2023年のイギリス映画
主演者はマリア・テイラー、ニコライ・レオン
大人になったクリストファーがプーと再会するホラー映画
映画「プー あくまのくまさん」が5分でわかる!
あらすじ
恐怖の再会
クリストファーは幼い頃、100エーカーの森の動物達プー・ピグレット・イーヨーと交流を交わしていた。
しかしクリストファーは医者になるため大学に通うようになり、100エーカーの森には行かなくなった。
クリストファーが食料を与えなくなったことでプー達は飢えるようになり、イーヨーが亡くなった時、プーとピグレットは人間を憎み野生を取り戻すことを決意する。
5年後、クリストファーは大人になり、妻メリーとかつてプーと遊んだ100エーカーの森を訪ねていた。
クリストファーはかつての楽しかった思い出を胸にプーたちを探すが、森の中にあったのは不気味に果てたかつての遊び場だった。
小屋にはクリストファーの写真があり、メリーは恐怖を覚えるが、何者かが近づいてきたため2人は姿を隠す。
小屋に入ってきた男がそのままベッドで眠ったため、2人は小屋を脱出するが、小屋を出たところでメリーがピグレットに襲われ死亡する。
クリストファーの前には醜悪な姿に成長したプーとピグレットが現れ、クリストファーをどこかに連れて行くのだった。
恐怖の傷心旅行
場面は変わり、マリア、ララ、ゾーイ、アリス、ジェシカの女性5人が100エーカーの森にある屋敷に泊まりにくる。
その時、マリアらの仲間の1人は遅刻しており、1人100エーカーの森の入り口にいたが、プーに捕まり惨殺される。
クリストファーはプーの家に拘束されており、思い出の姿と変わり果てたプーの姿に涙していた。
クリストファーはプーたちを置いて森を出て行ったことを謝罪するが、プーはクリストファーをムチで痛めつけ、肉の削げ落ちたメリーの死体を見せつけ悲しませる。
その時屋敷ではララが1人でスパに入っていたが、そこにプーとピグレットが現れ薬で気絶させられる。
ララはプーとピグレットに拘束され、道路でプーの運転する車で轢き殺される。
ララの遺体を見つけたマリアらは、玄関をうろつくプーの姿を見かけ、武器を取って逃げようとする。
マリアはジェシカと持ってきた銃を探しに行き、ゾーイとアリスはララが開けっぱなしにした裏口を閉めに行く。
しかしゾーイとアリスはプールでピグレットに襲われアリスは気絶、プールに落ちたゾーイはピグレットにハンマーで殴殺されてしまう。
プーとピグレットに連れ去られるアリスを見かけたマリアとジェシカは、2匹を尾行し銃撃のチャンスを窺うことにする。
プーの家に拘束されたアリスを見つけたマリアとジェシカはアリスを助けて逃げようとするが、そこで拘束されたクリストファーを発見する。
マリアはクリストファーの拘束を解くが、その時女性の悲鳴が聞こえたため、庭に様子を見に行く。
庭には女性が拘束されており、女性は血まみれだが生きている様子だった。
マリアは女性を助けるが、血まみれの自分の姿を見た女性は錯乱し、プーとピグレットを殺すといい銃を持って歩き出す。
そこにピグレットが現れ女性は銃を突きつけるが、弾が詰まっており撃つ事ができず、背後から来たプーに捕まってしまう。
あくまのくまさん
マリアらの存在に気づいたプーとピグレットは2人を追いかける。
しかしアリスはピグレットをハンマーで殴り気絶させ、拘束したのちハンマーで殴殺する。
プーはマリアとジェシカを追いかけ森に出ていたが、ピグレットの断末魔を聴いて小屋に戻りマリアを殺す。
その様を見ていたマリアとジェシカは森を走ってプーから逃げ、林道に出たところで走ってきた車に助けを求める。
車に乗っていた男達4人は、追いかけてきたプーを倒そうと武器を持って殴りかかるが、プーには全く効いておらず、逆にプーに殴殺される。
