2025年のアメリカ映画
主演者はクーパー・ホフマン、デヴィッド・ジョンソン,、マーク・ハミル、ギャレット・ウェアリング
過酷なデスゲームで育まれる友情を描いたドラマ映画
こんな人にオススメ!
・デスゲームが見たい
・友情の美しさを感じたい
・スティーブ・キングのファン
映画「ロングウォーク」が5分でわかる!
あらすじ
ロングウォーク
戦争により衰退したアメリカを復興されるためのレース、ロングウォークに若者50名が集められる。
過酷なレースだが、優勝者には多額の賞金と願いが一つ叶えられる権利が与えられる。
レイ・ギャラティも参加者に選ばれた1人で、母親の反対を押し切ってロングウォークに参加することにする。
ロングウォークのスタート地点は華々しいものではなく、軍人と戦車が配置された物々しいものだった。
そこで指揮を取る少佐から、参加者一人一人にネームタグが配られ、ロングウォークの目的は労働意欲を喚起し、アメリカの復活させることであることが語られる。
ロングウォークにはゴールがなく、最後の1人になるまで走ることが知らされる。
時速4.8km以上をキープし、速度を落とした場合10秒で速度を回復しないと警告を受ける。
警告を受けても1時間4.8km以上の速度に戻したら警告が1つ減る。
警告は3回が上限でそれ以上は失格となる。
車道から外れたら即失格となることが知らされる。
そしてレースは幕を開ける。
50名の参加者を見送るものは軍人と戦車だけ。
開始早々、靴の中に石が入ってしまった参加者が、靴を履き直している間に3つの警告をもらってしまう。
11km地点では足の攣った参加者がとうとう立てなくなり警告3つを超え射殺される。
チーム三銃士
27km地点で陽気で前向きな黒人ピートの提案で、仲の良いピート、レイ、アート、オルソンの4人で三銃士を名乗りチームを作ることになる。
その中でも、痙攣を起こした参加者が倒れ射殺される。
さらにオルソンの足にも異状が起こり、三銃士の4人は速度をギリギリまで落とす。
さらに食料を落としてしまったオルソンのために、レイは自分の食べ物を渡す。
そんな時、最初から挑発的な態度だったバーコビッチという参加者に挑発された参加者がバーコビッチを殴ろうとして転倒し、警告3つを超え射殺される。
これにはピートはわざと殺したと怒り、バーコビッチと対立する。
その後も、ひどい下痢をした参加者が、路上で用便しているところで警告3つ超え射殺される。
56km地点、1日目の夜を迎える。
歩きながら寝ていたレイをピートが起こす。その後も眠気とイライラからレイは3つ目の警告をもらい、さらに励まそうとしたピートに怒りをぶつけてしまう。
しかし道はここで急坂となり、過去ここで多くの参加者が脱落したという。
体力の限界から意識朦朧となったレイをピートが助け、的確なアドバイスで立て直す。
レイは無事に坂上まで辿り着き、怒ったことをピートに謝罪する。
お互いの夢
108km地点、2日目の朝を迎えるが、そこで足首の折れた男が射殺される。
レイとピートはは励まし合いながら進むが、オルソンは体力の限界からかなりイライラしていた。
166km地点、残った参加者たちはお互いの夢を話し合っていた。
その中でピートはロングウォークに参加する中で、ロングウォークの勝者を2人にしたいと思うようになったと語る。
レイの夢は世の中を変えることで、その中でロングウォークも中止にしたいという。
2日目の夜は雨になり、レイはピートの肩を借り歩き続けた。
232km地点、レイはピートに亡くなった父の話をする。
レイの父は、内戦後違法となった哲学書や音楽でレイを育てていたが、そのことで軍に捕まり、レイの目の前で少佐に射殺されてた。
レイの夢はある願いを叶えることで、少佐を殺すことだった。
そんなレイにピートは今この瞬間に感謝することを伝え、復讐の無意味さを伝えるのだった。
274km地点、次々と脱落者が出る。
323km地点、3日目の夜を迎え、疲れ切っていたオルソンは軍の戦車に向かって行ったため足を撃たれる。
アートは思わず駆け寄るが、警告対象となるその行為をレイが止め、アートを再び歩かせる。
オルソンは警告3つを超え、射殺される。
4日目の朝、実はオルソンは既婚者であることがわかり、ピートは優勝者がオルソンの妻のため、何かをすることにしようと残った数少ない参加者に呼びかける。
しかしバーコビッチは初日に対立していたピートが、その呼びかけを自身にしなかったことを気にし始め、レイの励ましも虚しく突然ピートの目の前で喉をつき、倒れたところを射殺される。
5日目、460kmを歩き、レイの故郷フリーポートに着くが、そこでレイの靴が破れてしまう。
裸足で歩くレイを母親が涙ながらに見送るが、それを見たレイは思わず駆け寄ってしまい、警告を3つもらったところでピートが駆け寄って歩かせる。
そんなレイにピートは孤児として生き続けてきたことを語り、若い時ナイフを持った相手に喧嘩を売ったことで首元に深い傷を負ったことを話す。
その時からピートはどんな暗闇でも光を求めると語り、自身に必要なのは兄弟だという。
492km地点、参加者の1人が軍の銃を奪って軍人の1人を射殺し、自殺する。
521km地点、鼻血が止まらなくなったアートを、レイとピートが両脇から抱えて歩かせる。
限界を悟ったアートは2人の友情に感謝し、ネームタグを祖母に届けるよう頼むと、自ら歩みを止め射殺される。
虚しい勝利
525km地点で残ったのはレイ、ピート、ステビンズの3人だけになった。
