2016年のアメリカ映画
主演者はダグ・ジョーンズ, ランス・ヘンリクセン, エヴァ・スワン
サイパンにある呪いの洞窟に迷い込んむホラー
こんな人にオススメ！
・王道ホラーが好き
・時間軸の歪んだ話が好き
・サイパンに行ったことがある
映画「ゲヘナ 死の生ける場所」が５分でわかる！
・呪いの洞窟
サイパンをリゾート開発の視察で訪れたポリーナは、タイラーとアラン、デイブの仕事仲間と現地ガイドのぺぺを連れてリゾート地の現地調査に向かう。
しかしその土地は太平洋戦争中日本軍が占領していた土地で、占領されるまでは神聖な墓地だったため、現地では売却に反対する運動が起こっていた。
その土地の入り口には、幸運を呼ぶと言われる現地の民芸品ボージョボー人形が結んであった。
デイブがドローンで敷地を撮影していると、偶然敷地内に何者かが侵入しているのを見つける。
侵入者は現地民で、侵入者の老人は地面にある何かに礼拝しているようだった。
ポリーナらが現地民を退去させ、老人がいたところを見ると洞窟があり、興味を持ったポリーナらは中を探索することにする。
退去した老人が落とした人形をデイブが拾うが、通常男女ペアの人形のはずが、拾った人形はその片割れしかなかった。
・襲われるポリーナたち
洞窟を探索する一行だったが、その中にはミイラ化した死体がいくつかあり、戦時中には似つかわしくない女性の死体もあった。
さらに中に進むと、突然ゾンビのような老人が現れ、ここから出ていけと掴みかかってくる。
アランは思わずゾンビを突き飛ばしてしまい、ゾンビは呪いの言葉を残して生き絶えた。
その時、突然洞窟内に怪音が響き渡りポリーナらは気を失う。
目が覚めると洞窟内で倒れており、それまで真っ暗だった洞窟内になぜか電気が灯っていた。
部屋の扉もいつの間にか閉まっており、一行は洞窟内に閉じ込められてしまう。
別の出口を探すため、洞窟内を探索する一行だったが、洞窟内のレイアウトが変わっていることに気がつく。
気絶していた一瞬の間に起こった出来事に一行は不気味さを感じる。
そんな空気に耐えられなくなったアランは、ペペを連れ別行動を始めてしまう。
ぺぺは現地の神タオタオモナの怒りに触れると怯えており、そんなペペにアランは苛立ちをぶつけてしまう。
するとぺぺは不気味な様子になり、誰もここからは出られないと呟き始める。
同じ時、ポリーナらは洞窟内に潜んでいた日本軍の生き残りに出会い、銃を突きつけられていたが、様子のおかしい日本兵は突然持っていた銃で自殺する。
ぺぺと洞窟を探索していたアランは無線室を見つけるが、説明が日本語だったので、日本語のわかるタイラーを呼び操作させる。
しかし無線はどこにも繋がっておらず、自決を促す戦時中の録音だけが流れ続けていた。
日本兵が自殺じた現場に来たぺぺは、日本兵が片割れのボージョボー人形を持っているのを見つける。
しかしそこに昔亡くなったはずの母親がゾンビなって現れ、ぺぺに短剣で自殺を命じる。
洞窟の奥に進んだポリーナたちは大昔に原住民が描いた壁画を見つける。
それはボージョボー人形のモデルとなった話で、人形には族長とその花嫁の魂が込められているという。
話では族長は花嫁と引き離され、かつてサイパンを侵略したスペインの司令官とともに埋められているという。
その結果、司令官は呪われ、族長は今も洞窟内を彷徨っているという。
ポリーナらが壁画に気を取られている間、デイブはあ女性のゾンビと遭遇、慌てて逃げようとして足を負傷する。
負傷したデイブを洞窟内のベッドに寝かせ、ポリーナが看病する。
捜索を続けていたアランは旧日本軍の司令室を見つけるが、そこに血を流したぺぺが現れ、アランに短剣を突きつけると笑いながら去っていった。
・ゲヘナ
ベッドで寝ていたデイブだったが、そこに女のゾンビが現れ首を絞められる。
一緒にいたポリーナにゾンビの姿は見えておらず、突然苦しみ出したデイブを助ける。
女のゾンビはデイブの姉の姿をしており、過去に事故で亡くなっていた。
デイブは洞窟の入り口で老人が落としたボージョボー人形のことを思い出し、その時拾った女の人形のつがいとなる男の人形を見つけられば洞窟を出られるのではと考える。
ポリーナは、アランが通信室で1944年のラジオ放送を聞いていたことを知り、洞窟のレイアウトが変わっていたのは、別の時代の洞窟に移動していたからだと気がつく。
動揺するアランの前に突然アランが突き飛ばした老人のゾンビが現れ、呪いの言葉を残して忽然と姿を消す。
ポリーナはボージョボー人形の男女を合わせれば洞窟を出られると話すが、アランの前にまたぺぺが現れる。
チラチラ姿を現しては逃げるペペに怒ったアランは、洞窟の奥にペペに追って行ってしまう。
