2021年のアメリカ映画
主演者はクリス・プラット、イヴォンヌ・ストラホフスキー、ベティ・ギルピン
エイリアンとの戦いに敗れた未来を救うために戦うSF映画
こんな人にオススメ!
・崩壊した近未来の世界観が好き
・エイリアンものが好き
・雑な設定を楽しめる人
映画「トゥモロー・ウォー」が5分でわかる!
あらすじ
未来からの使者
2022年12月、元軍人のダンは妻エミー、娘ミューリとクリスマスパーティーに参加していた。
テレビではサッカーのW杯が放送されていたが、その最中、突然空間が捻じ曲がり武装した兵士がグラウンドに乱入する。
兵士達のリーダーは、私たちと共に戦ってほしいと中継を通し世界中に訴えた。
1年後、世界的で現代から未来世界への派兵が始まっており、民間人も徴兵されるようになっていた。
ダンも教員としての職を得ていたが、ある日突然軍に呼び出され検査を受けさせられる。
検査の結果ダンは2030年に死亡することがわかり、適正ありと認められたダンは軍への復帰を言い渡される。
ダンはその場で腕に未来世界への転送を管理する装置を着用させられ、訓練に参加するよう命じられる。
ダンがこのことエミーに話すと、エミーはミューリのために逃げて欲しいと言い、ダンとは不仲の父を頼るように言う。
父は資産家の雇われ整備士をしており、話を聞いてダンの腕の装置を外そうとするが、その場で口論となり物別れに終わる。
ダンは軍の招集に応じ7日間未来の戦場に送り込まれることになる。
そこには同じく派兵されることになった人々が集められており、未来の兵士から未来世界でホワイトスパイクを倒すように言い渡される。
徴兵されたダンらは訓練を受けていたが、宿舎に突然サイレンが鳴り響き、訓練中にもかかわらず突然未来に派兵されることになる。
ダンらは部屋の一室に作られたワームホールで2051年の未来世界に飛び込む。
人々は未来世界にジャンプするが、移動先では空中だったため、放り出された人々は負傷・死亡し、偶然プールに落ちた人々だけが無事だった。
絶望の2051
2051年の街は宇宙から来たホワイトスパイクとの戦争で崩壊していた。
未来世界の司令は、ホワイトスパイクに占領された街を爆撃するので、研究施設に取り残された研究員を救出するようダンらに指示する。
研究施設に着いたダンらだったが、研究員はすでに死亡しており、捜索するよう指示された青いアンプルを回収し脱出しようとする。
しかしそこにホワイトスパイクが現れる。
ホワイトスパイクは醜悪で凶暴な生き物で、群れをなして襲ってくる上、喉と胸以外への攻撃が効かなかった。
研究施設を脱出して街中を逃げるダンらだったが、助けに来たジープの部隊は目の前でホワイトスパイクにより全滅したため、ダンらはその場で戦うことになる。
爆撃機の爆撃が始まる中、ダンらは戦い続けていたが、最終爆撃の時間が迫っていたので仲間に殿を任せ街を脱出する。
生き残ったダンは司令官に呼び出され、司令官が娘のミューリであることを知る。
未来のミューリはMITで生物工学の博士号を取得しており、この部隊を設立したのも彼女だった。
この世界の人口は50万人を切っており、近く人類は絶滅するとミューリは言う。
ミューリは毒物の効かないホワイトスパイクのメス個体の捕獲作戦を計画しており、そのためにダンを呼び出していた。
ホワイトスパイクの巣に降り立ったミューリの部隊は、メス個体の捕獲を狙っていたが、失敗し被害を受ける。
ミューリも自ら巣に飛び込んで作戦に参加するが、ホワイトスパイクにより追い詰められる。
そこにダンが助けに入り、なんとかホワイトスパイクのメス個体を檻に閉じ込め捕獲することに成功する。
作戦の後、ダンはミューリと話し、ダンはミューリが14才の時エミーと離婚し、16才の時交通事故で亡くなったことを知る。
ミューリの部隊は海洋基地に拠点を構えており、ミューリはそこで捕らえてきたメスのホワイトスパイクに効く毒物の研究を行っていたが、翌日はダンが任期を終え現代に帰還する日だった。
ミューリは完成した毒物をダンに持ち帰らせ、現代世界で毒物を大量生産させようとしていた。
それでもミューリをはじめとする未来世界の人類の全滅は避けられないが、ダンは過去を変え再び助けにくるとミューリに約束する。
ミューリの懸命な努力で毒物は完成するが、その時捕らえていたメスのホワイトスパイクが目を覚まし雄叫びを上げる。
するとどこからともなく大量のホワイトスパイクが海を泳いで基地に迫って来たため、ミューリは完成した毒物をダンに持たせ、ダンを現代世界に転送しようとする。
しかし行く手をホワイトスパイクに阻まれ、襲われたミューリをダンが助けている間に、救助のヘリは飛び立ってしまう。
しかしそのヘリも墜落し基地は炎上、ミューリは傷が元で立てなくなり、寄り添ったダンにも帰還の時が迫る。
