【呪いの笑顔】映画「スマイル」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2022年のアメリカ映画
主演者はソシー・ベーコン、カイル・ガルナー
呪いの連鎖に巻き込まれた女性の恐怖を描くホラー映画

こんな人にオススメ!
・ビックリドッキリ系ホラーが好き
・少しグロくても大丈夫
・人の良い方

映画「スマイル」が5分でわかる!

あらすじ

恐怖の始まり

精神科医のローズが診察していた患者が突然おびえだす。
患者は突然気味の悪いスマイルを浮かべるようになったと思ったら、その直後自身の首を切り裂いて死亡した。

この日以来、ローズには人々が気味の悪いスマイルを浮かべながら、奇怪なことを言ってくる幻覚が見えるようになり、上司より休養を取るように言い渡される。
しかし休養中にも自宅の裏口が勝手に開いており警報機が作動する、自殺した患者とのやりとりの録音を確認しているとその患者が突然現れるなど、奇怪な現象が相次ぐ。

そして姉タリーの息子のバースデーパーティーに参加をするが、渡したプレゼントには何故か飼い猫の死体が入っており、参加者の中にあの気味の悪いスマイルを浮かべた者が現れる。
同棲中の婚約者トレバーも次第にローズの精神病を疑うようになり、トレバーがローズに秘密でローズの母が自殺していたことを調べていたことから、口論になってしまう。

この怪奇現象を突き止めるため、ローズは自殺した患者の供述調書を調べていると、自殺した患者はその直前に大学教授の自殺を目撃していたことがわかる。
ローズはその自殺した大学教授の遺族を訪ね、この大学教授も自殺を目撃しており、気味悪いスマイルの人物に悩まされていたことがわかる。

呪いの連鎖

ローズは元恋人で刑事のジョエルを訪ね、この男性のことを調べてもらうと、自殺を目撃した人々が自殺をする連鎖が続いていることがわかる。

家に帰ったローズだったが、そこにいたのはローズのカウンセラーだった。
トレバーがローズの話を信じておらず、狂人扱いされたと思ったことで口論となり、ローズは家を飛び出してしまう。

ローズは姉のホリーを訪ね、バースデーパーティーでのことを謝罪し、自殺した母の話をする。ホリーは母が精神を病んだときに家を出ており、まだ10歳だったローズが母の自殺に立ち会っていた。
ホリーは今のローズは母にそっくりだとローズを追い払い、頼りを失ったローズはホリーの家の前に止めた車で突っ伏していた。
そこにローズが家から出て車の扉をノックするが、ホリーの首は切れており、その異常な幻覚にローズ絶叫する。

初めはローズを訝しがっていたジョエルだったが、調べるうちに自殺の連鎖が続いており、この連鎖の中でタリーという男だけが生き残っていることを突き止める。
タリーも自殺を目撃していたが、自殺せずに他者を殺害しており、その光景を目撃した人物がまた自殺をするようになっていた。
ジョエルの協力で、刑務所に居るタリーと面会したローズは、他人を殺してその光景を誰かに見せれば、自分は生き残れることを知る。

自宅にいたローズの元にカウンセラーが訪ねてくるが、面会の途中で目の前にいるはずのカウンセラーから電話がかかってくる。
突然カウンセラーは気味の悪いスマイルを浮かべると、ローズにもうすぐだと告げ姿を消した。

台所のナイフを持ったローズは休職中の病院に向かい、入院を繰り返していたた患者の腹を滅多刺しにし、その光景を上司に見せつける。
しかしそれはローズが見ていた夢で、誰も被害者を出さないよう、ローズは一人かつて幼少期を過ごした生家に向かう。

生家へ

その生家は山奥にあり、すでに廃屋になっていた。
生家の中でローズは母の最期を思い出していた。
母はオーバードーズで亡くなっており、当時10歳だったローズは助けを求める母から逃げたことを思い出す。

母の部屋には気味の悪いスマイルを浮かべた手足の長い異形の怪物がおりローズは追い詰められるが、ランプで怪物を燃やして撃退する。
生家も燃え、そのままジョエルの家を訪ねたローズは、自身が母を見殺しにしたことに負い目を持っていたことを悟る。

