2020年スペイン製作のホラー映画
主演者はベゴーニャ・バルガス, イバン・マルコス, ベア・セグラ
こんな人にオススメ!
・事故物件モノが好き。
・LGBT問題に興味がある。
・宜保○子さんのファン。
映画「スケアリーアパートメント」が5分でわかる!
あらすじ
いなくなったラファエル
マドリードのアパートに、マノロとカンデラの夫妻が、3人の子供と痴呆の父を連れて引っ越してくる。
長女のアンパロと長男ぺぺはお互いの連れ子で、夫妻の息子であるラフェエルはまだ5歳だった。
ある時、アンパロがラファエルの髪をとかしていると、同じ部屋にいたはずの祖父がいなくなっていた。
アンパロが祖父を探して寝室を出た途端扉が閉まり、その隙間から覗くと醜い何かの脚が見える。
マノロがドアを蹴破るとラファエルは出窓から外に足を投げしていた。
マノロが慌てて助け、アンパロにドアを閉めるなと叱る。
翌日、ぺぺが自室にいると向かいの部屋からクララと名乗る人物から手紙が届き、一家がくるのを待っていたという。
アンパロは一人で外に出て行った祖父を追いかけるが、部屋に一人残されたラファエルにテレビの中の老婆が語りかけてくる。
テレビの老婆は、誰かを連れてくるといい、ラフェエルはテレビの中から出てきた手に掴まれる。アンパロが部屋に戻った時、そこにはすでにラファエルの姿はなかった。
解決への糸口
アンパロは警察を呼び、一家はアンパロを家に残してラファエルの捜索に出る。
留守居をしていたアンパロが電話をとると、正面の空き部屋からラファエルの声がしてくる。
戻ってきたマロノは強引にドアを開けるがそこには誰もいなかった。
しかしカンデラはここにラファエルがいると直感しており、一家は部屋に入っていく。
部屋の中には小さな足跡が続いており、それらは一家の部屋に隣接する壁に消えていた。
アンパロは自宅のカーテンの向こうにラファエルの気配を感じカーテンを開けるが、出てきたのは化物だった。
アンパロはこのアパートの前の住人に話を聞くため、スサナという女性を突き止め電話をするが、何も答えてもらえなかった。
カンデラの勤務するブティックには、老婆タバロスと霊感を持ったその娘ロラが現れ、カンデラに悪魔を祓うタロットカードを渡す。
終わらない恐怖
ぺぺの元にはクララから再び手紙が届き、地下室に誘われたので出て行くが、そこで怪物に襲われる。
アンパロは吐き気を催しトイレに行くが、そこで自身の腹部に怪物の手形が残っていることに気がつく。
突然祖父がラファエルの声で喋り出し、アンパロに電話に出ろと言う。
アンパロが電話を取ると別の部屋から悲鳴が聞こえ、その先に向かうと大きな古時計の中にラファエルがいた。
ラファエルは精神的に強いショックを受けており何も話せなくなっていたが、アンパロの腹部にそっと手を触れる。
その夜カンデラはラファエルと眠っていたが、寝室内に何かがいるのに気がつく。
実はアンパロは妊娠しており殺鼠剤を飲もうとしていたが、突然手元のコップが飛んでいき割れる。
兄の元にはクララから大量の手紙が届き、マノロは見知らぬ女性の姿を見るなど怪奇現象が相次ぐ。
すっかり参った一家は、近くのホテルの一夜の宿を借りる。
マノロとカンデラは部屋を出たいと不動産屋を訪ねるが、生涯ローンを組んでいるため、家を出ても金を払い続けるしかないと相手にしない。
この騒ぎでマノロは職場を無断欠勤しクビになる。
カンデラも勤め先のブティックに遅刻し、同僚に詰められる。
実はこの同僚はカンデラが前にいた村の住人で、カンデラは義兄と不倫したことで村にいられなくなって引っ越していた。
真相
カンデラは以前タロットカードをくれた老婆タバロスとその娘ロラの自宅を訪ねる。
ロラにはカンデラの苦しみが見えるといい、その苦しみを除かないと引っ越しても意味がないという。
タバロスとロラは一家のアパートを訪ね、霊感のあるロラがこの部屋の前の住人女性の写真を前にする。
するとロラの体は不自然に折れ曲がり始め、その体は宙に浮いた。
その頃、アンパロはアパートにかつて住んでいたスサナの自宅を突き止め訪ねていた。
スサナはすでに老婆になっており、その家には自宅にある前の住人女性と同じ写真があった。
写真の人物はスサナの弟ミゲルだったが、女装趣味があり自身をクララと呼ばせていた。
クララは、ドレスを着て妊婦のふりをするなどしたため、度々父古時計に閉じ込められるなど罰を受けていた。
両親が亡くなった後、スサナは隣の部屋に引っ越したが、やがて周囲の目に耐えられくなり、クララを見捨て引っ越していた。
アパートではロラに取り憑いたクララが家族全員を念力で攻撃するが、帰ってきたアンパロが自身の腹部にガラスを突き立てる。
赤子を欲しがっていたクララはこれに怯み、その隙にマノロはクララに体あたりし二人はベランダから落下、マノロが死亡する。
マノロの生命保険でアパートのローンは無くなり、一家は村に帰れるようになる。
レビュー・考察
スペイン発アパート系ホラー。
でも本当に怖いのは人間。
逃れられないタブー
一家が街に出てきたのは、母カンデラが義兄と不倫しており村に居場所が無くなったから。
カンデラとマノロは再婚であり、カンデラは不倫が原因で離婚したことが匂わされている。
高校生くらいの異性の連れ子がそれぞれおり、さらにまだ5歳の二人の子供がいる。
さらに長女アンパロは村に残った元恋人との間に、子供を身籠もっているという地獄のような環境。
一家の大黒柱マノロはトラック工場勤務で、給料が高いとは思えない。
母カンデラは同郷の女性に婦人服売り場の仕事を紹介してもらうが、それは同時に自身の過ちを知る人間が常に周囲にいると言うこと。
ぶっちゃけ全ての不幸がカンデラの不倫から始まっている。
タバロスは、その苦しみがホラーを呼んでいるというが、同情できない。
巻き込まれた家族がかわいそう…
どうでもいいけどタバロスさん宜保○子さんのようである。
幽霊はLGBT
時は70年代、LGBTなんて言葉がなかった時代。
ミゲルはそんな時代に女性クララに目覚めてしまい、家族や周囲に忌避される。
赤子を欲しがったクララは、最初アンパロを狙っていたが赤子がお腹にいたことからターゲットを変える。
代わりにターゲットとなったのはまだ5歳のラファエルだった。
アンパロのお腹に化け物の手形があったり、ラファエルがアンパロのお腹をさするのはそのため。
恐怖の不動産屋
でもよく考えてほしい、この映画で1番の巨悪は不動産。
この部屋は4年間にも事故が起こっていたが、そのことを通知しないでマノロに販売していた。
しかも貧乏なマノロは、生涯ローンとか言う意味のわからない契約を結ばせており、部屋を出るにも出られない。
持て余した事故物件を、長期に渡り収益を上げられるようにした手腕は見事だが、そこには良心のかけらもない。
結局マノロは自身の命を持って生命保険で契約を果たす。
一連の事件の原因がカンデラにあることを思えば、実にかわいそうな人だった。
って不動産屋そのアパートまた売る気なのかい!!