2023年のアメリカ映画
主演者はレイ・リオッタ、オシェア・ジャクソンJr、オールデン・エアエンライク
麻薬を摂取し凶暴化したクマに襲われるスリラー
こんな人にオススメ!
・動物パニックモノが好き
・群像劇が見たい
・グロでも大丈夫
映画「コカインベア」が5分でわかる!【ネタバレあり】
あらすじ
危険な好奇心
チャタフーチー国立公園では麻薬組織の飛行機が麻薬を積んだまま墜落しており、麻薬組織のボスであるシドは部下のダヴィードにエディと麻薬を回収にいくよう命じる。
エディはシドの息子で、妻をガンで亡くした悲しみから組織を辞めていたが、ダヴィードに連れられ麻薬を探しにいくことになる。
13歳の少女ディーディーは友人のヘンリーと学校をサボってチャタフーチー国立公園内の滝を見に行こうとしていた。
ディーディーらはその入り口で麻薬組織が落とした麻薬を見つける。
付近に落ちていた麻薬には動物が食べた跡があり、それにより凶暴化したクマ:コカインベアが現れため2人は慌てて逃げ出す。
コカインベアの恐怖
ディーティーの母親サリは、娘を探しにチャタフーチー国立公園のビジターセンターを訪ね、レンジャーのリズとピーターのパトロールに同行し捜索を始める。
ダヴィードたちは立ち寄ったトイレで襲いかかってきた暴漢たちが、探していた麻薬を持っていたことに気がつき、暴漢たちを倒してその1人に隠し場所である東屋に案内させる。
サリは国立公園の入り口で、コカインベアから逃げて木の上に登っていたヘンリーを見つけるが、突如現れたコカインベアによりリズが襲われる。
リズは一命を取り留めるが、コカインベアから逃げるうちに麻薬を被ってしまっていたピーターが犠牲になる。
その間にヘンリーはサリと逃げ、ディーディーが逃げていった跡を追う。
命からがらビジターセンターに戻ったリズだったが、ビジターセンターにはダヴィードに殴られた暴漢たちが逃げ込んでいた。
しかしコカインベアはビジターセンターにも現れ、暴漢の1人がリズの誤射で死亡し、もう1人もコカインベアの犠牲になる。
リズはビジターセンターに訪れた救急隊員と救急車で逃走しようとするが、猛烈な速さで走るコカインベアに追いつかれ殺される。
執着するシド
ダヴィードとエディは暴漢に麻薬の隠し場所の東屋を案内させていたが、その東屋には先に麻薬組織を追う警官のボブが来ており、麻薬を奪取する。
ボブは東屋にやってきたダヴィードらに銃を向けるが、そこにもコカインベアが現れる。
エディがコカインベアに襲われるが、ボブが麻薬を近くに巻いてコカインベアの気をそらす。
しかしそこに麻薬組織のボスであるシドが現れボブをライフルで撃つ。
そこにはボブがここに来る前に愛犬を預けた部下の警官もおり、ボブは裏切られたことを知る。
シドはボブからコカインベアが北に向かったと聞き、ダヴィードらを連れ麻薬を探しに北へ向かう。
洞窟を出て
その頃サリとヘンリーはディーディーが残した手がかりを元に洞窟内を捜索していたが、洞窟内には麻薬のバッグが落ちており、子熊たちが麻薬まみれになって遊んでいた。
その洞窟の奥でサリはディーディーを発見し、お互い再会を喜ぶ。
洞窟を出るとそこは滝裏の絶壁になっており、麻薬のバッグが木から引っかかってぶら下がっていた。
そこに麻薬を探しに来たシドたちが現れ、シドがサリに銃を向け麻薬のバッグを取らせようとする。
エディが麻薬のバッグを取ろうとするが、子熊がシドの持っている麻薬に寄ってきてうまくいかない。
そうしているうちに戻ってきたコカインベアをシドは撃つが、狙いが外れてダヴィードの肩に当たる。
シドはコカインベアを撃って滝壺に落とすが、コカインベアは崖の途中で引っかかり、そのまま意識を失う。
サリはディーディーとヘンリーを連れ滝壺に飛び降り、ダヴィードとエディもそれに続く。
麻薬のバッグを諦めきれないシドは、麻薬のバッグをに手を伸ばすが、麻薬の一つがバッグから落ちてしまう。
