【希望と絶望】映画「28日後…」が5分でわかる!【ネタバレあり】

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2002年のイギリス映画
主演者はキリアン・マーフィ、ナオミ・ハリス、クリストファー・エクルストン
イギリスに凶暴化するウイルスが蔓延するサバイバルホラー

こんな人にオススメ!
・速いタイプのゾンビが見たい
・ゾンビより怖い存在を実感したい
・終末感を楽しみたい

映画「28日後…」が5分でわかる!

あらすじ

崩壊したロンドン

イギリスのケンブリッジ霊長類研究センターに動物愛護団体が侵入し、被験体のチンパンジーを解放しようとする。
そこに研究員が現れチンパンジーたちは全員感染しているというが、愛護団体の女性はチンパンジーの檻を開けてしまう。
興奮状態だったチンパンジーは女性に噛みつき、それを見た研究員は慌てて女性を殺そうするが、突如凶暴化した女性に殺されてしまう。

それから28日後、ジムは病院のベッドで目を覚ます。
病院内はおろか街中にも誰もおらず、ロンドンの街はゴーストタウンのようだった。
ジムが拾った新聞には英国民が緊急脱出したと記載されており、行方不明者の情報を求める掲示板は掲示物で埋めつくされていた。

男は教会に入るが、教会の中は死体で埋め尽くされていた。
現れた神父は明らかに異常な様子で、ジムに襲いかかってきたので撃退し逃げ出す。
街には神父のように凶暴化した人々で満ちており、ジムは武装した人々に救助され生き延びる。

ジムは自転車メッセンジャーだったが、交通事故に巻き込まれ病院に運び込まれており、その間に現在の異常に巻き込まれていた。
ジムを助けたのは、マークとセリーナで、今やパリやニューヨークでも感染者が出ており、イギリス政府も機能してないという。

マークとセリーナはジムの両親を探しに行くといい、ジムと家に向かう。
しかしジムの両親はすでに自殺しており、ジムは絶望的な世界を見ないで済むよう敢えて眠ったままにされていたことを知る。

その夜はジムの家に泊まることにし、三人は安全のため同じ部屋で一夜を過ごすことにする。
ジムが1人リビングで思い出に耽っていると、感染した近所の中年男性が天窓を突き破ってジムに襲いかかってくる。
マークとセリーナがジムを助けるが、この戦いで感染したマークをセリーナは滅多刺しにして殺す。

束の間の休息

ジムとセリーナは誰もいなくなった街を歩いていたが、マンションの一室に明かりが灯っているのに気がつく。
2人はマンションの螺旋階段を上がっていたが、感染者が下から迫ってくる。
頭痛を起こしていたジムは追いつかれそうになるが、階上の踊り場にいたフランクという男に助けられ、部屋に逃げ込む。
フランクは娘ハンナと暮らしており、下から見えた明かりはこの部屋のイルミネーションだった。

翌朝フランクはラジオをつけ、第42封鎖隊の兵士たちが避難民を受け入れているという。
この放送に救いを求めるフランクと反対するセリーナは対立するが、結局フランクの車でその場所に向かうことにする。
車はトンネルの中を進んでいたが、その途中でパンクしてしまう。
車の修理中に突如大量のネズミが現れ、それに続くように感染者たちが迫ってくる。
フランクが車を持ち上げている間にハンナがパンクを直し、あわやというところで逃げ切る。

4人はスーパーマーケットに立ち寄り食料を調達し、停車していた給油車からガソリンを調達する。
フランクがガソリンを調達している間、付近の民家を探っていたジムは少年の感染者に襲われるが、返り討ちにする。
遺跡のある湖畔の草原で、和気藹々と食事を楽しみ、美しい野生馬の走りを見る。
生き残るために全てを切り捨てる考えだったセリーナはその考えを改める。
その日は遺跡で野宿をするが、ジムが目覚めると周囲には誰もおらず慌てるが、その悪夢を優しく治めるフランクに、ジムは父親のような存在を感じる。

4人は第42封鎖隊の駐屯地にとうとう辿り着くが、そこには誰もいなかった。
兵士たちがいなくなったことに諦めがつかないフランクは、駐屯跡地を探し回るが、偶然目に感染者の血液が入ってしまう。
ハンナに愛を伝え、自身から離れるように言うが、感染者となったフランクはハンナに襲いかかろうとする。
その時、周囲に隠れていた兵士たちが現れ、感染したフランクを銃で蜂の巣にする。

ジムらは兵士に連れられ第42封鎖隊の基地に連れられる。
ジムはこの基地の隊長である少佐からこの基地のことを教わるが、基地の中に感染した兵士が生きたまま捕えられ、少佐が感染者の研究をしていることを知る。
基地にはキッチンもあり、ジムたちがもたらした食料で晩餐会が開かれる。その席で隊長は感染が起こる前から人々は殺し合ってきたといい、これが人間の本来の姿だと語る。

