【安物買いの命失い】映画「悪魔の棲む家」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2005年のアメリカ映画
出演者はライアン・レイノルズ、メリッサ・ジョージ
呪われた家に引っ越してきた一家を描くホラー

こんな人にオススメ!
・連れ子がなつかれない父の悲哀を感じたい
・子を守る母の強さを感じたい
・お得な買い物に弱い方

映画「悪魔の棲む家」が5分でわかる!

あらすじ

お得な豪邸

デフォエ一家6人が銃殺される事件が起こる。
一家は寝ているところを銃殺されていたが、末娘のジョディだけはクローゼットに隠れているところを銃殺された。
犯人はその家の長男ダニエルで、家から聞こえる声に従ってこの犯行を起こしたと言う。

それから一年後、ジョージとキャシーの夫妻は家族で住む家を探していた。
キャシーは前の夫と死別しており、ジョージとの間には3人の連れ子がいた。

そんな時、キャシーとジョージはある家の内覧に行くことになる。
家では売主の女性がうやうやしくふたりを出迎え、この豪邸を相場より安く提供すると言う。
訝しんだジョージが尋ねると、かつてこの家で殺人事件があったと言うが、キャシーの熱意にジョージが折れる。

家の呪い

ジョージとキャシーは子供3人とこの家に引っ越すが、その直後からジョージが女の子の幻影を見るなど奇妙な現象が相次ぐ。
末っ子のマイケルが深夜トイレに行くと血まみれの男が突然現れ、水道からは血液が出てきた。

午前3時15分、家中の扉が勝手に開き、悪夢で目が覚めたジョージは施錠したはずの庭のボート小屋に娘チェルシーが入って行くにを見る。
ジョージはチェルシーを探すが見つからず、チェルシーが2階の寝室から見知らぬ女の子と自分を見下げているのに気がつく。
ジョージは慌ててチェルシーの寝室に行くが、寝室の物置の天井に女の子が何者かによって拘束されているのに気づかず、眠っているチェルシーにそっとぬいぐるみを添えてその場を去ってしまう。

それから15日後、ジョージは長男のビリーと外で作業をしていた。
しかし台所にいたキャシーは冷蔵庫のアルフベットのマグネットが「捕まえろケッチャム、殺せ」となっているのに気がつく。
慌ててジョージの姿を探すが、ジョージはいつの間にか台所におり、マグネットのメッセージも消えていた。

その夜、ジョージとキャシーはデートに行くため、子供たちをシッターのリサに預ける。
リサは以前にもこの家に来たことがあり、この家でかつて起こった一家惨殺事件についてビリーに語って聞かせる。
ジョディの話に差し掛かったところで、チェルシーが現れジョディが怒っているという。
リサが挑発するようにジョディが最期を迎えたクローゼットに入ると突然クローゼットの扉が閉まり、死んだはずのジョディが現れ、リサは心神喪失の状態になり救急車で運ばれる。

そこにジョージとキャシーが帰ってくるが、ジョージは怒り狂っており、ビリーとマイケルに暴言を浴びせる。
チェルシーは、リサがジョディをいじめたことで仕返しをされたと言い、ジョディはキャシーのことは好きだが、ジョージのことは悪い人だと嫌がっていると言う。

呪われたジョージ

ジョージの態度は次第にひどくなり、ビリーは夜まで家に入れてもらえなくなる。
夜、ジョージは自身を罵る話し声がするので、その先に向かうと「捕まえろ、殺せ」と声が聞こえてくるようになり、その先には自身が血まみれで横たわっていた。
その幻覚に気分を悪くしたジョージはトイレで吐き、そのまま風呂に入るが、バスタブから伸びてきた手により沈められそうになる。
キャシーが助けに来たため事なきをを得たが、ジョージはキャシーと訪れた病院で精神科を紹介される。

ジョージとキャシーが自宅に戻ると、チェルシーが屋根の上に立って楽しそうに手を振っていた。
キャシーとジョージがなんとか助け出すと、チェルシーにはジョディが見えており、ジョディが死別した実の父親に会わせてくれると言う。

午前3時15分、ジョージは「捕まえろ、殺せ」という声で目を覚ます。
ジョージがボート小屋に行くと何かが飛び出てきたため持っていた斧を振るうが、ジョージが手にかけたのは自身の愛犬だった。

この家がおかしいと感じていたキャシーはジョージに家を出ようと持ちかけるが、ジョージはこの家は全てだと言い、キャシーを罵って一蹴する。

そこにキャシーが相談をしていた神父がやってくる。
神父が言うにはチェルシーが持っているぬいぐるみはジョディが持っていたもので、デフォエ家の葬儀を行なった神父が埋葬したものだった。
神父は家のお祓いを始めるが、その直後大量の蝿に襲われ家から逃げ出してしまう。

ジョージには「捕まえろ、殺せ」と言う声に苛まれており、夜庭で倒れ込む。

家の秘密

28日後、キャシーは図書館でデフォエ家のことを調べると、デフォエ家は引っ越しから28日後に全員死亡したことがわかる。
この事件の犯人のダニエルは「捕まえろケッチャム、殺せ」と言う声を聞いて犯行を起こしていた。
更に調べを進めるとケッチャムとはかつて家の地下室で先住民を拷問していた人物で、自身で喉を裂いて悪霊となっていた。

