【静かに!】映画「サウンド・オブ・サイレンス」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2024年のイタリア映画
主演者はペネロペ・サンギオルジ, ロッコ・マラッツィタ, ルチア・カポラーソ, ダニエル・デ・マルティーノ
音を出すと襲ってくる幽霊に襲われるホラー映画

こんな人にオススメ!
・スプラッタのないホラーが好き
・音で見せる映画が見たい
・低予算ながら工夫した映画が見たい

映画「サウンド・オブ・サイレンス」が5分でわかる!

あらすじ

呪いのラジオ

ピーターは屋根裏部屋で見つけたラジオを修理していたが、突然ラジオ以外の声が入る。
周囲を見渡すと見知らぬ女性がおり、何者かにピーターは首を絞められる。

ピーターの娘エマは歌手のオーディションを受けていたが、パニックになり失敗してしまう。
家では恋人セバが慰めてくれるが、その時エマの元に母から電話が入り、急遽イタリアの実家に帰ることになる。
ピーターは突然妻に暴力を振るい、抵抗した妻により突き飛ばされ脳震盪と骨折で集中治療室に運び込まれていた。

妻はあれはピーターではなかったといい、娘のエマには実家に帰らないように警告するが、エマはそれを聞かずセバと実家に戻ってしまう。

静かに!

実家に戻ったエマとセバだったが、冷蔵庫の中身は食べられる状態ではなかったので、セバ買い出しに行くことにする。
その間実家に残ったエマはかつて両親が作ってくれたスタジオで、子供の頃父と録音した歌を聴いていた。
スタジオで歌を録音しようとしていたエマだったが、ヘッドフォンに見知らぬ女性の声が入り「静かに!」と言われる。
エマがスタジオを出ると屋根裏部屋にあったラジオが突然大音量で歌を流しており、突然現れた女性がそのスイッチを消す。
エマが再びラジオをつけると「静かに!」といいながら女性が現れ、スイッチを切ると姿が消えた。

その時、実家の黒電話が突然鳴り始める。
それはセバからの電話だったが、謎の女性の不気味さに恐怖していたエマは電話を取らなかった。
電話に怯えるエマが振り向くと謎の男が一瞬現れエマの首を絞める。
男の姿はすぐに消えたが部屋中のカーテンが突然閉まり、窓も開かなくなる。
エマが屋根裏部屋のラジオをオンオフしていると、目の前に少女と女性が現れ「静かに!」と言った直後、エマは男に後ろから引き倒される。
エマはスタジオで何者かと問うと、女性の声で「見つかるから静かに」と言われ、その直後男の声でお前を殺すと言われる。

取り憑かれたセバ

買い出しに出ていたセバが財布を忘れて家に帰ってくるが、玄関が開かなかったのでわずかに開けられていた裏口から入る。
セバはエマの姿を探すが、屋根裏部屋で突然ラジオが鳴り出し、何者かに首を絞められる。

怪我をしていたセバを見つけたエマはセバをリビングに連れて行き、何かがいるので声を出さないようと指示する。
セバは何がなんだかわからない様子だったので、エマはスタジオに連れて行くが、セバには何も聞こえなかった。
エマがだけが奇妙な声を聞き、後ろを振り向くとセバの姿がなくなっていた。
セバはリビングにいたが異常な様子で、突然エマに襲いかかり暴力を振るう。
エマが屋根裏部屋に逃げるとラジオが鳴っており、突然現れた少女に突き飛ばされたエマは見知らぬ屋敷にワープする。

呪いの真相

その屋敷では仲の良い母娘が生活していたが、戦争で人が変わってしまった父が僅かな物音でも爆音に聞こえてしまうため、物音を立てない生活を強いられていた。
笑わなくなった母のため、娘は人形をプレゼントするなど優しい性格だったが、父が帰宅すると家の雰囲気は一変する。
父は誤って皿を落としてしまった母を殴り、娘がラジオを誤ってつけてしまったため、母と娘の首を絞めて殺してしまう。
エマはその光景を見ていたが、別世界の出来事のように干渉できず、取り憑かれたセバに首を絞められ元の家に戻される。

