【家族愛が悲劇を起こす】映画「ペットセメタリー」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2019年のアメリカ映画
主演者はジェイソン・クラーク、エイミー・サイメッツ、ジョン・リスゴー
スティーブン・キング原作ホラー映画のリメイク

こんな人にオススメ!
・家族哀あふれる作品が見たい
・生き返らせたいペットがいる
・あの世はあると思う

映画「ペットセメタリー」が5分でわかる!

あらすじ

・664 river road ludlow maine

ルイスとレイチェルの夫妻は少女の娘エリーと赤子のゲイジを連れ、ボストンから森の中の街ラドロウに引っ越してきた。

その土地では奇妙な風習があり、動物の覆面をした一行がペットの遺体をどこかに運んでいた。
覆面行列の向かった先にエリーが行くと、そこには「Pet Sematary」と子供っぽい誤植の看板と、多くの十字架が立っていた。
エリーはそこでジャドという老人に会い、ここがペットの墓場であることを知る。

死について興味を持ったエリーがルイスに訪ねていると、レイチェルが子供の時に亡くなったレイチェルの姉ゼルダの話になる。
レイチェルは幼い時、体が曲がって寝たきりだったゼルダの世話をしていたのだ。

翌日医者であるルイスの元に、ビクターという若者が車にひかれて運び込まれる。
ビクターは間のなく息を引き取ったが、突然息を吹き返したかと思うと、初めて会うはずのルイスの名を呼び障壁は絶対に超えるなと言い残した。

・生き返ったチャーチ

ハロウィンの日、ジャドに呼び出されたルイスはペットの猫チャーチが車に轢かれているのを見つける。
ルイスとレイチェルはチャーチの死をエリーに伝えるべきか話し合うが、本当のことを伝えようというルイスとは対照的にレイチェルはいなくなったことにしようと言う。
レイチェルは子供の時、姉ゼルダの死に関わっており、そのことを気にしていた。

チャーチを埋葬するためルイスはジャドとペットの墓場に行くが、ジャドはルイスを墓場の奥に連れて行き、そこにチャーチを埋めさせる。

翌朝チャーチは何事もなかったかのようにエリーの部屋の収納にいた。
ルイスがジャドに訳を聞きに行くと、理屈では説明できない古い土地があり、土の下では何が起こっているかわからないという。
ルイスが古い土地について調べると、そこは先住民の土地で神の沼という地名がついていた。

・悲劇

エリーは生き返ったチャーチをブラッシングしていたが、その途中でチャーチは突然怒り出しエリーを引っ掻く。
ルイスはチャーチが寝室に入らないよう、ドアを閉めてエリーを寝かしつける。
しかしチャーチはルイスとレイチェルの寝室で生きた鳥を食べており、ルイスはチャーチを部屋から出そうとするが、引っ掻いてどこかに行ってしまう。
ルイスがチャーチを追って地下室に行くと亡くなったはずのビクターがおり、ルイスに家族の崩壊が迫っているというメッセージを伝える。

その頃レイチェルはゼルダの幻覚を見ており、怖がるレイチェルをルイスは抱きしめ、エリーの誕生日パーティを企画する。
ルイスはジャドを訪ね、神の沼が死者を生き返らせる場所であることを知る。
かつてジャドが犬を埋めた時は、犬は生き返ったものの凶暴化しており、やむなく処分したという。

その話を聞いたルイスは、チャーチがゲイジを狙ったため郊外に捨てることにする。
エリーの誕生日パーティが賑やかに開かれ、ボストンからも多くの友人が来ていた。
かくれんぼをしていたエリーが一人はぐれて道路に出ると、道路の向こうからチャーチが戻ってくるのを見かける。

その様子を見たゲイジが道路に飛び出したところにトラックが走ってきて、ルイスが間一髪助ける。
しかし、ハンドル操作を誤ったトラックは荷台を投げ出し、エリーを轢き殺してしまう。

・生き返ったエリー

エリーの葬式が済み、レイチェルとゲイジはボストンの実家に帰った。
一人残ったルイスはジャドが止めるのも聞かずにエリーの墓を掘り起こす。
ルイスがエリーの遺体を神の沼に埋めるとエリーは生き帰るが、リビングで家具を壊すなど生前とは様子が違っていた。

