【時を戻る戦士】映画「TENET」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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ムーンウォークでえっほえっほ

2020年のアメリカ映画
出演者はジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ
時間の流れに抗うSFアクション

こんな人にオススメ!
・クリストファー・ノーラン監督のファン
・難解な作品を読み解きたい
・ユニークなアクションが見たい

プライムビデオ「TENET」が5分でわかる!

あらすじ

・組織TENET

CIAがテロ組織に占拠されたキエフのオペラ座に突入する。
黒人隊員の名もなき男はテロリストが仕掛けた爆弾を除去して逃げるが、テロリストに捕まって拷問を受ける。

自殺ピルで死を選んだ男だったが、生き延びた彼は人類を救うため“TENET“という組織に入る。
男はあるビルを訪ねるように導かれ、彼を助けた組織TENETの目的が第三次世界大戦を防ぐことであることを知る。

TENETは未来から送られた技術を持っており、その技術を使うと手を離れた銃弾は瞬く間に手元に戻り、銃で壁を撃つと壁の破損は一瞬で修復される。
この技術は時間を逆行するもので、過去を変える力を持つという。
TENETでは、この技術を使った何かの部品を集めており、それは来るべき戦争の残骸であると考えられていた。

男はインドの大物サンジェイに会うため、ニールという人物と出会う。
男とニールは時間を逆再生し、ビルの屋上のサンジェイの部屋に侵入する。

サンジェイはキエフのミッションで使われた銃弾の加工に携わっていると見られていたが、男が脅しても何も話さない。
男はキエフで時間が逆再生する銃弾が使われているのを見ており、その出元を探っていた。
サンジェイの妻プリヤは、銃弾を売った時は普通の弾だったと話し、男は謎を探るためセイターに近づくことにする。

セイターの情報を求めて、男はクロズビー卿を訪ねる。
セイターは名門の妻キャサリンを娶り、プルトニウム売却で得た金の力で乗り上がった男で、近づくには絵画の鑑定士でもあるキャサリンを使うようアドバイスをもらう。
男はクロズビー卿からゴヤの絵画の贋作をもらい、絵画の鑑定を口実にキャサリンに近づく。
この贋作のゴヤはもう1つあり、かつてキャサリンがセイターに売却していた。

男はそのことをキャサリンに話しセイターとの面会を求めるが、セイターは贋作であることを知っており、キャサリンを脅迫し束縛しているという。
そこにセイターの部下たちが現れ男を襲う。
男は部下たちを全員倒し、キャサリンはそれを見届けて現場を去る。

・セイターとの出会い

キャサリンによるとセイターはゴヤ贋作の絵画をオスロ空港のフリーポートのフリーポートに保管しており、年5回足を運んでいるという。
しかしそれは絵画を見るためではなく、別の目的があるという。

男はこのフリーポートにプルトニウムがあると睨み、これを奪う計画を立てる。
フリーポートのロックを解錠するため男は飛行機トラブルを起こし、火災を起こすことにする。

新たに仲間に加えたマヒアは、男とニールがフリーポートに入った頃を見計らって貨物機を乗っ取り、フリーポートにぶつける。
火災を察知したフリーポートはCO2消火器が発動、スタッフが避難した隙に、2人はフリーポートを探って金庫室にたどり着く。

金庫室には奇妙な回転ドアがあり、誰かが争った後なのかガラスには銃痕が残っていた。
その時回転ドアが開き、男は全身スーツの兵士と格闘になる。
兵士は時間を巻き戻す銃弾を使っており、捕まえた男が問い詰めるが結局逃げられる。

男は再びプリヤと会い、プリヤはセイターがキエフのオペラ座を狙ったのはプルトニウムを盗むためで、男に未来からの攻撃を止めて欲しいという。
男はキャサリンの仲介でセイターに会い、ロシア軍基地でなくなったプルトニウムが、キエフのオペラ座にあったことを話す。
男はセイターにプルトニウムを盗んでくる取引を持ちかけ手を組むことにする。

子供を使ってキャサリンを束縛するセイターに、キャサリンは苛立ちを募らせていた。
セイターがキャサリンの態度に激昂したので、キャサリンは銃を突きつけるが、セイターの逆撃にあり暴力を振われる。

その頃、男はプルトニウムの輸送車を用意した大型車で取り囲んでいた。
男は輸送車からプルトニウムのバッグを盗み出すが、そこに時間を逆行した車が、バック走で猛追してくる。
車にはセイターが乗っており、キャサリンを人質にとっていたので、男はセイターにプルトニウムのバッグを渡す。

セイターは暴走する車から1人で逃げ、キャサリンは暴走した車に取り残される。
男はキャサリンを助けるも、セイターが襲撃に戻ってきたので、男とキャサリンはセイターに捕まる。

・逆行する時間

男とキャサリンは金庫室に連れて行かれ、セイターの拷問を受ける。
セイターは男にプルトニウムの隠し場所を尋問し、男は嘘の隠し場所を話す。
そこにプリヤの部隊が助けにきたのでセイターは逃げ、撃たれたキャサリンを救うため、彼女を回転ドアに入れる。