マリアらは男らの乗っていた車で逃げようとするが、プーはマリアの運転する車に轢かれても生きており、走っている車の背後に掴まってくる。
プーは走る車の天井からマリアらに迫ってくるが、マリアが急ブレーキを踏んだため車から振り落とされる。
急ブレーキで頭部をぶつけたマリアが気を失っている間に、ジェシカはプーに連れ去られ殺される。
運転席で目を覚ましたマリアの目の前にはジェシカの頭部を持ったプーが立っており、マリアは運転席内に追い詰められる。
そしてマリアも車内から引きずり出され殺されそうになるが、そこに車に乗ったクリストファーが現れ、車をプーにぶつける。
車に轢かれたプーは意識を失っており、クリストファーはマリアを助けて逃げようとするが、意識を取り戻したプーはナイフを持ってゆっくりとクリストファーらに迫ってくる。
怪我をしていたクリストファーとマリアはプーに追いつかれ、マリアがプーに捕まったため、クリストファーはプーに謝罪し命乞いをする。
しかしプーは勝手にいなくなったクリストファーを許す事はなく、持っていたナイフでマリアを殺す。
そしてプーがマリアを滅多刺しにしている間にクリストファーは1人森を走って逃げるのだった。
レビュー・考察
皆さんもご存知くまのプーさんのパロディ映画。
くまのプーさんの著作権切れにより可能になった。
某映画批評サイトで史上最低映画100にも選ばれた問題作でもある。
本作ではクリストファーが大人になった後の事が描かれている。
プーやピグレットはクリストファーの持ってきていた食料で生きていたため、クリストファーが森に来なくなってから飢えるようになっていた。
そしてロバのイーヨーが亡くなった時、プーは人間を憎むようになったという話の筋だが、動物の面倒を見るなら最期までという良い例である。
クリストファーが森に来なくなってから、プーとピグレットは100エーカーの森で人間を襲って生きており、プーとピグレットもすっかり大人になっていた。
小太りのプーの顔には深い皺が刻まれており、ハイライトのない目と、常に半笑いの口が不気味さを感じさせる。
はちみつを美味しそうに食べる姿や、チェックのシャツと愛らしい耳が却って気持ち悪い。
ピグレットも雄豚らしく立派に成長しており、その顔には鋭い牙が禍々しく伸びている。
もしイーヨーが生きていたらどんな姿になっていか楽しみである。さぞ醜い姿になったであろう。
そんなことはつゆ知らず、大人になったクリストファーは妻のメリーと100エーカーの森にノコノコと遊びに行く。
メリーはクリストファーのプーとの思い出を想像上の出来事と否定していたが、想像よりはるかに上を行く姿に成長していたピグレットにより惨殺されてしまう。
もっと強くクリストファーを止めていれば…。
さらにマリアら女性5人も、100エーカーの森にノコノコと入ってくる。
マリアはストーキングに悩まされたことがトラウマになっており、その心の傷を癒すための旅行だったが、何も行方不明者を何人も出している100エーカーの森にわざわざ来なくてもという感じである。
案の定トラウマは癒えるどころか、新たなトラウマを生み出す結果となった。
やはり傷心旅行は温泉旅館にしておいた方が無難だろう。
女性達は次々と仲間を失うが、プーの家を突き止めクリストファーを助けたところまではまだ良かった。
マリアもそのまま逃げれば良かったのだが、助けた女性が錯乱してピグレットに襲いかかったため、逃走の機会を失い結局命を落とすことになった。
善意が報われるどころか、却って仇となっており、なんとも皮肉な結果となっている。
ピグレットはアリスの細腕でも倒す事ができたが、プーは男達5人が武器で攻撃しても無傷だった。
それどころかクリストファーが車で轢いても生きていたあたり、生命力には大きな差があったようである。
これが熊と豚の差とでもいうのだろうか…。