最初からステビンズがロングウォークに詳しかったのは、ステビンズが実は少佐の婚外子だからだと言う。
そしてその願い事は父親の家に行き、お茶をすることだった。
しかしすでに限界を迎えていたステビンズも自ら歩みを止め射殺され、レイとピートだけが残った。
その夜は雨になり、それでも2人は歩き続けた。
533km地点、最期の瞬間を見届けるため沿道に野次馬が集まってくる。
そこでピートは突然歩みを止めるが、レイはもう少し歩こうと話しピートを歩かせる。
しかしレイはそこで突然歩みを止め、少佐により射殺される。
ピートは優勝者となり、少佐から願い事を尋ねられる。
ピートは目の前にあるカービン銃を要求し、それを手にした瞬間少佐に銃を向ける。
多額の賞金を手にしたピートが撃つはずが無いと思っていた少佐だったが、ピートはレイに捧げるとつぶやいて少佐を射殺する。
生き残ったピートは、ひとりどこかに歩いて行くのだった。
レビュー・考察
ホラーの大家、スティーブン・キングが別名義で書いた小説の映画化。
小説版のタイトルは「死のロングウォーク」、不穏な雰囲気しかない。
ユニークな世界観
アメリカが戦争により分断された世界。
第二次南北戦争でも起きたのだろうか。
戦争は終結したが、これより国力は大きく低下、貧困が問題になっている。
治安維持のためか厳しい情報統制が行われており、ニーチェやキルケゴールなどの哲学書や、戦前の音楽も自由に聞くことができなくなっている。
これに反抗し、密かにレイに哲学書や音楽を与えていた父は処罰され、その場で少佐により射殺された。
スマートフォンなど情報機器も出てこないあたり、インターネットも禁止されているものと思われる。
ただしこれはメタ的には原作小説が1970年代のものであるためと思われる。
ロングウォークは経済の沈滞したアメリカを復興させるために行われており、アメリカ中にこの光景を中継することで、労働意欲を喚起させるのが狙いとなっている。
ロングウォークの中継がなぜ労働意欲の喚起に繋がるのかちょっとよくわからない。
文字通り死ぬ気で歩き続ける若者を見て、自分も頑張ろうとでも思うのだろうか…。
ロングウォークのルール
・ゴールがなく、最後の1人になるまで走る
・時速4.8km以上をキープする
・速度を落とした場合、10秒で速度を回復しないと警告を受ける
・警告を受けても1時間速度に戻せたら警告が1つ減る
・警告は3回が上限で、それ以上は失格となり、射殺される
・車道から外れた場合、即失格となり、射殺される
ルールは簡単!ひたすら歩くだけ。
しかしいかなる理由があっても止まることは許されない。
靴紐の結び直しでも速度が落ちれば警告が出るし、体調不良でも容赦はない。
用便や怪我でもアウトと、トイレが近い人には地獄のようなルールとなっている。
毎日用便するアートは、警告3つもらうまで路上で用便したが、拭く時間はないためピートに臭いとからかわれた。
明快で冷酷なルールだからこそ、参加者がピンチの時には、頑張れと応援したくなる。
参加者同士の助け合いも美しく、観るものを感動させる。
確かに競技としての感動はあるが、それはスポーツでもおなじこと。
やはりなぜロングウォークで労働意欲が喚起できるのかは謎である。
レイの夢とピートの夢
優勝者には賞金と夢を叶える権利が与えられる。
今回の優勝者であるピートが選んだ夢は、レイの夢だった少佐への復讐だった。
あれだけレイに復讐の虚しさを説いていたピートが復讐を選んだのである。
孤独に生きてきたピートが望んだのは兄弟だった。そしてロングウォークで思わず得た兄弟とも言える親友レイを、冷酷なルールに奪われた。
ピートはレイこそ優勝者になるべきと考えていたので、その願いを叶えたいと考えたのだろう。
虚しいラストである。
ピートの兄弟が欲しいという願いは優勝したからこそ叶わず、またひとりになってしまった寂寥感がラストのカットによく現れている。
優勝などせずにいれば、願いを叶えたまま最期を迎えられたのかもしれない。
自ら歩みを止めたピートの心情は満足に満ちたものだったのでは無いだろうか。
ちなみにレイが優勝者になっていたら、どんな夢を叶えたのだろうか?
夢の内容は明確に語られないが、社会システム全体を変える内容だったようだ。
その結果、ロングウォークはなくなり、少佐への復讐もできるようになると語っているいるあたり、体制を覆す何かであることは明らか。
しかし反体制的な夢は叶えてもらえないので、察するに情報の自由化とかそんなところなのではないだろうか?
そしてそれこそがレイの父の教えでもある。
あまりにも準備の悪い参加者たち
情報統制のかかっている社会なので、ロングウォークに対する参加者の理解度にはばらつきがある。
でも中継されているのだから、事前に情報収集くらいできるでしょう…。
ましてや失格は射殺という超重要な情報くらいはすぐにわかると思うのだが…。
それなのに参加者の服装はまるでちょっと街に出るくらいのものである。
平服でお越しくださいを間に受けてしまったやつだろうか。
登山やフルマラソンをするようなスポーティな服装の者は1人もいない。
リュックも布製で水を吸うと重くなる上、内容物もダメになる。
ウエストハーネスもないから、長時間背負うと肩に負担がかかるものばかり。
水や食料は軍から支給されるみたいだが、せっかく持ち込める私物に何故ボール、カメラ、ラジオといった実用的でない物ばかりを選ぶの?
そうじゃなくて最も重要なのは雨具だろ…、遠足の基本だよ!
この辺の服装や持ち物のルールがちょっと謎である。

