【直感×論理】映画「MERCY/マーシー AI裁判」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2026年のアメリカ映画
出演者はクリス・プラット、レベッカ・ファーガソン
AI裁判で無実を晴らすSFスリラー

こんな人にオススメ!
・AIを使いこなしている人
・敵と共闘する展開が見たい
・スピード感ある展開が好き

映画「MERCY/マーシー AI裁判」が5分でわかる!

あらすじ

冷酷なAI判事マドックス

近未来のロサンゼルス。
急増する犯罪に対応するためAI裁判所マーシーが立ち上がり、2年間で18人が判決により処刑されていた。
この日マーシー裁判所に被告として立たされたのは刑事のクリスで、これまで8人の犯罪者をマーシーに送った、いわばマーシー裁判所の立役者だった。

クリスの容疑は妻ニコールの殺害で、処刑を回避するにはAI判事マドックスに自らの容疑を晴らし、有罪率を現在の97.5%から92%まで減らす必要があった。
マドックスによるとクリスは妻ニコールを殺害した後、バーで飲酒しているところを逮捕されたというが、クリスにはその記憶がなかった。
クリスは事件の第一発見者である娘ブリットと話したいと言うが、未成年者は裁判に参加できないとマドックスに却下され、代わりに通話の申請を出す。

クリスはニコールと円満な家庭を築いていたが、相棒のレイを失ってから怒りっぽくなっており、ニコールは離婚を考えていた。
そこに先ほどの申請を受け、ブリットから電話がかかってくる。クリスは泣きじゃくるブリットをなだめようとするが、話も途中に通話を切られる。

クリスは判決は裁判の前から決まっていると激昂するが、マーシーは動じず有罪率を5.5%下げられないとブリットは父親も失うことになると言う。

上昇する有罪率

クリスは同僚の警官ディアロに現場の様子を映してもらい、現場には争った跡があること、凶器の包丁がクリスのものだったため指紋が付いていたことを知る。

クリスはニコールが使い捨てスマホを持っていた気付き、そこに登録された唯一の通話相手を探る。
すると通話相手の使い捨てスマホはハリウッドにあることがわかり、ディアロが向かう。
そこにいたのはシェフのバークという男で、警察が来たと見るや逃走を図る。
ディアロが逮捕したバークにマドックスがヒアリングを行い、バークはニコールに定期的に料理を作っており、ニコールの話し相手になっていたことがわかる。
しかし今朝はレストランで勤務しており、クリスもバークは犯人でないと判断したことから有罪率は98%に上昇する。

クリスは酒を絶っていたが、一年前から密かに飲酒しており、そのことがニコールに露見しため口論になっていた。
クリスは相棒のレイが殉職した時、レイを殺した犯人が無罪になったことで密かに酒を飲むようになっていたのだ。

事件の日の朝、クリスは車に置いていた酒がなくなっていることに気づき、ニコールに問い詰めるため出勤途中で自宅に戻っていた。
そこでクリスはニコールと口論になり、ニコールが大切にしていた花瓶を割った際ニコールが怪我をし、クリスの衣服にニコールの血痕が残ったのだと言う。
しかしその後のことはクリスの記憶になく、クリスも自暴自棄気味に自ら罪を認めるような発言をする。
しかしそんなクリスにマドックスは記憶がなければ罪を認めるのは不可能と伝え、残り時間でマーシーの機能を使い真実を知ってから死にたいと思わないかと言う。

クリスの直感

クリスは裁判の残り40分で真犯人を探すため、ニコールの交友関係をあたることにする。
クリスはバークと通話し、ニコールが友人と揉めていたか尋ねる。
するとバークはニコールの職場である化学物質の盗難があり、ニコールがその調査を任されていたと言う。

そこでクリスはニコールの同僚をあたることにし、ディアロをニコールの会社に向かわせる。
ニコールの同僚たちはつい最近、クリスの自宅にパーティで来ており、その時に家の下見をした可能性を疑う。
しかしマーシーが調べても事件のあった今朝クリスの家を訪ねた者はおらず、クリスはパーティで訪ねてきた同僚の車を探る。
ニコールの同僚ロブは他に2人を車に乗せて来ていたが、帰りは別々に帰ったと言う。
事件前夜のブリットのSNSではクリスが帰って来たと言って動画は終わっていたが、その投稿時クリスは警察署で勤務していた。
クリスはブリットに電話をかけ何の物音を聞いたのか尋ねようとするが、感情的になり電話を切ろうとするブリットをマドックスが宥める。
クリスはブリットにSNSのことを尋ね、パーティの時から何者かが地下室に潜んでいたことを突き止める。
直感で動こうとするクリスにマドックスは論理的に動くべきと諌め、まずニコールの会社で起きた盗難事件を調べるべきだと言う。