ポリーナの元には6年前に溺死した息子のジャックが現れるが、ジャックは突然ゾンビ化、パニックに陥ったポリーナをタイラーに助けられる。
そこにアランが現れポリーナを侮辱するが、その声はタイラーにしか聴こえていなかった。
ポリーナの声で正気に戻ったタイラーはあの日本兵も同じような幻聴を聞いていたことを思い出す。
日本兵の手記を読むと部下の1人がおかしくなり、一心不乱に何かを発掘し始めたと言う。
部下が発掘した先には呪いが始まった部屋ゲヘナがあり、そこには一体のゾンビがいた。
日本兵はこのゾンビを短剣で殺したが、同時に死ぬ気でこの島を守るよう命令されていた。
狂った部下を日本兵は殺し自らも自殺していたが、死ねずに洞窟内を彷徨っていたことがわかる。
・お前は必ず死ね
アランは1人でぺぺを探しに行っている間にデイブが死亡する。
デイブが死の直前まで撮っていたカメラにはぺぺの姿が映っていた。
デイブを看取ったポリーナとタイラーは出口を求め洞窟の探索を続ける。
暗闇から悲鳴がするのでカメラ越しにその方向を見ると女性の姿が映っていた。
しかしポリーナには何も見えておらず、怯えるタイラーをポリーナが落ちるかせる。
ポリーナとタイラーはゲヘナの入り口を見つけ出すが、そこにアランがやってきて突然タイラーを刺す。
デイブを殺したのはアランで、ポリーナも殺されそうになるがゲヘナに逃げ込む。
ゲヘナの中でミイラ化した死体を見つけたポリーナだったが、そこに血塗れのぺぺが現れる。
ぺぺのよるとミイラかした死体は先住民を苦しめたスペイン人で、300年以上1人で閉じ込められていたという。
ポリーナはボージョボー人形の片割れをペペに見せ、ぺぺの持っている人形と合わせれば呪いが解けて脱出できると話す。
ぺぺが人形を合わせようとした時、背後にアランが現れぺぺをスコップで攻撃する。
倒れないぺぺをアランは執拗に叩き続け、ぺぺはとうとう力尽きるが、アランに証人は1人だけ、あなたは何もわかっていないと言い残す。
アランは逃げたポリーナを追いかけるが、ポリーナは自殺した日本兵が持っていた拳銃を奪ってアランに突きつける。
タイラーも重傷を負っていたものの生きており、タイラーが止めるのも聞かずにポリーナはアランを撃つ。
タイラーは生き残るのは1人だけとポリーナに話し、タイラーはポリーナへの愛を伝えてその額を撃ち抜く。
まだ息のあるアランに、タイラーは最後まで生き残った方が負けだと言い残して生き絶える。
タイラーが持っていたカメラには、洞窟に入ってきた時の映像が残っており、入り口で見つけた女性の死体は70年後のポリーナであることがわかる。
最初にアランが突き飛ばした老人のゾンビは実は自分自身で、この時代から生き残ったアランの成れの果てだった。
そして70年後、再びこの洞窟をポリーナらが訪れ、ゾンビになったアランは自身に突き飛ばされ、お前は必ず死ねと言い残すのだった。
レビュー・考察
サイパンの呪いの洞窟に迷い込んだ西洋人の話。
この洞窟は呪いで（？）時空が歪んでおり、時間の概念がない。
ゾンビに襲われワープしたポリーナたちは1944年の洞窟にワープする。
そこで日本兵に会うが、すでに気が狂っており自殺する。
この洞窟の仕様として常に1人の生者が必要で、日本兵は狂った部下を全員殺してしまったので最後の1人になってしまった。
自殺したが死ねずに彷徨っていたところに、ポリーナらが現れたのでこれ幸いと自殺。
残されたポリーナたちの中で、生き残りをかけた戦いが始まるが、最後はアランが生き残り洞窟を彷徨うことになる。
70年後、すっかりゾンビ化したアランは洞窟を訪れた自分自身にお前は必ず死ねと忠告すするが、アランは訳がわらず生き残ってしまう。
この洞窟ゾンビの幻覚を見せる呪いがかかっており、失った大切な人がゾンビの幻覚として現れる。
登場人物とそれぞれが見る幻覚をまとめると
ぺぺ ➡︎母親
デイブ ➡︎姉クレア
ポリーナ➡︎息子ジャック
タイラー➡︎恋人？ポリーナ
アラン ➡︎自分アラン
アラン…お前…
タイラーが見た女性のゾンビは実はポリーナ。
タイラーはポリーナへの愛を伝えた後、最後に生き残らないよう額を撃ち抜いて殺す。
タイラーが見たゾンビは大人の女性でポリーナそっくり、極め付けは頭に穴が空いていた。
ポリーナを殺すより先にゾンビが出ているが、この洞窟に時間の概念は通じない。
ラストでボージョボー人形の男女を合わせてハッピーエンドとならないのがちょっとユニーク。
ここまで呪いの話を引っ張って結局解決せんのかい！
というツッコミも虚しく登場人物は次々といなくなる。
サイパンという島の侵略の悲しい歴史にも触れることができるホラー。
ちなみにボージョボー人形はリアルにサイパンを代表する民芸品である。