決着

エマは隙を見て逃げ出し、追いかけてきたセバをスタジオに閉じ込め、大音量で音楽を流す。
取り憑かれたセバが苦しみだしたため、エマは家中の家電を使い至る所で音を流すことにする。
屋根裏部屋でエマは家の警報装置を使い大音量を流すが、突然家中の音が消える。

その時、ラジオから母娘の声が聞こえてくるとセバの動きが止まり、セバに取り憑いた父の幽霊は、家族の声が弱点であることがわかる。
気がつけばエマのそばには母娘がおり、3人で手を繋いで大声をあげる。
するとセバに取り憑いていた父が分離し、ラジオが止まると同時に幽霊一家は姿を消した。
その場に残されたエマとセパは抱きしめ合い生還を喜び合う。

終わらない呪い

後日、エマとセバは無事に退院したピーター夫妻と食事を共にし、家族は平穏を取り戻す。
エマは再び歌のオーディションを受け、自分の歌をセバに聞かせる。

事件のきっかけとなったラジオは、捨てられているところを通りがかりの男が拾い質屋に持ち込んでしまう。
ラジオは壊れているようだったが、その夜、質屋が商品の絵画を見ていると、絵画から人影が現れ質屋は絵画の中に吸い込まれるのだった。

レビュー・考察

低予算ホラーの力作

舞台はほぼ広くない家の一階と二階のみ。
キャストもほぼエマとセバ、断片的に現れる幽霊一家のみ。

これだけの低予算で、面白い映画に仕上げたのは見事。
スプラッタなしの王道ホラーで、恐怖だけで勝負しているのも評価できる。
全体的には音声が優秀で、BGMや効果音の演出が音を出したら襲ってくるという幽霊という設定とマッチしている(ややワンパターンではあるが…)。

演出上、家が異常に暗い。
白人は明るさで目がやられるので民家が暗く、外ではサングラスをすると聞いたことがあるが、それでもこの家暗すぎだろうに…
幽霊一家の元の家の方がよっぽど明るかった。
「やーい、おまえんちお化け屋敷ww」がそのままの意味になってしまった。

呪いのラジオ

ピーターが手にしたラジオは呪いのラジオだった。
このラジオの前の持ち主一家では、父が戦争から帰ってきてから人が変わったようになり、家庭内暴力を振るうようになっていた。
父は音に極めて敏感になっており、僅かな物音でも苛立ち暴力を振るうのだ。

そしてある日、一家の娘が誤ってラジオをつけてしまったことが原因で、父は母と娘を殺害。
以来、ラジオをつけると音に苛立った幽霊の父が襲ってくるため、幽霊の母「静かに!」とそれを止めていた。という話。

ピーターもエマもラジオをつけると幽霊が見え、消すと消えるのだから、ラジオを切ってそっとしておけばいいのに、わざわざオンオフを繰り返して首を絞められるのだから阿呆である。
その上エマは、母親が止めるのも聞かずに、実家に戻って怖い目に遭っているのだから、もうわざとやっているとしか思えない。

このラジオ、オープンングで様々な写真に映り込んでおり、姿を変えずに次々と宿主を変えているようである。
ラストではラジオを手にした質屋に取り憑いて、質屋を絵の中に引きずり込んでいた。
霊障のパターンは相手に合わせているのかもしれない。
エマの場合、お化け屋敷みたいな暗い家とセバがいるという状況に合わせた霊障でああなっていたのであれば、なかなか空気の読めるやつである。

強くなるエマ

エマが襲われた幽霊父の弱点は音と家族。
スタジオ監禁からの爆音攻撃から、ラジオでの家族の音声再生、そして幽霊母娘とエマの絶叫で除霊が完了する。

え!そんなんでいいの!という感じである。
やろうと思えばもっとあっさり倒せたのではないだろか??

これはこれまで幽霊母と幽霊娘が幽霊父に怯えて、戦うことを諦めていたのではないだろうか。
幽霊母が何度もエマに「静かに!」と警告していたが、エマがセバに取り憑いた幽霊父を倒すため戦うのを見て、幽霊父を倒す決心をしたため、ラストの絶叫に繋がったものとも考えられる。

エマも映画冒頭ではオーディションで緊張し失敗していたが、この戦いを経て強くなり、ラストでは堂々とオーディションに合格した様子が描かれている。

戦う前から敗北していたのは、エマも幽霊母も同じだった。

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