マドックスの論理

ニコールのメールの履歴を洗うと、ニコールの同僚のホルトという男が不審な尿素の取引をしていることがわかる。
尿素は化粧品や肥料の原料になるため高額で取引されており、監視カメラの映像からニコールがホルトと揉めていたことがわかる。
ホルトの資産を調べると金銭的にかなり追い詰められていることがわかり、動機が金と推察されたことからクリスの有罪率が94.7%に下がる。

ホルトがロブにも金を借りていたためロブに話を聞こうとするが、代理で通話に出たホルトはロブを探しに行ったきりなかなか戻らない。
クリスが戻って来たホルトを問い詰めると、盗難事件の犯人はロブで、ホルトは彼を庇ったと話す。
ホルトはパーティの日、ロブがパーティに連れてきた同僚をロブの車に乗せて帰っており、それきりロブと会っていないと言う。
クリスはロブが自宅にいることを突き止め、ディアロとSWATをロブの自宅に向かわせる。
ホルスの車の画像を確認すると、ロブがホルスの車のトランクから出てくるのが確認され、有罪率は93.4%になる。
裁判が中止になる数値だが、マドックスは確認できる事実が不足していると言う。
クリスがまだ俺を疑うのか、直感はどう思っているかと問うと、マドックスの画像と音声が乱れるが、マドックスは正常に機能していると言う。

真犯人

その時、SWATがロブの自宅に到着する。
ディアロも現場に到着し、SWATがロブの自宅に踏み込むが誰もいなかった。
ロブの自宅では証拠が隠滅されていたが、残された状況からロブが尿素を用いた爆弾を製造しており、その目的が大規模テロであることがわかる。

さらにロブが養護施設にいた頃の写真には、かつてクリスが逮捕しマーシー裁判所で処刑されたウェブという男が写っていたことがわかる。
ロブとウェブは兄弟だったが、ロブだけが里親に引き取られたため別の姓を名乗っていた。
ロブは爆弾を積んだトラックでマーシー裁判所に向かっており、その助手席にはブリットが人質になっていた。

ロブの自宅は時限爆弾で爆発し、ディアロは無事だったものの多くのSWAT隊員が犠牲になる。
クリスの有罪率は0%になり裁判は中止になるが、クリスはその席を離れず、マドックスとロブを追おうとする。
しかし裁判のカウントは依然進んだままであり、被告席に居続ければクリスは処刑されるという。
それでもクリスはマーシー裁判所の機能を使うため被告席からロブを追うことにし、ディアロと協力してトラックを止めようとする。
ロブのトラックに手を焼いたディアロはクリスの制止を聞かずに爆弾でトラックを爆破する強硬手段に出ようとする。
しかし爆破寸前でマドックスがその機能を止め爆破は防がれる。

クリスはロブと通話し、ロブはウェブの無実を主張しており、その復讐でニコールを狙わったという。

人とAIの過ち

ロブのトラックがマーシー裁判所に突っ込んで来たため、緊急電源に切り替わった裁判所の電力は40%まで低下する。
しかし裁判のカウントダウンが残りわずかに迫っていたため、クリスはマーシー裁判所の機能で被告席に拘束されるが、マドックスが介入したため解放される。

クリスはインカムでマドックスと会話しながらロブのいるロビーに降り、ブリットに銃を突きつけるロブと対峙する。
ロブは爆弾を爆破させようとするが、ロブがウェブの無実を主張していたため、マドックスはウェブの裁判を再開するとしロブと話す。
その隙にクリスがブリットを救出し、ロブに銃を突きつけニコールの復讐をしようとするが、ロブは現れたディアロに撃たれる。

ロブは捕まってもなおウェブの無罪を主張しており、ウェブは事件時ロブとスマホで話していたという。
しかしそのことを証明できるウェブのスマホは事件の証拠品として登録されていなかった。
マドックスが調べるとディアロがウェブを逮捕した時にスマホを押収していたが、その後ディアロが意図的にスマホを廃棄していたことがわかる。

その場で逮捕されたディアロはマーシー裁判によりクズを脅かし治安をよくするためだったと言い残し連行される。
クリスはブリットと無事の再会を喜び合い、なぜ人もAIも過ちを犯すのかとと漏らすマドックスにクリスは過ちを犯して学んでいくと伝える。
その直後、マドックスはクリスの裁判を棄却し、この裁判は終わりを迎えるのだった。

レビュー・考察

スピード感ある展開と、それを補うビジュアルエフェクトがスタイリッシュの傑作!
2段底の奥深い展開も見事な一本!

