2017年のイギリス・アメリカ映画
主演者はクレア・ホルト, マンディ・ムーア
海底で人喰いザメに襲われるパニックホラー
こんな人にオススメ!
・シャークケージダイビングに興味がある
・王道サメ映画を楽しみたい
・ダイビングの怖さを知りたい
映画「海底47m」が5分でわかる!【ネタバレあり】
あらすじ
・シャークケージダイビング
リサとケイトの姉妹は、メキシコのリゾートに旅行に来ていた。
この旅行にはリサの恋人も来るはずだったが、地味なリサは恋人に退屈な女と思われため振られていた。
深夜のクラブで出会った男たちはケージに客を入れ、船から水中に沈めサメを見せるアトラクションをしており、男たちと意気投合したリサとケイトはアトラクションを申し込む。
翌朝ケイトとリサは、船長のテイラーが操る船で沖合に行き、ダイビングの装備を借りて海中のケージに入る。
クレーンで吊られたケージは段々と海深いところに降りて行き、その周囲には6mはあろうかという巨大なサメが寄ってくる。
リサがケージの揺れに怯えたためケージを引き上げてもらおうとする。しかしその時クレーンが大破、ケージはリサとケイトを中に入れたまま、海底まで沈む。
・hope?No hope.
ケージの位置は海底47m。テイラーの船と離れすぎたため、リサとケイトの無線はテイラーとつながらなかった。
そこでケイトは無線のつながる場所まで泳いで浮上しようとするが、ケージの出口は大破したクレーンに塞がれて開かなかった。
ケイトはケージの隙間からケージを抜け、出入り口を塞ぐクレーンをどかす。
ケイトが泳いで浮上すると、水深40mの地点でタイラーと無線がつながったため、助けを求める。
テイラーは予備のクレーンをケージに繋ぐため、ダイバーを1人向かわせるとケイトに言い、ケージに戻るよう指示をする。
リサとケイトは、ケージの中で助けを待っていたが、なかなか助けはこなかった。
その時、船が去っていくエンジン音が聞こえたためリサが怯え、ケイトは再び泳いでテイラーに連絡を取ろうとする。
しかし今度はテイラーと無線がつながらず、さらにサメが襲ってきたためケイトは慌ててケージの中に戻る。
サメはどこかに去ったものの、リサの酸素ボンベは残り80気圧、ケイトは30気圧しかなかった。
海底のケージで助けを待つ2人だったが、そこに誰かが向かってくる光が見える。
ダイバーが助けに来たものと思われたが、その光はなぜかケージに近づいて来ず、2人が何をしても存在には気がつかない様子だった。
・リサの勇気
この頃ケイトの酸素は残りわずかになっていたため、リサがケージを出てダイバーに助けを求めにいくことにする。
しかしそこにもサメが現れ、リサは岩陰に隠れてやり過ごす。
リサは底の見えない海溝を泳いで越え、光の下にたどり着くがそこにはライトだけが落ちていた。
リサは遠くまで行きすぎたため、ケイトとの無線も切れ、ケージの方角も見失いパニックに陥る。
そこにが2人を助けにきたダイバーが現れるが、サメに襲われダイバーは命を落とす。
ケージまで戻ったリサは、ダイバーから予備のクレーンのフックを取ってケージに繋ぐ。
リサが泳いで浮上するとテイラーと無線がつながり、ケージを引き上げるよう頼むとケージは少しづつ浮上し始める。
生還への喜びを分かち合う2人だったが、その途中でケーブルは切れ、2人は再び海底に沈んでしまう。
さらに落下時にリサの足がケージに挟まれ身動きが取れなくなり、ケイトの酸素ボンベも残りわずかとなる。
テイラーは予備の酸素ボンベを落とすと伝え、沿岸警備隊が救助に来るまでの1時間ケージで待つよう指示する。
しばらくするとテイラーが船から落とした酸素ボンベが海底に落ちてくる。
ケイトはケージを出てボンベを交換することに成功するが、リサのタンクをケージに持ち帰る途中で再びサメに襲われる。
・過酷な現実
目の前でケイトがいなくなり絶望するリサだったが、ケイトがケージの外に落とした酸素ボンベに必死に手を伸ばす。
酸素ボンベはケージから少し離れたところに落ちており、動けないリサは、目の前にあった銛で酸素ボンベを手繰り寄せる。
リサは銛で手を負傷しながらも、なんとか酸素がなくなる直前で酸素ボンベの交換に成功する。
