2020年のイギリスのホラー映画
主演者はヘイリー・ビショップ, ジェマ・ムーア, エマ・ルイーズ・ウェッブ
こんな人にオススメ!
・ZOOMをよく使っている
・王道ホラーが見たい
・パソコン画面だけで進む感じの映画が好き
映画「ズーム/見えない参加者」が5分でわかる!
あらすじ
リモート交霊会
ヘイリーは、大学時代の友人ジェマ、エマ、キャロライン、ラディーナ、テッドとZOOMでリモート交霊会をする。
講師のセイランは、霊がくると物音が聞こえたり体を触られたような感覚になるといい、霊に敬意を払うよう注意をする。
各位が自室に準備した蝋燭に火を灯し交霊会が始まるが、テッドの恋人が突然蝋燭を消しZOOMを切ってしまう。
残った面々で儀式を続けると、ジェマの首筋に誰かが触り、頭の中にはジャックという名が思い浮かんでくる。
ジャックはジェマの同級生で、首吊り自殺をしていたとジェマは嘆き悲しむが、それはジェマの演技だった。
いたずらの代償
そうしている間に突然セイランのZOOMが落ちてしまう。
交霊会は一時中断になるが、その時ヘイリーの椅子が勝手に動き、誰もいないはずの室内に気配を感じるようになる。
ヘイリーが様子を見に行くが何もなく、次はキャロラインの家で妙な物音がするようになる。
物音は天井裏からしており、キャロラインが様子を見に行くと、カメラに足のようなものが映る。
この事態にヘイリーはセイランに電話をしに部屋を出るが、ZOOMのカメラに何が映る。
セイランは霊がメッセージを伝えようとしていると話し、今いる霊がジャックなのかジェマに確認するように言う。
しかしジャックはジェマの作り話だったため、何かの霊を作り出してしまった可能性があるとセイランは考える。
恐怖の始まり
この霊と交信するとヘイリーの部屋の電気が明滅するが、その途中でセイランとの電話は切れてしまう。
ヘイリーが終了の儀式を行うと、何も起きなくなり解散ムードが漂う。
しかしその時、キャロラインとエマのカメラに何かが映り込む。
エマの部屋では食器が棚から次々と落下しエマは部屋から出るが、見えない者かがエマに迫ってくる。
ラディーナの家では同居する恋人が突然天井から落下し、ラディーナも何者かに引き摺られ気を失う。
キャロラインは無事な様子だったが、それは彼女が設定したバーチャル背景で、実際には何者かに顔面を打ちつけられ血まみれになっていた。
ヘイリーも何者かに引き摺られ部屋からいなくなり、その様子をZOOMで見ていたジェマはヘイリーの部屋に直接助けに行く。
その時、ずっとログアウトしていたテッドが突然ZOOMにログインする。
しかしその直後からテッドの家でも怪奇現象が起き、テッドの恋人が死亡する。
テッドの目の前には彼が用意した不気味なオルゴールが置かれ、テッド自身も何者かに叩きつけられた上、火をつけられる。
エマの家にも何者かが現れ、外に逃げるが攻撃されて気を失う。
この映画実は…
ヘイリーの部屋に入ったジェマだったが、突然飛んできた食器で頭を打ち倒れる。
ジェマは怪奇現象に襲われながらも、隠れていたヘイリーを見つける。
ヘイリーが電気が落ちたリビングにポラロイドカメラを向けると、そこにはゾンビのような何かが写り、ZOOMは終了してしまう。
実はこの映画、撮影準備のために俳優とスタッフで交霊会を開いていた時から、すでに怪奇現象が起こっていたのだった。
レビュー・考察
みなさんリモートワーク捗っていますか?
この映画はロックダウン中のイギリスでリモート交霊会を開催するホラー映画です。
ZOOMホラー
使用するツールはもちろんZOOM。
そう、この映画は一貫してZOOMのミーティング画面で進む。
画面越しに友人たちが怪奇現象に見舞われるのはなかなか怖い。
同じ場所で起きたホラーであれば、近くに仲間ばいるし、その現象を仲間と共有できる。
リモートで一緒にいるような気になっていても、周囲には自分以外誰もいない。
しかし目の前では確実に怪奇現象が起きており、友人たちにが被害に遭っている。
しかしカメラの見えないところで何が起きているのかは本人以外わからない。
バーチャル背景の機能を生かしたホラーは特に目新しい。
バーチャル背景とは自身の背景だけを任意の画像を変える機能で、カメラに映った人の顔を認識し背景と合成する。
そのため少しカメラから顔が離れるとカメラが顔を認識できなくなり、バーチャル背景だけになってしまうのだが、これを生かして顔面がパソコンに叩きつけられているのを表現するなんて誰が考えるだろうか!?
これはなかなか現代らしい新しいホラーの形。
きっと製作陣もZOOMで会議しながら色々妄想したに違いない。
欲を言えば、コメントやブレイクアウトセッション機能も使いこなして欲しかったww
霊の正体
この霊の力としては、食器棚を揺らして食器を大量に落としたり、サイコキネシスで人を宙に舞わせたりと比較的トラディショナルな感じ。
一言も言葉を発しないので、動物霊なのかとも思いきや、キャロラインが部屋中に小麦粉を撒いたことで人型であることがはっきりする。
これはなかなかの策士、だが圧倒的なパワーの前にはどこにいるかわかったところで無価値だった…
セイランによると霊がいるアストラル界では言語が必要ないとのことだったが、確かに肉体言語であれば言語なんて関係ないわなw
この霊ただの脳筋かと思いきや、現代社会に適応し新たな能力を見につけている。
それはネット回線を使った高速移動。
テッドはZOOM交霊会が始まる前に会議を抜けており、ヘイリーたちが霊に苦しめられている間平和に過ごしていた。
しかしZOOMに接続した瞬間から霊に襲われるようになったあたり、この霊がネット回線を使って移動していることがわかる。
画像だけでも重いのに、霊体ごとネット回線を移動するとは未来のネットの姿を思わせなくもない。
ラストの解釈
ラストではこの映画の制作スタッフが撮影前に交霊会を行った様子が流される。
映画の一部というかメイキングに近いイメージになっているのだが、この時点ですでに怪奇現象が起き始めているのがわかる。
ということは、この映画フィクションではなく、実は実際に起こった映像だったのでは…と思わせるラストになっている。
本作と似た感じ、パソコン画面だけで進むサスペンスはコチラ!