近未来AI裁判

あらゆる行動が監視されている近未来。
人々の居場所は常に把握され、その行動は町中の監視カメラで見られていた。

マーシー裁判では、そのような情報を含むあらゆるネット上のデータを証拠にし、AI判事マドックスが被告人の有罪を確定していく。
被告人には自身の弁護をする権利があるが、制限時間内に有罪率が下げられなければ即処刑というスピード感である。

そんなマーシー裁判所のAI判事マドックスは女性アバターである。
しかしその表情は冷酷、論理的に詰めてくるのはロジハラそのものだし、見下すような視線は刺すようですらある。

そんなマドックスもバグる事がある。
ロブがホルスとグルで逃走していることが明らかになり、クリスがまだ俺を疑うのかとマドックスを詰めた時である。
論理的にはクリスを無罪とする証拠が不足しているが、直感的にはすでにクリスの無罪を確信していたからだろう。
なんなら一瞬笑顔になっている。とんでもないツンデレAIである。

ちなみにデータベース上にない証拠は確認できないという弱点がある。
ロブはそこをついて犯行計画の一切をデータ化せず紙ベースで保管していた。
超ハイテクにローテクで対抗した形だが、立ち上げ時点でそのリスクに気づこうよ…普通に想定できる範囲だよ!

直感×論理

本作のキーワードは直感と論理である。
すなわちクリスの直感とマドックスの論理。

最初はひたすら論理的に全ての証拠がクリスの有罪を示していると詰めてくるマドックス。
しかしクリスがバークの線を探るも失敗したあたりから急に優しくなってくる。
せめて処刑される前に真実を知りたくないかとクリスを煽ったり、混乱するブリットを宥めて証言を引き出したり、クリスの弁護に協力的ですらある。
なんなら直感に頼りすぎるクリスの捜査を論理的に知るべるよう諌めたりと、終盤ではもはや相棒感すら出ている。
この変化の契機は、クリスがニコールの浮気を知って害意を抱くほど愛情は残っていなかったと話したあたりにあるのではないだろうか。
マドックスもこの時点で直感的にクリスが犯人ではないと感じていたのかもしれない。

ラストではマドックスは真犯人を突き止めテロを防止したクリスの直感の正しさを認め、自らの過ちを認めている。
結論から言えばマーシー裁判で処刑してしまったウェブには無罪だった。
ディアロによってウェブのスマホが廃棄されたので、マドックスは知る由もなかったが、ウェブにはアリバイがあったことがラストで明らかとなっている。
結果的にマドックスは冤罪で処刑を執行してしまったことになり、ロブをテロ事件に導いてしまった。
最初、私は間違えないと自信満々だったマドックスだが、ラストでなぜ過ちを犯すのかと自省的になっている。

同時にクリスは直感的すぎて、レイの死後周囲に当たり散らすようになる。
もっと論理的に考えればそんなこと無意味だと理解できたろうに、それが故にニコールと揉め被告席に座らされることになる。

クリスはマドックスに人もAIも過ちを犯すから学ぶことができると伝え、マドックスはクリスの裁判を棄却する。
同じ過ちは繰り返せないという意思の現れである。

強硬的なディアロの秘密

マーシー裁判所から動けないクリスのかわりにあちこちの現場を捜査してくれる頼れる同僚ジャッキーことディアロ。
真犯人がロブと分かると否や、ブリットが人質になっているのにも関わらずトラックを爆破しようとしたり、躊躇なくロブに発砲したりと強硬手段が目立つ。

実はその動機は証拠隠滅で、ウェブをマーシー裁判で処刑し、悪人達への見せしめとするためウェブのアリバイとなるスマホを密かに廃棄していたことが露見するのを防ごうとしていた。
結果ウェブは冤罪で処刑され、マドックスは過ちを悔いることになる。
結局どんなに優れたAIも使用する人次第ということか…

真犯人ロブが捕まってめでたしめでたしで終わらない2段底構造も、本作の魅力である。

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