そこにケイトからの無線が入る。
ケイトはまだ生きていたが、酸素ボンベが故障し酸素分圧は低下、さらにサメに囲まれており恐怖に震えていた。
リサはケイトを力強く励まし続け、泳いで助けにいくことを決意する。
リサはまず脚を挟んでいるケージをBCDの膨らみを利用して押し上げ、怪我をしながらも強引に脚を引き抜く。
そしてサメに噛まれ重傷を負ったケイトを見つけ出し、発煙筒でサメを払いながら浮上する。
リサはケイトを抱え水深20mまで浮上し、潜水病防止のためそこで5分間待機することになる。
その間もサメは2人の周りをグルグルと回り続け、とうとう最後の発煙筒も燃え尽きてしまう。
リサとケイトは酸素ボンベもBCDも全て投げ捨てると海面まで浮上してテイラーの船に助けを求める。しかしそこでサメに追いつかれたケイトとリサは脚を噛まれ、リサは海中に引き込まれる。
リサはサメの目を突いて攻撃しテイラーに助けられる。
リサとケイトは助かったかに思われたが、それらはリサが酸素ボンベを交換した際に起きた窒素酔いが見せた幻覚だった。
現実のリサはまだ海底のケージ内におり、脚もケージに挟まれたままだった。
リサは沿岸救助隊に救助されたが、その周囲にケイトの姿はなかった。
レビュー・考察
みなさんホホジロザメを見たくありませんか?
現在ホホジロザメを飼育している水族館、世界のどこにもありません。
日本でも、かつてしまね水族館や美ら海水族館で展示していましたが、程なく死亡してしまい以来飼育していません。
捕獲や飼育が難しく、マグロのように常に泳ぎ回っていないといけないため水槽の用意が難しいのが原因のようです。
では、生きたホホジロザメが見たいと思ったらどうした良いのでしょうか?
生きたサメを閉じ込めるのは無理、
じゃあ逆に人を檻に入れればいいんじゃね!!?
ってノリでやってしまったのがこの映画。
・リスクをとるということ
参加者はリサとケイトの姉妹。
姉妹ながら性格は対照的で、姉リサは自己肯定感が低く暗め、妹ケイトは積極的でイケイケ。
本作中でも常に怯えてすぐにパニックになるリサをケイトが助けるという展開が続く。
くよくよしたリサの態度に視聴者のイライラは募っていくが、そのそも彼女はこのサメツアーへの参加を止めようとしていたのは忘れてはいけない。
リサの反対を押し切って強行したのはケイト、世の中なんでもイケイケならいいのではない。
慎重で不必要なリスクを取らないのも重要な資質。
まぁ、海底に沈んでからは必要なリスクを取らないからイライラが募るんだけどねw
リサはこの旅行の直前、退屈な女だからという理由でに振られていた。
リサは退屈な女ではないことを証明するためこの旅行を企画したが、退屈とされた理由は遊びの企画力ではなく、リスクを取らない姿勢を指しているような気しかしない。
・ケイトの生死
さて、ラストではリサとケイトは助かったと思いきやそれは窒素酔いが見せた幻覚だった。
ケイトがリサに酸素ボンベを渡した後、ケイトはサメに襲われ、手を怪我しながらもリサが酸素ボンベを交換したところまでが現実。
そこからBCDで脚を挟んだケージをどかしたところからは幻覚で、実際にはリサは脚をケージに挟まれたまま一人狂ったように幻覚を見続けていた。
ケイトはサメに襲われた後生死ははっきりわからないが、ラストで沿岸救助隊に助けられていないあたりお察しというところだろう。
やはり強く逞しいリサなんてこの世のどこにもいなかった…
・映画を楽しむための用語集
・BCD
スキューバダイビング用の機材、浮力補償装置。
・潜水病
海底から急激に浮上することで、高圧状態で血液中に溶けていた窒素が、気泡を作る状態。
重症の場合、脳卒中に似た症状を呈し呼吸困難や神経症状を呈する。
・窒素酔い
ガス昏睡ともいい、体内に溶け込んだ気体が増えたことで起こる神経症状。
酒に酔ったようになり、高揚感や多幸感を感じるようになり無意味に笑ったりする。
・シャークケージダイビング
メキシコ、南アフリカ、オーストラリア等で行われているツアー。
船の後方から海中に落としたケージに入り、ホホジロザメを観察する。
サメがケージを破壊するなど、世界各地で事故の事例がある。