男はプルトニウムがセイターの手に渡るのを防ぐため、回転ドアに入り自身の時間を巻き戻ことにする。
車で逆行する時間の中をカーチェイスの現場に戻ると、セイターも時間を巻き戻しプルトニウムを取りに来ていた。
しかし男はプルトニウムを奪われ車は横転、セイターは男が乗った車に火を放ちその場を去っていく。

男とキャサリンはニールに助けられ、いつも一歩先のことを知っているニールに男はその正体を尋ねるがはぐらかして答えない。

コンテナは時間を逆行しており、飛行機でフリーポートを襲撃した時間まで戻っていた。
時間逆行に耐えるため全身スーツを着ていた男は、逆行する時間の中で男自身と格闘になる。

その間ニールはキャサリンを担架に乗せて回転ドアを潜って時間軸をもとに戻す。

・奪還作戦

男はプリヤと会い、プルトニウムの正体は実はアルゴリズムで、未来の天才科学者が作ったのもだという。
それは人類を滅ぼす可能性があったので、科学者は9分割し世界に隠した。
セイターはそれらを集める使命を持っており、手に渡ったプルトニウム241が最後の一つだった。

セイターを殺すとアルゴリズムに信号が流れ、全ての時間が逆行し、世界が滅ぶようになっていた。
しかしセイターは膵臓癌で、彼が亡くなるまでにアルゴリズムを奪還しないと世界が滅ぶことが明らかになる。

時間を巻き戻し、キエフでのオペラ座の時間まで戻った男とニールは、プリヤの兵隊と協力してアルゴリズムを奪還する軍事作戦を展開する。
その作戦は、部隊を二手にわけ、時間の順行組と逆行組に分かれて基地を挟み撃ちにするものだった。

激戦の中、男とニールはトンネルをくぐり抜け、プルトニウムの保管場所にたどり着く。
しかし扉には鍵がかかっており、男はセイターの部下に阻まれる。

同じころ、キャサリンはセイターとバカンスの時間まで戻り、子供を取り戻そうとしていた。
突然セイターは電話をかけ始め、その電話の相手は基地にいる男だった。

男の目の前で最後のプルトニウムが格納され、アルゴリズムが完成しようというところで、キャサリンがセイターを殺してしまう。
その時、鍵の扉の向こうで倒れていた男が時間を逆行して蘇り、男はギリギリのところでプルトニウムを奪還、アルゴリズムの完成を防ぐ。

実はニールは男に雇われ時間の挟撃作戦を遂行していた。
鍵の扉で倒れていたのは実はニールで、作戦が失敗した世界線もあることを男は知る。

後日、事件のことを知りすぎたキャサリンをプリヤが消すことを察知し、男はプリヤを消す。
未来の男こそが組織TENETのトップだったのだ。

レビュー・考察

展開が早く、超難解な本作。
重要なのは今のシーンで時間が順行しているのか、逆行しているのかを把握すること。

大まかな時間軸を図にするとこうなる。

最初の方は銃弾が逆行する程度で、人物は時間を巡航しているからわかりやすい。
中盤、カーチェイスのシーンが文字通りのターニングポイントになる。

プルトニウムを取り戻すため回転ドアを潜った男の時間は逆再生を始め、周囲の人々はムーンウォークで歩き出す。
そこで奪還に失敗し、セイターに敗れた男はコンテナの中でニールに助けられる。
このシーンで混乱しやすいが、実はコンテナの周囲ではまだ時間は逆行している。

カーチェイスのシーンからさらに時間を逆行して、オスロ空港での作戦のシーンまで戻る。
そこで過去の自分と戦いながら回転ドアを潜って、一度時間は順行する。

プリヤに新たな指示をもらい、大型タンカーで移動しているシーンに移るが、このタンカーは実は時間を逆行している。
映画冒頭のキエフのオペラ会場での時間まで逆行したところで、全く別の場所でアルゴリズムの奪還作戦がはじまる。

作戦が失敗した時間軸から巻き戻ってきたニールに助けられて、男はアルゴリズムの発動を防ぎ世界は平和に包まれる。

ニールはいつも一歩先のことを知っており、作中でも男にスパイを疑われる。
実はニールは、未来の男に雇われ未来から巻き戻ってきていたので何が起こるか全部知っていた。
TENETの黒幕は実は未来の男でした。という話。

映画の半分あたりで、時間が逆行してスタート地点に戻るあたりがおしゃれ。
映画のタイトルもTENET ちょうどTENの回文である。

冒頭キャサリンがベトナムでのバカンス中、セイターの船から飛び降りた女を見る。
子供に縛られ、セイターから逃げられない自分と対照的なその姿に憧れたのが語られる。
しかし、それは未来から逆行してきた自分自身だったという話。

映画としては難解で解き答えのあるクイズのようだが、娯楽作品として及第点。
強いていうなら、逆行する時間軸でムーンウォークする人々や、後ろ向きで走る車がどこか滑稽。
シリアスなシーンもギャグになる。

時間を逆行するアクションシーンは見ものだが、心に残る名作感はあまりない。
複雑な設定を解き明かすのが好きな人にはオススメです。

ぼんやり見ていると、何もわからず終わる。
そういう映画。

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