【獣医師が解説】獣医師の仕事・年収【動物病院以外の選択肢】

みなさん、獣医師のお仕事というとどんなものを思い浮かべますか?
やはり動物病院の先生でしょうか?

それも正解ですが、実はもっといろんなお仕事があるのです。
私は獣医師です。
私が体験したことや見聞きした話から、獣医師の仕事の実際をご紹介したいと思います。

特にこれから獣医師を目指して大学受験をしている方、果たして獣医師の免許は社会で生きる上で役に立つのか?

獣医を目指す前に現実を知っておきましょう。

手っ取り早い手段として…
実は、お母さんとお父さんが転職サイトに登録して実際に調べてみるのが一番早いです。

動物病院でも転職サイトに登録しているところもあるので、実際の待遇がよく分かります。
もちろん民間企業の募集もあるので比較しやすいのがいいところです。

転職サイトはいくらでもありますが、調べるだけなら件数の多いリクナビだけやっておけばOKです。

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獣医師のお仕事・年収

厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査によると、
獣医師の時給換算の平均給与は¥1,582です。

一級建築士¥2,001、医師¥4,056、薬剤師¥1,823と比べて少し寂しい数字となっています。
看護師が¥1,439なので概ね同水準と言えるでしょう。

小動物臨床

年収:300〜400万円程度でここからあまり上がらない。
休日:病院により大きく異なるが、土日出勤であることが多い。

こんな人にオススメ!
・ペットのためなら身を粉にして働ける人
・都会で働きたい人
・開業したい人

獣医師といえばまずはこれです、動物病院の先生。
新卒の約6割が動物病院に就職します。
可愛いわんちゃん、ねこちゃんが元気になる姿が見たいと獣医師を志す方も多いのではないでしょうか?
また、都市部に多くあるため、都市部で働きたい人には有力な選択肢になります。

動物の命を預かる仕事

急な患者や入院しているペットの世話など動物病院が開いていないときも、獣医師の先生は働いています。
そのため緊急な呼び出しもあり、休日も潰れがち。
土日やっている病院も多いので、休めるのは平日で、長い休みはまず取れません。

若い時はいいかもしれませんが、結婚して子供ができてとなると続けるが難しい職業であるといえます。

身につくスキルは絶対的

動物病院で診療をしていたというスキルは、どこに行ってもかなり強いです。

独立開業する唯一ので手段であり、独立すれば待遇も休みも自身で自由に決められます。
独立開業しなくても、転職の際に他の動物病院に移るのも、民間企業で働くのも、公務員になるのも動物病院での勤務経験があると極めて有利です。

民間企業では勤務経験3年以上を要求することが多いので、病院を移りながらも3年やっておけば苦労がかなり減るでしょう。

その意味では新卒で一度やっておくと良い仕事であるといえます。
実際私の周りでも新卒で動物病院に就職した10名のうち、10年後も続けてるのは2名しかいません。
その大半が3年程度で公務員に転職しています。

飼い主とのコミュニケーションが重要

獣医師の先生は言葉を話せないペットの代わりに、飼い主に説明しないといけません。
飼い主には優しい方がおおいですが、中にはペットを愛しすぎた飼い主の方もいて苦労することもあります。

ペットだけでなく、ヒトとのコミュニケーションも楽しめる方にはいいのではないでしょうか?

動物病院の大半は個人経営の病院

労働環境は上場企業や公務員と比べるとよくありません。
院長先生の権限は絶対ですので、運が悪いとブラック労働を延々と強いられることになります。

労働法について知らない院長先生も世の中にいるとも言われています。
なるべく大きな法人化した病院に勤めることでリスクは減らせると思います。

ペットに健康保険はない

私たちが病院で払う診療報酬は、実は全体のごく一部で、病院はもっと多くの金額を健康保険からもらっています。
しかし動物に健康保険はないため、動物病院に入る収入は決して多くありません。

そのため、勤務獣医に支払える給料は医者と比べるべくと少なく、給与も上がりにくいので自身で開業しない限り低収入で働き続けることを余儀なくされることが多いです。

知識は常に進歩している

新型コロナウイルスもそうですが、病気は常に進化しています。
その治療法や薬も進化してるので常に勉強し続ける努力は欠かせません。

独立開業への道

独立開業できるのが、小動物臨床の最大のメリットです。
しかしペットに必要な医療レベルが人間並になっていることから、開業資金は1億以上必要とも言われています。

院長として自由に働けれる可能性はありますが、都市部での動物病院の乱立による競争激化、開業資金の問題や医療ミスのリスクも考えると気軽にはできないのが実情です。

産業動物臨床(JA全農)

年収:400〜600万円程度
休日:病院により大きく異なるが、土日出勤であることが多い。

こんな人にオススメ!
・お金と命を天秤にかけることに疑問がない人
・体を動かすのが好きな人
・地方の人がいないところで働きたい

ペットの病院があれば、牛・馬・豚など家畜の獣医師ももちろんいます。

主に農場を回って、家畜の病気や怪我を治す仕事です。
それだけでなく、牛などではお産にも立ち会うので、深夜の仕事が多いもの特徴です。

大型動物相手になるので肉体労働になるのは避けられず、かなりハードは仕事となっています。
現在なり手がかなり少なくなっており、新卒で産業動物臨床に進む人はほとんどいません。