その麻薬を吸引したコカインベアは意識を取り戻し、崖を登ってシドを噛む。
シドは子熊にも噛まれ、コカインベアにより崖下に突き落とされる。
滝壺でエディとダヴィードは友情を確かめ合い、撃たれたダヴィードもサリの看護を受ける。
そしてサリとディーディーはヘンリーと家路につくのだった。
結局麻薬は誰にも回収できず、今も山中に落ちたままになっているという。
レビュー・考察
実話ネタシリーズ。
1985年にアメリカジョージア州で麻薬組織が落とした薬物を、クマが過剰摂取して死亡した事件が元ネタ。
群像劇
登場人物が多いのでまず整理すると…
サリ :ディーディーの母親、シングルマザー。看護師設定が忘れたころに生きる。
ディーディー:13歳の少女、やんちゃな性格。写生が趣味で危険な森に足を踏み入れる。
ヘンリー :ディーディーの友人の少年、振り回され体質たが、芯は強い。
シド :麻薬組織のボス、自分勝手で冷酷なマフィアらしい人物。
エディ :シドの息子、妻を亡くして組織を足抜けしていた。イケメン性格。
ダヴィード :麻薬組織の構成員、大柄で刺されても撃たれても死なないタフさを持つ。
ボブ :シドを追う黒人警察官。愛犬家。
ボブの部下 :ボブの部下の警察官、ボブの愛犬を預かっていたが、麻薬組織に寝返っていた。
リズ :ビジターセンターのレンジャー。中年女性らしいおおらかさを持つ。
ピーター :ビジターセンターのレンジャー。動物は友達と語るが皮肉な結果に終わる。
救急隊員の男女:ノリが異様に軽い。あっけなくコカインベアの餌食になる。
暴漢3人組 :よりによってダヴィードに喧嘩を売る命知らず。実際に命を失うことになった。
オラフとエルサ:冒頭でコカインベアに襲われたカップル。危機感が足りない。
オラフとエルサとかアナ雪かよ…
コカインベアの犠牲者が必要だからか90分の映画にしては登場人物が多い。
もう少し登場人物を絞れってくれると見やすいのだが…
救急隊員の二人組とか居なくてもいいし、暴漢も1人いれば十分で残りの2人はただの餌だった。
オラフとエルサとか冒頭の掴み要員かと思ったら、無駄に再登場するので厄介だ。
冗談は名前だけにしてほしい。
登場人物の死亡シーンにはグロ要素があるので、耐性がない方は要注意。
エディは麻薬組織を抜けたあと、ダヴィードを売人と蔑んでいたが、コカインベアとの一件を通し友情を取り戻す。
ラストはボブの飼い犬を部下の警官から預かって息子と仲良く暮らすことになる。ボブを裏切った警官が何の制裁も受けないのは納得いかないが、エディの話は後味が良い。
暴漢3人組の生き残りがエンディングで持っているのは麻薬のバッグ。
彼がこの話唯一の勝者なのかもしれない。
アメリカクロクマ
コカインベアはアメリカクロクマという種で、アメリカ大陸に広く分布している。
体長はオスが140〜200センチ程度、メスは120〜160センチ程度。
コカインベアはメスなので、例えると日本人女性くらいの大きさということになる。
ヒグマの生息地を避けて分布する性質があるらしいが、コカインベアも恐れるヒグマが増え続けてる日本ってどんな危険地帯なんだろうか!?
コカインベアは子熊二匹のお母さんだが、なぜかエディを気に入っており、エディとはじゃれるだけで殺そうとしなかった。やはりいい男はクマにもモテるのだろう。
コカインベアは麻薬を吸引すると気分が良くなるのか少しおとなしくなる。
暴れているのはきっと禁断症状なのだろう。
ラストでは山中にまだまだ麻薬があることが明かされており、次々と第二第三のコカインベアが現れるとなると恐怖である。
ぜひコカインベアズと米軍の戦争を描く映画「熊の惑星」が見てみたい。
ちなみにシド役レイ・リオッタは、本作が上映される前に亡くなっている。
ラストのレイ・リオッタに捧ぐというテロップはそういう意味。