2001年アメリカ制作のホラー映画
主演者は ジーナ・フィリップス、ジャスティン・ロング
こんな人にオススメ!
・B 級映画が好き。
・怪人系ホラーが見たい。
・ネタ作品を楽しめる。
映画「ジーパーズ・クリーパーズ」が5分でわかる!【ネタバレあり】
あらすじ
不気味なトラック
トリッシュとその弟のダリーが帰省のため車で田舎道を走っていると、後ろから不気味なトラックが煽ってくる。
運転していたダリーは何とかトラックを先に行かせ、ことなきを得るが、この一件にトリッシュはかつて起きた凄惨な殺人事件のことを思い出す。
しばらく車を走らせると、不気味なトラックが停まっており、運転手らしき怪しげな男が血のついたシーツに包んだ何かを穴の中に捨てているのを見かける。
ダリーの車がその前を通り過ぎるとトラックは再び追いかけてきて、ダニーの車は後ろからトラックにぶつけられる。
ダニー路肩の草地に逃げ込むと、トラックはそのまま直進し去っていった。
ダニーは戻って男が何かを捨てていた穴を調べると言い出し、トリッシュは反対するも押し切られ渋々同行する。
穴の中からは悪臭がし、ダリーが呼びかけるが返事はない。
しかし誰かの声を聞いたというダリーは穴に入ると言い出し、トリッシュが止めるのも聞かずに穴の中に入ってしまう。
ダリーの足をトリッシュが掴んでいたが、穴から出てきたネズミに驚いたダリーが暴れたためトリッシュは足を離してしまい、ダリーは穴の中に落ちる。
穴の中にはシーツに包まれた死体があり、その腹部は何者かに切開された痕があった。
ダリーはトリッシュに助けを呼ぶ呼ぶよう指示し、自身は穴の中を捜索する。
穴の中には多数のシーツに包まれた死体と、何かの実験器具のような設備があった。
ダリーが天井を見上げると、壁や天井には無数の全裸の死体が埋まっており、中には首を切られた後縫合された女性の死体もあった。
その手にはかつての凄惨な殺人事件の呼び名にもなったダーラとケリーの名前が入った指輪が嵌められていた。
現れた怪人
トリッシュは助けを求めるため通り沿いに出ていたが、一度車に戻ったところにダリーが自力で戻ってくる。
トリッシュは車を走らせ、偶然見つけたレストランに立ち寄るが、そこにあの不気味なトラックが通りかかる。
トリッシュはレストランに逃げ込み、警察を呼ぶよう頼むが、そこに突然電話がかかってくる。
電話の主はなぜかダリーのことを知っており、あの教会は苦痛の館だという。
電話の主は「ジーパーズ・グリーパーズ」という曲を聴かせ、その曲が聞こえたら逃げるように言う。
やがて訪れた警察にダリーはことの次第を話すが全く信じてもらえず、ダリーらの車も何者かに荒らされてしまう。
目撃者の証言では、犯人はダリーの洗濯物の臭いを嗅いでいたという。
ダニーとトリッシュは車でパトカーを先導し、教会へ案内していたが、ダリーの車のラジオから「ジーパーズ・グリーパーズ」の曲が流れてきた。
その時パトカーの屋根に何者かが飛び乗り、警官たちを殺す。
ダリーは車を停めて様子を見るが、パトカーの運転席には警官以外の何者かがおり、殺した警官の頭部を持ってその舌を食べていた。
トリッシュとダリーは車で逃げ、民家の老婆に助けを求めるが、老婆が飼っている猫たちが突然怯え始めると、そこにあの男が現れる。
猫達を脅かされて怒った老婆は、銃を突きつけ男に立ち去るように言うが、返事がなかったため発砲する。
突然姿を消した男は屋根から民家に入り、老婆も家内に戻って銃で応戦するものの、男に殺されてしまう。
男に見つかったダリーとトリッシュは車で逃げようとするが、男に行手を塞がれたため轢こうとするが、男は車を難なく飛び越えてしまう。
しかし数度目で男を轢くことができたトリッシュは、倒れた男を何度も轢いて止めを刺そうとする。
倒れた男の背中からは蝙蝠のような羽が生えており、それを見たトリッシュは車を走らせ逃走する。
ダリーの行方
警察署に逃げ込んだダリーとトリッシュの元に、ジェゼルという女性が二人を訪ねてくる。
ジェゼルは予知夢を見る超能力者で、彼女こそがレストランでダニーに電話をした人物だった。