しかしその話の途中で、ジョエルは気味の悪いスマイルを浮かべるようになり、ローズが慌てて外に逃げるとそこは自身の生家の庭だった。
振り返ると生家は何事もなかったかのように建っており、そこにローズ身を案じたジョエルが駆けつける。
しかし自殺の連鎖にジョエルを巻き込みたくないローズは、生家の中に逃げ込み鍵をかけてしまう。

家の中には気味の悪いスマイルを浮かべた手足の長い異形の怪物がおり、ローズの中に入り込む。
鍵を壊して生家に踏み込んだジョエルが見たのは、気味の悪いスマイルを浮かべて焼身自殺をするローズだった。

レビュー・考察

連鎖する自殺

自殺を目撃した人物が自殺する連鎖する呪い。
この呪いにかかると、身近な人々が気味の悪いスマイルを浮かべる幻覚が見え、死にかかわる幻覚や幻聴に苛まれるようになる。
この呪いを解くには、自殺の光景を目撃させるか、他者を殺してその光景を誰かに目撃させるかしかない。
この連鎖から生き残ったタリーは、呪いを調べ、他者を殺すことで生き残った。
執行猶予は4日から7日で、呪われた誰しもが、この間に自殺もしくは他殺をしている。

呪いの連鎖を解くため、ローズが取ったのは目撃者を作らないため、一人で居ることだった。
そのため山深い廃屋となった生家に行くが、結局呪いからは逃げられなかった。

ローズは母を見殺しにした罪悪感が心の重しとなっており人と壁をつくるようになった。
それを自覚し、過去と決別したことで呪いは解けた!勝利エンド!

と思わせつつ勝ててないのは本当に絶望的。
この辺の意外性は高ポイント。

いい人は長生きしない

ラストでローズの焼身自殺を目撃したジョエルが、次の呪いを受けることになってしまうのだが、この人いい人すぎて哀れてしかない。

ジョエルはローズの元恋人だが、よりを戻したいと思っていた。
しかしトレバーとの婚約が決まっていたローズには相手にされていなかった。
しかし呪いの話をトレバーにも信じてもらえず、転がり込んできたローズを責めることなく受け入れ、一方的な依頼を快く引き受けてくれる。
(しかもローズが野暮ったいと指摘していた黄色ソファーを買い替えている!)

ジョエルの献身的な協力でタリーにも会うことができ、呪いの全貌まで突き止めるに至っている。婚約者のトレバーは、ローズの話を全く信じず、狂人扱いしていたのと対照的である。
もし、ローズがトレバーではなくジョエルを選んでいたら、非業の最期は避けられたかも知れない。
人を見る目が、人生の決定的な要素となった好例と言える。

しかしそんなローズの努力も虚しく、いい人すぎたジョエルはローズを助けに来てしまった。
ローズを狂人として扱い、真摯に向かい合わなかったトレバーがのうのうと生き残ったあたりが実に対照的でやるせない。

まぁローズもすぐにキレて酷いこと言ったり、なんとかローズをよくしようとカウンセラー呼んだトレバーの気持ちも考えずに発言したり、結構な人間性ではある。
精神性の不安定さはやはり遺伝なのだろうか…

続編

本作では結局呪いの正体は分からず仕舞いだった。
なぜ呪いはスマイルでやってくるのか?呪いの一人は何があったのか?手足の長いあの人間は何だったのか、謎が謎を呼ぶばかりである。

結局呪いを解くのこともできず完全敗北エンドで、いい人が死んで、嫌な奴が生き残る。
展開も終始ビックリドッキリだけでできており、スッキリポイントはゼロ。

そんな本作だが、続編スマイル2がすでに放映されている。

本作のスッキリしない感と、続編スピード感は、初めから続編ありきで作られた可能性すら感じさせる。

続編では呪いの正体を解き明かし、勝利して欲しい。
あとジョエルが生き残ってたら嬉しいけど、多分無理…

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