前科だけが残った。
ギャレットはコナーのおかげでマーカスを倒し組織のボスに、しかしその過程で信頼できる部下を全て失った。
パーク捜査員はマーカスを倒した功績で表彰される。しかし超能力は全面的に禁止され、超能力者である彼の娘の先行きは暗い。
ニアはマーカスが死んだことで父の借金がチャラに。マーカスから解放され父親と無事に再会を果たす。
コナーが始めた物語で、ニアが棚ぼたゲットという奇妙な構図になっている。

ツッコミどころは多いが、派手な超能力とは裏腹な寂しげな最後がユニークな作品。
ありきたりな厨二バトルに飽きたみなさんにオススメだ。

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