ジェゼルによると、あの男の正体は人間ではなく、23年ごとに23日間現れ、人間を食べることでその一部を自分のものにしているという。
男はすでに警察署内に入り込み留置所内の容疑者を食べていたが、それを見つけた警官が発砲するも虚しく男の犠牲になる。
この事態に警察署内は騒然となり、ダリーとトリッシュは混乱に乗じて警察署を脱出しようとする。
しかし避難口が閉まっており、ジェゼルが男に襲われるが、男はジェゼルを殺さずその場を立ち去る。
男は目が見えず臭いでダリーを見つけようとしていた。
ダリーは屋上に逃げようとしたところを男に捕まるが、そこに警官達が現れ一斉に銃口を向ける。
男はダリーを人質に取ったため膠着するが、トリッシュは男に自身を人質にするよう呼びかけると、男は蝙蝠の羽を広げてダリーを連れて外に飛び去っていく。
翌朝、警察署に迎えにきた両親と帰ろうとした際、トリッシュはジェゼルが見た予知夢の内容を聞く。
予知夢はダリーが暗闇の中でジーパーズクリーパーズの曲を聴いて悲鳴を上げる内容で、外れることは無いようだった。
その後、廃工場連れ去られたダリーの体は男によって吊るされており、その眼球はなくなっていた。
そして男の何もなかったはずの眼窩には、ダリーの眼球が収まっていた。
レビュー・考察
張り込まれた投げっぱなしの伏線
前半は謎のトラックドライバーの正体を追う感じのサスペンス。
なぜトラックドライバーの男は、人を殺して次々に穴に放り込んでいます。
穴の中にあった男女の死体は23年前の事件の被害者ダーラとケリーでしたが、なぜその遺体はきれいな状態で残していたのか?どうやって保存したのか?なぜ首を縫合していたのか?穴の中でシーツに包まれていた若者は、ダリーに何を伝えようとしていたのか?などなど謎が謎を呼ぶ展開に想像力が刺激されます。
なかなか引き込まれる作りになっており、張り込まれた伏線の回収に期待が膨らんでいきます。
しかしその正体は23年に一度現れ23日間現れる人外のなにかであることがジェゼルの一言であっさり判明し、ここからなんでもありの怪人系ホラーに成り下がっていきます。
帽子にコートを着用し、執拗にダリーを追いかけるその様子はバイオハザード3のネメシスを想起させます。
本格サスペンスを見ていたはずなのに、突然バイオハザードの世界に放り込まれた視聴者の戸惑いはいかほどのものか…。
ラストはダリーが男に捕まってしまいバッドエンド。
前半張り込まれた伏線も全く回収されず後味は良くありません。
怪人の正体
トラックドライバーの男は23年に一度現れる人外の何かで、23日間人を殺して食すことで、体の一部を自分の一部のできる力を持っています。
そのため、トリッシュに何度も車で轢かれても、勾留中の容疑者を食すことで回復することができます。
目が見えず、臭いでダリーを追っていましたが、ラストではダリーの目を奪って自分のものにしています。
途中警官の舌を食していましたがそれでも話せないあたり、声帯が足りなかったか何かをおいしく味わいたかっただけなのか…
ちなみに男がなぜ死体をきれいに保管していたのか、なぜ縫合していのかは全く明かされません。
その姿も人型に蝙蝠の羽と怪人型で中途半端な印象です。
完全に人間できちんと謎を解明して終わるか、全く異形の怪異で完全なホラーとして楽しめたらちょっと違ったのかもしれません。
単なる銃で死なない、人外の身体能力をもつ怪人と言ったところで、やはり人ベースで改造されたバイオハザードの悪役といった感じです。
竜頭蛇尾
全体的に竜頭蛇尾という言葉が相応しい一本になっています。
伏線の投げ捨てや後味の悪いラスト、大物感たっぷりで出てきた割には結局なんのために出てきたのかよくわからないジェゼルなど尻切れ感がすごいです。
それでも伏線を張っている時のワクワク感とか、立ち寄った田舎のレストランの客達の不気味さとか本当に前半はよくできているだけに、後半がもったいないです。
そうなったのも、どうやら予算カットで削除されたエピソードがあり、そのせいで後半ががっかりになったようです。
削除されたエピソードは続編である「ヒューマン・キャッチャー」で一部が採用されているようですので、気になる方はそちらもご覧ください!