【アイロニーな救済】映画「グリーン・インフェルノ」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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正義とは何か?その意味を問う食人系ホラー

2013年制作のアメリカ映画。
主演者はロレンツァ・イッツォ、アリエル・レヴィ、ダリル・サバラ。
開発行為に追い詰められる少数民族に襲われるホラー。

こんな人におススメ!
・皮肉めいたストーリーが好き
・異文化交流を体感したい
・グロが気にならない人

あらすじ

ヤハ族救済プロジェクト

大学生のジャスティンは、社会問題に取り組むサークルの代表アレハンドロと出会う。
アレハンドロは、ペルーの少数民族ヤハ族が開発で追い詰められており、開発を進める企業に対し抗議活動をしようとしていた。

サークルの一行はペルーに飛び、現地の協力者カルロスの手引きのもと、どんどんジャングル奥地に入っていく。
開発現場についたアレハンドロたちは、抗議活動を開始し、その様子をスマホで中継し続ける。
この活動を止めに、企業が雇った兵隊たちがやってくるが、ジャスティンの父が国連職員であったため、サークル全員が無事に帰される。
ジャスティンは自身を利用したアレハンドロに憤慨する。

ヤハ族との出会い

帰り道、サークルが乗ったセスナはジャングルで墜落。
不時着に成功したもののカルロスが死亡、さらに多くの死傷者がでる。
生き残ったメンバーも、ジャングルから現れた何者かから次々と毒矢を受けて気絶する。

ジャスティンらは拘束され、ヤハ族の村に拉致される。
実はヤハ族は食人部族で、小太りのジョナが最初の犠牲となって食べられてしまう。
監禁された残りのメンバーは恐怖に震えていたが、アレハンドロは開発業者のブルドーザーがヤハ族を倒してしてくれるといい、先の抗議活動の裏側を暴露する。

脱走

翌日ジャスティンら女性4人は、長老の検査を受ける。
その結果、選ばれたジャスティンは1人別の場所へ連れて行かれ、ボディペイントをされ檻に戻される。

メンバーには食事が与えられたが、その肉は実は脱獄に失敗したサークルメンバーのもので、そのことに気づいた女性メンバーは自殺する。
サークルは生き残りを賭け、自殺女性の死体にマリファナを詰め、ヤハ族が肉を焼くときにハイにさせようとする。

狙いは成功し、ヤハ族は次々とおかしくなり、その隙にジャスティンとダニエルは脱獄する。
セスナの不時着地に戻ったジャスティンらだったが、そこでヤハ族に見つかり村に戻される。

やってきたブルドーザー

逃げた罪でダニエルは軍隊アリの餌にされ、ジャスティンは長老の儀式を受けることになる。

そこに開発業者が入ってきて、ヤハ族の男たちは戦いに出ていく。
この隙にジャスティンは脱獄、心を通わせたヤハ族少年の手引きで脱走する。

ジャスティンが逃げた先では、開発業者が雇った兵隊とヤハ族が戦っていた。
ジャスティンは開発業者を撮影したスマホを自ら破壊し、開発業社のヘリで無事助けられる。

アメリカに帰ったジャスティンは、自分以外は全員セスナの事故で死亡し、ヤハ族には敵意がなかったと嘘の証言をする。

窓の外では、社会問題に取り組むサークルが、アレハンドロの救出を訴えていた。

レビュー・考察

この映画は、綺麗事の世界で生きてきた少女が、社会問題に首突っ込んで、厳しすぎる現実に打ちのめされる話です。

ペルーの奥地に住む少数民族ヤハ族。
サークルは開発を進める企業に弾圧されるヤハ族を助けるため、開発行為を止めようとする。

方法は至ってシンプル、開発現場に直接潜り込んで、開発中止を声高に訴える。
そしてその様子をスマホで撮影し続けるというもの。

乱暴すればそれが世界に広まるし、サークルのPRにもできる。
大学生だけじゃ無理だから、現地協力者カルロスもきてくれる。
なんと予算は全部カルロス持ちだ。

なんか、この時点でだいぶダメだし、なんか怪しいのはお察しの通り。

そう、カルロスはヤハ族を弾圧し、開発を続ける企業のライバル企業の回し者。
妨害のためアレハンドロらを利用していた。

サークルの活動が成功しても、ヤハ族の弾圧はライバル企業で続くことになる。
それを知っていて今回の活動を計画したアレハンドロの目的は、自身の売名でしかなかった。

さらにアレハンドロはカルロスの口を封じるため、セスナを墜落させる。
いや、もっと他にやり方あるだろ。

ジャスティンは父親が国連職員なので、万が一にも殺されることはないため連れてこられていた。
グ○タさんとか、シー○ェパードの活動なんかも、こういう感じの裏があるんだろうね!

綺麗事で生きていきたジャスティンに、世の中の裏側をまざまざと見せつけてくれる。
なんというか実に露出狂的である。

さらにすごいのは助けるべきヤハ族が温厚な農民などではなく、危険な食人鬼だということ。
助けようとした対象に食べられるってどんな気分??って感じの悪趣味さを感じざるを得ない。

結局一番まともだったのは、企業が雇っていた兵隊隊で、ジャスティンらの当初の目的はそんな彼らを妨害することだったのだ。

弱いものを助ける。
そのありきたりな価値観に容赦のないエクスキューズを叩きつけている!!

どうしてもグロ方向に目が行きがちな映画だが、そんなところに注目すると実は深みのある映画。
グロ描写が多くてそれが伝わりにくくなっているのは残念でしかない。

最後ジャスティンが私以外全員死んだ、ヤハ族はいい人ばかり。
と嘘をついたのは、生き残ったアレハンドロの捜索をやめさせ、確実に葬るためだったんだろうね。

生き残りがいる!となれば捜索隊を出すぞとなるし、
ヤハ族は危険だとなればやはり討伐隊が出てアレハンドロが助かってしまうかもしれない。

それでも生き残るアレンハンドロ、やはり我欲の強さは生命力に直結するんだね。
グロ系ホラーながら、実は社会派な一本。
グロが大丈夫なら見てみよう。

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