【全てを奪うブラック企業】映画「ブラック・シー」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2014年のイギリス・アメリカ映画
主演者はジュード・ロウ、スクート・マクネイリー、ベン・メンデルソーン
追い詰められた12人が金塊奪取に挑むスリラー

こんな人にオススメ!
・一攫千金は男のロマン!
・ブラック企業に勤めている
・潜水艦モノが好き

映画「ブラック・シー」が5分でわかる!【ネタバレあり】

あらすじ

・再起をかけるロビンソン

潜水艦乗りのロビンソンは、長年働いた海洋サルベージの会社アゴラ社を解雇される。

家庭を犠牲にしてまで勤めた会社をクビになり絶望するロビンソンに、同様にクビになったカーストンが一攫千金の仕事を紹介する。
カーストンが話すには、第二次世界大戦時、黒海に沈んだUボートに大量の金塊が積まれており、それを引き揚げようと言うのだ。

ロビンソンは、友人ダニエルズの紹介で富豪のルイスに会い、金塊を折半することを条件に潜水艦を借りる。
その間姿を見せなかったカーストンだったが、トビンという少年がロビンソンを訪ねカーストンが自殺したという。

カーストンの死で潜水艦に入るメンバーが不足したロビンソンは、この少年トビンを乗せることにする。

・沈没

様々な技術を持った仲間を集めロビンソンは潜水艦に入るが、潜水艦はかなり古く、脱出用のスーツも備えられていなかった。
ロビンソンは、仲間達に金塊の山分けを宣言するが、ダニエルズは山分けにすると頭数が減れば取り分が増えると考える者もいると心配していた。

機関部を担当するロシア人ザイツェフは、トビンを童貞だと思っており、そのことを縁起が悪いと感じていた。
しかしトビンが童貞というのはデマで、実はよく知らない女を孕ませており、もうすぐ男の子が生まれるという。

潜水艦の中では仲違いがあちこちで起きていた。
そしてついにトビンのミスから機関部で殺人事件を起こる。
その影響で機関部で爆破が起き機関は停止、潜水艦は水中に沈んでいった。

・潜水作業

この衝撃で気絶していたロビンソンが目を覚ますと18時間が経過していた。
潜水艦の後方部はロシア人ザイツェフ達が占拠しており、潜水艦前部にいるロビンソンやトビンが持つ食料を狙っていた。

ロビンソンは、現在地が目的とするUボートの近くであることを知る。
ロビンソンは、黒海の深海には酸素がないためUボートの機関部が劣化していないと考え、それを使って潜水艦を直すことを思いつく。
ロビンソンは、潜水艦を浮上させるには全員の力が必要だとし、潜水艦の後部からザイツェフを呼び出す。

ロビンソンは、潜水艦の中から大きな音を立て、その反響で周囲の地形を探る。そして周囲を確かめるため、トビンら3人が潜水作業をすることになる。

潜水作業でトビンらは泥の中に埋もれたUボートを見つけ、その中に大量の金塊と機関部を直すのに必要なドライブシャフトがあるを見つける。
3人は金塊を持ち出そうとするが、その途中で事故が起き、1人が海溝に落ち行方不明になる。

・諦観

ここに来てダニエルズは、この計画はアゴラ社に仕組まれたもので、ロビンソンらが成功させても彼らは逮捕され何も手に入らないと知らされる。
ロビンソンは4.3トンの金塊を潜水艦に積み込み、潜水艦を修理してトルコに向かうことにする。

しかし潜水艦は浅瀬に迷い込んでしまい、座礁の恐れがあったため、ロビンソンは狭い海溝を抜けることにする。
この危険な行為に反対する声もあったが、ロビンソンは金のために強行することを選ぶ。

しかし潜水艦は壁面にぶつかり大きな衝撃が起こる。
ダニエルズは事故に見せかけザイツェフを殺し、潜水艦を浮上させようとする。

その時、機関部で事故が起こり感は艦は急激に沈んでいった。
潜水艦への浸水を止めようとロビンソンが現場に行くが、作業を手伝っていたトビンが水に飲まれる。
ロビンソンはトビンを助けるが、残された作業員はダニエルズに出口を閉められ浸水する機関部に閉じ込められる。

実はロビンソンは脱出スーツを3着隠し持っており、沈む艦内からトビンを脱出させる。
トビンはロビンソンが、脱出スーツで上がってくるのを待っていたが、上がっきたのは脱出スーツに入ったロビンソンの息子の写真だけだった。

レビュー・考察

人生詰んだ人たちが一発逆転を狙う映画。

ブラック企業で全てを失った男

主人公ロビンソンは、仕事漬けで離婚しており妻子と会っていなかった。
潜水艦の仕事だから一度出ると長い間帰れなかったのだろう。

ロビンソンに悪気はなく、家族とやり直したいと思っていた。
そこで金塊を手に入れ人生一発逆転を狙うが、その計画はアゴラ社に仕組まれていた。
潜水艦を借りた富豪ルイスはアゴラ社に雇われた俳優だったし、友人のダニエルズやカーティスも抱き込まれていた。
ロビンソンらが金塊を手にしても、彼らは海事法違反で逮捕され、金塊は全てアゴラ社のものになるという筋書き。

アゴラ社はほぼノーリスクで、大量の金塊を手にすることができる。
失敗しても失うのはボロい潜水艦1隻、あとは会社と無関係な人物が勝手にやったことになる。
こうなるとロビンソンやカーティスをクビにしたところからアゴラ社の計画だったのでは?とまで疑える。

ロビンソンは、軍を辞めたあと潜水艦の技術を買われてアゴラ社に入ったが、それにより家族だけでなく自身の命まで失うことになった。

ブラック企業って怖いね。

失った家族を取り戻すには金塊が必須だとロビンソンは考えていた。
だからどんなに危険な場面でも金塊を持ち帰ろうとしたが、ラストシーンはそれを果たせないと悟った男の哀愁に満ちている。

どうせ金塊が手に入らないなら、生きて帰っても仕方ない。
沈む艦と運命を共にし、息子の写真だけを脱出スーツで艦から出したロビンソンからそんな心境が読み取れる。

杜撰な計画

しかしロビンソンの計画も実は相当杜撰。
集めた仲間は人間性に問題があるやつばかりで、すぐに喧嘩を始める。
しかもカーティスが亡くなって、その代わりに連れて行くのがたまたま目の前にいた少年トビンとか、テキトー過ぎませんか??

案の定、トビンの失敗に関わる諍いから殺人事件が起き、艦は大破という憂き目を見る。
さらに追い討ちをかけるように、友人ダニエルズが裏切り者で、金塊まで手に入らないことがわかる。

総じて考えると、ロビンソンの失敗の全ては人間関係にあるのではないだろうか?
潜水艦の技術一筋で生きてきた彼には、人間関係の大切さや人を見る目は備わらなかったのかも知れない。
寄せ集めのロシア人がトラブルを起こすところまではまだしも、友人ダニエルズが裏切っていたことに気づけなかったところに失敗の本質が隠れている。
離婚の原因もおそらくこの辺にあり、奥さんは仕事漬けのロビンソンが不満だったのだから、金塊を取ってきても多分ムダなのよね。

そんな、どこまでも可哀想な人の映画。
ブラック企業に入社するとはどういうことか知りたい方におススメです。

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