レイチェルはルイスのことが心配になり自宅に戻る途中だったが、渋滞に巻き込まれジェドに電話しルイスの様子を見てもらうよう頼む。
ルイスを訪ねたジャドは、2階の窓に死んだはずのエリーの姿を見かけ、慌てて自宅に戻る。
ジャドの自宅にはかつて病気で死んだはずのノーマがおり、ノーマは生き返ったエリーが苦しんでいるといい、ジャドをナイフで滅多刺しにする。

・家族

ルイスの元に戻ったレイチェルとゲイジは、ルイスがエリーを生き返らせたことを知る。
レイチェルはエリーを娘と認めず、ゲイジを連れて部屋に閉じこもってしまう。
しかしレイチェルはエリーにナイフで刺され、死ぬ前に2階からゲイジを投げルイスに預ける。
エリーはレイチェルにとどめを刺し、レイチェルは目の前のエリーが自分の娘ではないことを看破する。

そこにゲイジを車の中に隠したルイスがくるが、エリーに殴られ気を失う。
エリーはレイチェルの死体を神の沼に運び、目を覚ましたルイスはその後を追う。
エリーはルイスに襲いかかり、刺されそうになったルイスは反撃、とどめを刺そうとしたところに生き返ったレイチェルが現れルイスを殺す。

車の中でゲイジが目を覚ますと家は燃えていた。
そこにルイスとレイチェル、エリーにチャーチが戻ってくるが、生気のないルイスは車の中のゲイジをじっと見つめるのだった。

レビュー・考察

この映画は異形となることがわかっていても死者を生き返らせようとする人間の愚かさと、その家族愛の哀しさを描いたホラーです。
原作はスティーブン・キングで、本作は1989年に作成された映画のリメイクになります。

ルイスは救急医療に携わる医者だったが、ハードは仕事に疲れて家族とラドロウという片田舎に引っ越した。
しかしその場所は先住民の土地で、神の沼と呼ばれる呪われた場所だった。
その場所に埋められた者は、ペットでも人間でも生き返る。
しかし生前の人格は失われ、異形の何かに成り果ててしまう。

レイチェルは生き返ったエリーを娘と思えず、生き返ったエリーの見た目をした『なにか』であることを看破していた。
それを受けて生き返ったエリーが「娘のところに行きな!」とか言っていたように、エリー本人の魂はあの世にあることがわかる。

どうやらあの場所に埋められると体は生き返るが、魂はあの世に置いたままになる。
しかも体には凶暴な『なにか』がインストールされて動き出す。
という最悪の場所であるということがわかる。

この映画の面白いところは、ルイスがそれを承知でエリーをあの場所に埋めたところ。
あの場所に埋められたチャーチが生き返った後凶暴化していたのは明らかだった。
エリーが死んだ後、ジャドも散々ルイスにやめろよ〜やめろよ〜と警告していた。

それでも愛しい娘にまた会いたい。

ルイスを止めようとしたジャド自身も、かつて妻ノーラを生き返らせて後悔していた。
それでもどうにもならない家族愛に突き動かされて、愚かなことをしてしまう家族愛の哀しさが描かれている。
(どうでもいいけど、ルイスを止めるジャドの言葉が、ダチョウ倶楽部の押すなよ〜押すなよ〜みたいで煽っているようにしか見えんかったw)

ラストはルイスもレイチェルも埋められ、別のなにかになってしまう。
残ったゲイジが哀れすぎてなんともスッキリしない終わり方になっている。
ルイスが生き返ったエリーを倒して、死者はもう帰らないんだという感じの綺麗な終わり方をしてくれたらもっとスッキリできたかなと。

ちなみに本作の原題は「Pet Sematary」。
「Pet Cemetary」の誤植だが、劇中の墓場にはこのように書かれていた。
おそらくこれは、あの場所がペットの墓場「Pet Cemetary」ではないということを暗示しているものと思われる。

余談だが、劇中でルイスが検索した住所【664 river road ludlow maine】は実在している。
この住所にはかつてスティーブン・キングが家族と住んでおり、本作の着想を得たところだそうな。
ちなみに2017年に売りに出された模様。
>>この屋敷の記事ページ
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