ミューリは毒物をダンに託し転送させようとするが、そこにホワイトスパイクが現れミューリを海に引き摺り込もうとする。
ダンはミューリの手を掴み助けようとするが、ミューリは自ら手を離してホワイトスパイクの群れがひしめく海に落下する。
氷河へ
現代に転送されたダンだったが、未来への転送リンクが壊れ、もう二度と未来世界に行けなくなったことを知る。
自宅に戻ったダンをエミーと9才のミューリが迎え、ダンは愛する家族との再会を喜ぶ。ダンは未来世界での出来事をエミーに話すと、
エミーはホワイトスパイクは未来に降り立ったのではなく、はるか昔から地球にいたのでないかと考えるようになる。
ダンは未来世界で共に戦ったドリアンという男が持ち帰っていたホワイトスパイクの鉤爪を調べ、成分に中国か朝鮮半島の灰が含まれていることがわかる。
ダンは教師時代にクラスにいた火山に詳しい生徒に聞くと、それは945年の白頭山大噴火ではないかという。
ホワイトスパイクはそれ以前からロシアの氷河におり、1000年かけてそこから出てきたものと思われた。
ダンはロシアの調査を政府に申請するも断られ、父の力で飛行機を借りロシアに向かう。
毒物を量産しロシアに入ったダンは、氷河で奇妙なクレーターを見つけ、その周囲を爆破すると洞窟が見つかる。
洞窟の奥には凍りついた宇宙船があり、その中には死亡した宇宙人の死体があったがホワイトスパイクの姿はなかった。しかし宇宙船の一室にはホワイトスパイクの卵があり、ダンらは毒物を撃って殺す。
しかしその途中でホワイトスパイクが目覚め、宇宙船の外に出てしまう。
ホワイトスパイクが次々と目覚めたため、ドリアンが宇宙船の自爆装置を起動し、宇宙船ごと爆破するが、メスの1匹を取り逃してしまう。
ダンと父は雪原でホワイトスパイクと戦い、一時劣勢となり父が差し違えようとするが、ダンが持っていたドリアンから受け取った鉤爪と最後の毒物を使って倒す。
ダンは妻子の待つ家に戻り、父とミューリに会わせるのだった。
レビュー・考察
ホワイトスパイクとは?
宇宙から来たエイリアン。
地球の生物と似た形態をした白色の生命体で、四足歩行をするほか体から生えた触手で攻撃できる。
また針を飛ばして遠距離攻撃することもでき、名前の由来であると思われる。
特徴は群れをなして行動することで、その物量に未来世界は圧倒されている。
オスとメスがおり、メスの方がやや大きく凶暴。オスはメスを守るように動く。
ミューリはオスに効く毒物は開発できたが、なぜかメスには効かず、メスに効く毒物を開発しようとしていた。
そのためにはメス個体を生け捕りにする必要があり、その捕獲作戦にダンも参加する。
なぜか週休日があり、週一回必ず巣に戻るらしい。
妙に労働条件に律儀なエイリアンである。
ミューリの目的
未来のミューリはメスのホワイトスパイクにも効く毒物を開発しようとしていた。
しかし崩壊した未来世界では毒物を量産できないので、最も信頼するダンを現代から呼び出し、現代世界で毒物を量産する計画だった。
ミューリは未来世界の滅亡は不可避と考えており、過去を変えるためにダンを呼びしていた。
毒物は完成したが、未来世界の滅亡は防ぐことができず、ミューリも死亡する。
ポータルも故障したので、ダンが現代で毒物を量産しても未来世界に戻れなくなる。
しかしダンは現代世界でホワイトスパイクを倒すことに成功し、悲劇的な未来は避けられた。
ホワイトスパイクが現代世界にすでにいたのが幸運だった。
異様に人命軽視な世界観
ミューリは現代世界へのポータルを開き、助けを求めることに成功したが、なぜか異様に命の軽い作戦を立ててしまう。
・徴兵された現代人の中にはダンのような元軍人もいたが、チャーリーのように明らかに素人っぽい人もいた。
・現代人は近くのコンビニでも行くような格好で訓練を受けており、支給されたのは銃だけ。
・訓練の途中にも関わらず、突然未来世界に転送される。食料や水も支給されない。
・転送先はなぜか空中。落ちた所が悪いと戦う前に死亡する。
というか運よくプールに落ちた人だけが生き残れるくらいの低確率。
これ勝つ気ないよね!?
派兵を依頼したミューリが悪いのか、派兵した現代国家が悪いのか分からないが、あまりにも人命が軽すぎる…人権とかないんか!?
ダンがプールに落ちなかったらどうするつもりだったのだろうか。
あまりに運任せな作戦に頭が痛くなる…転送先は基地内とかにしてほしい。
ちなみに徴兵された現代人の中にチャーリーのような明らか素人がいたのは、タイムパラドックスの恐れがないことを基準にして選んでいるから。
ダンは2051年では生きていないことが確認できたから適性ありとなった。
いや、体力とか戦闘経験で選んでよ…。
設定に雑な部分が残るが、全体的にテンポがよく、気軽に楽しめる良作。
崩壊した近未来が安易に救われないのも面白い。
エイリアンとか崩壊した近未来とか、そういう設定が好きな方にはオススメします。