その頃、ジョージはボート小屋を調べており、その隠し部屋に大量の死体があるのを見つける。
その先にはケッチャムの亡霊がおり、その血を浴びたジョージは異常な様子になる。
再び神父を訪ねたキャシーだったが、神父は家が怖いと言い出し、キャシーに家を出るようにいう。

キャシーは、ジョージに家を出るよう電話するが相手のされなかったため、慌てて家に戻る。
しかしボート小屋にいたジョージによってキャシーは溺死させられそうになる。

自力で脱出したキャシーは家に戻るが、地下室には家族全員分の棺桶があり、ジョージが銃を持って追いかけてくる。
キャシーは子供3人を連れて逃げるが、家中の扉が閉まっていた出られない。
チェルシーの指示で屋根に逃げ、追いかけてきたジョージをビリーが殴って屋根から落とす。
それでもジョージは斧を持って襲いかかってきたので、キャシーが銃を突きつける。
ジョージはそれに動じず、キャシーも撃てなかったため、キャシーはジョージを銃で殴って気絶させる。
キャシーはジョージを拘束し、子供達と共にボートハウスからボートに乗って家から逃げることにする。

やがて夜が開け、意識を取り戻してジョージは自我を取り戻していた。
その後一家は街を離れ、決して戻らなかった。

家に残ったジョディが叫ぶと、荒れた家具は元通りになり、時計は3時15分に戻る。
そしてジョディは家床に引き込まれるように消えていった。

レビュー・考察

実は実話シリーズ。
呪われた家に引っ越してきた一家が、家の呪いに襲われるホラー。
設定としてはありがちだが、呪いで段々とジョージが壊れていくのが丁寧に描かれている。

序盤は行動が粗暴になる。
中盤はビリーを家から閉め出したり、薪ごとかち割る勢いで斧を振り下ろす。
終盤はキャシーを溺死させそうになり、銃で家族全員を自作の棺桶に押し込もうとする。
その顔色や表情の変化が本作のホラーたる部分。

家の呪いなので、デートで食事に出た際には正常に戻っており、家に帰った途端粗暴になっているのがわかる。
ちなみにジョージ目線では、家族の顔がムンクの絵画叫びの様にホラーになっているので、ジョージは家族を襲っている。

ところどころに子供達が懐いてくれない血のつながらい父の寂しさを感じることができるあたりがもの悲しい。

家の呪い

この家は呪われている。
前の住人デフォエ一家も引っ越して28日後に、長男ダニエルにより全員が射殺されてしまった。
ダニエルは家の声に従ったと供述しており、ジョージもその声を聞いていた。
声は「捕まえろ、ケッチャム、殺せ」としきりに言っており、この呪いがケッチャムによるものであることがわかる。

ケッチャムとは、かつてこの家で先住民に拷問をしていた人物で、ボートハウスの隠し部屋に先住民を捕らえていた。
序盤でジョージが庭で拾った謎の器具は拷問具であったことが、後半キャシーが図書館で読んだ本で明らかになる。
ケッチャムは自ら喉を裂き、住んだ人をおかしくする声の主となった。

ちなみに家の売主が初めに地下室があってその上に家が建ったと話しているが、これはケッチャムの拷問部屋が先にできたことを表していると思われる。
ケッチャムの本には屋敷は聖域として描かれているあたりが実にヤバい。

投げっぱなし伏線

ジョディはデフォエ一家の娘で、クローゼットに隠れているところを殺された。
以来亡霊としてこの家に住み着いており、チェルシーにだけその姿が見えた。

ジョディはケッチャムの呪いとは別に動いているようで、ジョージがクローゼットに踏み込んだ際には、家によって天井に拘束されていた。
ジョディがチェルシーを助けようとしていたため、ケッチャムに止められたのではないだろうか。

ジョディは序盤から最後まで出たり消えたりしているが、クライマックスでは全く出番がない。
最後はジョディが助けてくれるのかな?と見ていたが全く活躍はないし、ラスボス化もしない。
完全に肩透かしである。
ラストは1人この家に囚われ続けており、ケッチャムの呪いで家に引き込まれていた。
救いはない。

神父もなんだかんだでラストはケッチャムと差し違えるのかなと思っていが、全く活躍はしないし、まさかのラスボス化もしない。
家に怯えたままフェードアウトしてしまった。

いろんな登場人物を用意した割には、クライマックスで誰も役に立たず、結局キャシーが1人で全部なんとかした。
子を守る母の強さだけが光っていた。

午前3時15分

この映画で午前3時15分は特別な時間である。
この時間はデフォエ一家が惨殺された時間で、この時間になると家の呪いが発動するようである。

夜家の扉が勝手に開き、チェルシーが呆然とボートハウスに向かったのもこの時間。
ジョージが家の声に苛まれ、おかしくなるのもこの時間。

序盤の内覧時、地下室の時計はこの時間で止まっており、作中で進んだ時計はまた午前3時15分に戻った。
この家だけ時が止まっているようである。

リメイク

実は実話シリーズたが、実話なのはキャシーが家族と事故物件に引っ越してきた部分だけの模様。
引っ越したのは霊障に苛まれたからではなく、単に経済的な事情だったらしい。
そんなつまらないエピソードに尾ひれをつけて、ホラーに仕立て上げたあたりが本作の非凡なポイントなのかもしれない。

なお本作の原典はベストセラー小説「アミティヴィルの恐怖」。
1979年に映画化されており、本作はそのリメイクにあたる。

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