気をつけよう、暗い夜道と美人局
あらすじ
黒人のクリスは、白人の恋人ローズの実家を訪ねる。
その家は黒人の使用人がいる典型的な白人家庭で、使用人には庭師の男ウォルターと家政婦の女ジョージナがいた。
その夜クリスはローズの母親に催眠術をかけられ、床に沈んでいくイメージを見て気を失う。
その後ベッドで目覚めたクリスはパーティに参加し、失明した画商などさまざまなゲストと話をするが気味の悪い物を感じていた。
クリスは黒人のキングにスピーチをさせ、その様子をスマホで撮ったところフラッシュに過剰に反応したキングはゲットアウトと言いながらクリスに掴みかかってきた。
気味が悪なったクリスはローズと自宅に帰ることにする。
その頃パーティ会場ではローズの父がビンゴ大会を開いており盲目の画商が勝利、そこにはなぜかクリスの写真が飾られていた。
荷造りをしていたクリスは、さまざまな黒人男性と写るローズの写真を見つけ、この家に黒人が来るのは初めてと言うのが嘘だとわかる。
クリスが帰ろうとした時、クリスはローズの家族に見つかってしまう。
車の鍵を渡すようローズに言うが、ローズは鍵は渡せないと言い、ローズの母に催眠術をかけられ気を失う。
その頃、クリスの親友ロッドはクリスから送られてきたキングの写真が昔の友人アンドレであることに気がつき、インターネットで彼が行方不明になっていたことを知る。
ロッドはローズが黒人を集めて奴隷にしていると考え、警察に届け出たが相手にされない。
ロッドがクリスの電話にかけるとローズが出てクリスはもう帰ったという。
クリスは気がつくと椅子に縛り付けられており、目の前に置かれたテレビが映りパーティで出会った盲目の画商が映る。
画商はクリスの脳を移植手術して画商のと交換するといい、手術をするとクリスの意識は全くなくなるわけでなく、他人がクリスの体を動かす様子を地下に沈んで眺めるだけの観客になるという。
クリスは再び催眠術をかけられローズの弟に運ばれるところを耳栓で防ぎ、拘束から脱出する。
ローズの父母を倒したクリスは車で脱出するが、誤ってジョージナを轢いてしまう。
ジョージナを乗せて走るクリスだったが、実はジョージナにはローズの祖母が移植されており、彼女が暴れたためクリスは事故を起こしてしまう。
目が覚めたクリスの元にローズとウォルターがやってくるが、ウォルターはローズを射ち、ウォルターも自殺してしまう。
一命を取り留めていたローズの首を絞めるクリスだったが、そこにロッドが助けに現れクリスは無事帰還したのだった。
レビュー
ホラーなんだけど幽霊とかそれ系じゃなくて、人が怖いタイプのホラー。
クリスが通り過ぎたあと、一斉に人々がクリスの方見るのとか怖すぎる。
よく考えたらあのパーティはクリスの肉体獲得選手権で、ビンゴでその権利を決めていたのね!
だからクリスの肉体が気になって仕方がないと、パーティの参加者が老人ばかりだったのも頷ける。
黒人の使用人たちがどこかうつろで不気味なのはローズの親族が移植されているからで、元の肉体の持ち主の意識はわずかに残っている状態。
むちゃくちゃ嫌な残り方だよな、肉体の操作はできないのに、何しているかは知覚できるんだもん。
トイレ入った後手洗いしなかったら叫びたくなってしまうな!
そういう登場人物の微妙な視線とかカメラアングルとかの表現が見事で、極上のじわじわくる系ホラーを味わえる。
前半意味わからんシーンが続くけど、中盤から謎が解けてくると全ての意味わからんが繋がってくるのが爽快。
宙ぶらりんな謎は残らず、パズルが綺麗にハマるので読後感も良い。
説明も多すぎず少なすぎずのバランスが素晴らしいからテンポ良く一気に見れる。
一番怖いのは幽霊でなく人であることを教えてくれる本作、みなさんにもぜひおすすめだ。
女ってこえー、ローズ何人騙したんだよ…
エンディングの曲がイイね。
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