農場を回る都合都市部での仕事はほとんどなく、勤務地は基本的に地方で、かなり不便な生活を強いられます。

また、家畜はペットと違って、治して肉にするのが安いか、治療をしないで廃用にしたほうが安いかという選択を常に農場ではしています。

そのためペット感覚で、可哀想だから直してやりたいという人には厳しいかもしれません。

代表的なのはJAの獣医師で、全国に支部があります。
都心部に家畜が少ないので、募集は北海道や九州が中心になります。

公務員

年収:400万〜600万程度、退職金2000万
休日:基本的に土日祝休み。年末年始

こんな人にオススメ!
・なにより休みと給料を確保したい
・出産と育児でまとまった休みが欲しい
・公務員一筋で生きるのでスキルなんていらない

公務員獣医師は人気の職業で、新卒の約3割が選んでいます。

大きく分けて国家公務員と地方公務員に分かれます。
国家公務員は厚生労働省とか農林水産省。地方公務員は県庁とか政令市・中核市ですね。

国家公務員は全国転勤の可能性がありますが、年収やキャリア官僚の肩書は半端ではなく、新卒で一度挑戦すべき職種と言えます。

地方公務員では、法律上公務員でないとできない仕事があり、その仕事をするために獣医師枠で行政職などとは別に採用枠を設けています。

獣医師自体の数が少ないので、競争率が低く、行政職などに比べると公務員になりやすいのが最大の強みです。
それでも人気の南関東の自治体は競争が激しいので、なるにはそれなりに勉強は必要です。
地元自治体は受かりやすいというウワサもあるので、地元の自治体を受けてみてもいいのではないでしょうか?

公務員の魅力は圧倒的な安定です。
土日祝は基本休み、給料も東証1部上場企業並みに出ます。
ただし獣医師の仕事は動物を扱うことなので、動物を預かる保護センターなどでは休日出勤もありますし、選挙の時には手伝いに出されることもしばしば。

最大のデメリットは、スキルが身につかないことです。
公務員の仕事は獣医師に限らず誰にでもできるように設計されています。
業務内容も民間企業で求められるレベルには到底及ばず、一度なってしまうと転職が非常に難しくなっています。

また、法律上獣医師が求められる仕事が業務の範囲になってしまうので、人間関係が濃厚になりやすいのも特徴です。

獣医師という職業自体、近年急にレベルが上がった職種です。
そのため管理者クラスにブラック上司がいる割合が高いような印象もあります。

公務員ならではの特権も多いので、骨を埋める覚悟があるのであれば、非常に良い職場であるといえます。

ただし、私立大学の学費約一千万を考えるとコスパがいいとはいえないでしょう。

民間企業

新卒年収:350〜800万円程度
休日:土日祝が多い

こんな人にオススメ!
・そこそこの休みと給料を確保したい
・安定した職場で産業動物に関わりたい
・スキルが欲しい

民間企業は獣医師の新卒就職では約10%がこの道を選びます。
特徴としては休日と安定した給与を確保しつつもスキルを身につけることができるので、バランスが良いです。

就職先としては医薬品メーカーが多く、人用医薬品の実験動物の世話がメインの仕事になります。
大企業になると小動物臨床の経験が3年程度求められるので、一度小動物臨床をやってから転職すると待遇を一気に改善することができます。
個人的には小動物臨床3年からの超大企業への転職が最強の選択肢ではないかと考えています。

また動物用医薬品メーカーでは研究職としても活躍できるため、専門性の極めて高い知識を身につけることができます。
転職してなるのは難しい職種でもあるので、新卒で一度目指してみると良いでしょう。

それ以外では、企業経営している農場の管理獣医師というポストもあり、産業動物に携わるのであれば産業動物臨床より安定が期待できるのでオススメです。

民間企業に行くのであれば、獣医師としてのこだわりを捨て、単なる理系の大学卒で攻めてみるのもアリです。
学費はもったいないですが、獣医師にこだわると選択の幅がかなり狭まるので、思ったような仕事がなければ、いっそ獣医師の枠を自ら取っ払うもの一つの選択肢でしょう。

もちろんブラック企業に当たらないための下調べは入念に行ってください。
企業のクチコミサイトはもちろん可能な限りOB訪問は行って実際のところを確かめてください。

クチコミも調べないで、入ってからブラック企業とわめくのはただの怠惰です。
実際の働いていた人の口コミを聞きたいなら転職会議というサイトがおすすめです。

まとめ

小動物臨床三年からの開業か、大手医薬品のメーカーへの転職が最強
・新卒キップを有効に使うなら、国家公務員の肩書きも有力
・異動範囲が少なく、とにかく食いっぱぐれないのを目指すなら地方公務員
・産業動物臨床を目指すならそれなりに覚悟が必要

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