その時、基地の周りの地雷が炸裂し、侵入してきた感染者を兵士たちが撃退する。
兵士たちはセリーナに乱暴しようとするが、それを止めようとしたジムが殴られる。
少佐は兵士たちを一括しセリーナに謝罪するが、実は少佐は兵士たちに女をあてがうことを約束していたことがわかる。
ジムはセリーナとハンナを連れて逃げようとするが捕まり、少佐に離反した兵士ジョーンズと基地の一室に監禁される。

ジムと兵士は森に連れて行かれ、殺されそうにになるが、ジムは危機一髪のところで逃走することに成功する。
基地に残されたセリーナとハンナは乱暴しようとする兵士たちに抵抗していたが、その時基地の入り口にジムが現れたため兵士たちは基地を出ていく。
ジムは物陰に身を潜めながら兵士たちをひとりずつ殺していき、基地で被検体にされていた感染者の兵士を解き放つ。
感染兵は兵士たちに襲いかかり感染は拡大、次々と感染した兵士たちはお互いに殺し合う。

ジムはハンナとセリーナの姿を探して基地内を探し、兵士に連行されているセリーナを見つける。
ジムはその兵士の目を潰しセリーナを助け出し、飛行機を見たことを伝える。
そこにハンナが現れ、ジムが感染していると誤解しジムの頭を瓶で殴る。
ジムは2人を連れて基地から逃げようとするが、乗り込もうとした車には隊長がいた。
先に乗り込んだハンナが隊長を後部座席に乗せて運転する形になるが、そこに被検体の感染兵が現れ隊長を襲撃し、ジムらは基地を脱出することに成功する。

それから28日後、ジム・セリーナ・ハンナは無事に生き残り、郊外の一軒家でひっそりと暮らしていた。
戦闘機が上空を通るのを見かけた三人は、兼ねてから準備していたHELLOを模った布を広げ助けを求めるのだった。

レビュー・考察

高機動型ゾンビ映画。
本作のゾンビはとにかく走る!
全力疾走で迫ってきて、少しでも噛まれると即感染でゾンビ化確定のたちの悪いやつです。

人間が一度死んでゾンビとして生き返るタイプではなく、生者が感染している状態。
つまり死者ではなく病人なので、実は放っておくと勝手に餓死する。
餓死するゾンビはちょっと珍しい設定。
だが本作で本当に怖いのはゾンビではない。

四人の楽しい旅路

ジムとセリーナはマークと別れた後、フランクとハンナの親子と出会い、共に第42封鎖隊を目指すことになる。
陽気で豪快なプランクとの旅路は、感染者との遭遇に恐れながらも楽しいものとして描かれている。

スーパーマーケットで思い思いの食料を手に入れたり、酒談義を花を咲かせたり、ゾンビ映画にあるまじき明るさである。
誰もいないのにクレジットカードごと店に置いていくプランクの律儀さが光る。

スーパーマーケット内にゾンビ店員とかいそうなものだが、そんなの全く気にする素振りもない。
非常事態宣言どころではない事態なのだが、どこ行った警戒心…。

更に美しい湖畔の遺跡ではピックニックを楽しみ、車中泊なんてかったるいと言わんばかりに野宿をキメる。
これが三密回避か…感染予防のお手本のようだがこのウイルスは空気感染はしないんだ…。

そんな幸せそうな旅路で、自分が生き残るしか興味のなかったセリーナに変化が訪れる。
もともとセリーナは感染したマークを容赦なく殺し、逃げ遅れたジムを置いて逃げようとしたように生き残るのに手段を選ばない人物だった。
しかし当初足手まといになれば捨てるとしていたフランクが、いざ感染した際には泣き叫ぶばかりで殺せなかった。
セリーナの親しい人はどうなったのか語られないが、きっと本来は優しい人なのだろう。

絶望のゴール

4人が希望を求めてたどり着いた第42封鎖隊は、ろくなところではなかった。
兵士に女をあてがうため生存者をラジオで呼び寄せていたのだ。
セリーナとハンナも危機に陥るが、ジムが助けに来たため事なきを得る。

4人にとって、ゴールへの旅路は危険だったが楽しく、希望を求めたゴールは絶望だった。
皮肉なものである。
少佐も絶望的な未来に自殺しようとした兵士のために女をあてがう約束しており、必ずしも悪とは言い切れないあたりにやるせなさを感じる。 

恐ろしいのはゾンビか人か。
その答えは共にいる人たちの中にある。
ラストで戦闘機に助けを求めていたが、その先もまともなところであるとはかぎらない。
今一反省が生かされていない。

どうでも良いがメッセンジャーでずっと入院していたジムが、数で勝る兵士を圧倒できたのはなぜだったのだろうか…
ゾンビの力を借りたとは言えさすがに強すぎる気が…

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